お騒がせ男のツイッターTOB ネットフリックスのケチケチ大作戦 ディズニー、スターバックスが陥った「僕って何?」

本社をホームレスに開放せよ
トランプのアカウントも復活

 世界1の大金持ちは、世界1のお騒がせ男。イーロン・マスク。またやってくれた。今度はツイッターである。4月初め、マスクが株式9 %を取得した時、ツイッターは最初、懐柔策に出た。マスクを取締役として内部に取り込んでしまおう。マスクも一度はこれを了承するが、すぐに翻意。TOBを掛け、ツイッターを非公開にする意思を表明した。

 ならば、とツイッターは「毒薬」で対抗する方針を打ち出した。マスクが15%以上株を取得したら、第三者に大量に新株を発行し、マスクの持ち株を“希薄化”するのである。従業員もTOBに反対だった。マスクは「ツイッターの本社をホームレスに開放すればいい。だって、(コロナで)誰も出社していないんだろ」と言い放っていたのだから。

 もっとも、TOBには465億ドル(6兆円!)のカネが必要だ。世界一の大金持ちでも、そんな大金、おいそれと用意できるはずはない。この時点では世間の大半は、TOBが成功するとは思っていなかった。その証拠にマスクが1株54.2ドルで買い取ると言っているのに、株価は47ドル台に止まっていたからだ。

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