ロシアに接近するのを恐れる日米豪 クアッドでインドが得た「漁夫の利」

クアッド首脳会合、ロシアを巡り溝

 5月24日夜、訪日中のインドのナレンドラ・モディ首相は、元赤坂の迎賓館で岸田文雄首相とともに池の鯉に餌やりをした。欄干に足を掛けて身を乗り出し、豪快に餌をやる様子からは、日中に行われた日米豪印による「クアッド」会議を終えた解放感とともに、達成感が滲み出ているように見えた。

 東京で開催された今回のクアッド首脳会合は、オンライン形式で開かれた昨年3月、初めて対面で行われた昨年9月に続き、3回目。過去2回の会合で重要なテーマの1つとなったのは新型コロナウイルスのパンデミックへの対処で、ワクチンの生産や供給に関する協力の推進が謳われた。

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