“タリバーン”アフガン首都制圧 米軍「屈辱の撤退」、混迷国家にロシアは
すべては米同時多発テロから始まった
撤退というより、ひたすら敗走した米軍
アフガニスタンのイスラム原理主義武装組織「タリバーン」は8月15日、首都カブールを陥落させ、米軍は混乱の中で屈辱の撤退を行った。20年続いた戦争の惨めな終結だった。
そもそもの始まりは、2001年9月11日、民間航空機が次々とハイジャックされ、ニューヨークの高層ビルや米国防総省建物に体当たりする事件が起きたことだった。数千人の死者が出る歴史的なテロ事件で、後に「米同時多発テロ」と呼ばれた。犯行グループは、国際テロ組織「アルカイダ」で、首謀者はサウジアラビア出身のビン・ラディンだった。当時、ラディンはタリバーン政権の庇護下にあった。米政府は身柄引き渡しを求めた。タリバーンは拒否し、米国は宣戦布告した。