どこかへ飛んでしまった和平交渉への動き“軍事支援の空騒ぎ”欧州の行きつく先

紛争・戦争に加担しないを国是としてきた
ドイツの積極的な軍事戦略の転換

 5月末、欧州連合首脳会議が開かれた。欧米メディアはロシア石油輸入禁止の対露制裁問題に大きな焦点を当てた。しかし、これが決定的な制裁だとは思えない。少なくとも、ロシア国内では、対露制裁によってパニック状態には陥っていない。どう見ても、もう1つの議題だったウクライナへの軍事支援拡大の方が重く、今後大きな問題をもたらすと思えた。

 会議では、ウクライナへの軍事支援拡大に反対する国はほとんどいなかった。ラトビアのカリンシュ首相は「私の同僚の何人かが、『何であれ、ウクライナの平和は必要だ』と主張していた。だが大きな間違いだ」と批判。

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