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NEW LEADER LIBRARY(`23/7)
政治家の回顧録の中では出色の面白さ
巧みな印象操作、空気を読む勘、官僚の使い方
日本の政治家の昇りつめ方を示唆
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『安倍晋三回顧録』 安倍晋三著(中央公論社)
安倍晋三が凶弾に倒れてから1年が経とうとしているが、いまだに政界や保守系マスコミでは安倍ロスが続いている。うっかり安倍批判などしようものなら、熱狂的な安倍支持者から「反日野郎」と認定されかねない。
そんな中であえて本書を取り上げるのは、政治家の回顧録の中では出色の面白さがあるからである。また、8年もの長きにわたって政権を維持したその政治手法や、意外と現実的で柔軟な性格、いかにも政治家三世らしい人心掌握術なども読み取れて、興味深い。
政治手法で特徴的なのは、印象操作がとてもうまいことだ。本書の中でも「民主党政権はだめだったよね、というムードは、私がさんざん発信した影響もあって社会に定着していました」と言うように、安倍本人が意識して行っていたのである。