インターネットは経済成長に寄与したか 「成長の終焉」か「本番はこれからか」 そして我々を待つ未来の社会はいかに

全要素生産性TFPで比べてみると
第2次産業革命ほどのパワーには欠ける

 インターネット革命は、我々に富をもたらしただろうか、それとも一部の巨大IT企業を大儲けさせただけではないのか。連載2回目は、インターネットなどのIT革命と経済の関係を鳥瞰してみたい。

 1998年に創業したグーグルは、20年ちょっとで売上高2576億ドル(29兆6240億円、2021年)の巨大IT企業・アルファベットに成長。売上高の81%は広告の稼ぎだ。この間、世界全体の新聞、雑誌の広告費は激減し、テレビ、ラジオの広告費も近年、前年割れの年が目立つ。一方、毎年増え続けてきたインターネット広告費は、12年に新聞広告費を、17年にテレビ広告費を抜いた。グーグルが広告で稼いだ富は、新聞やテレビなど他の媒体から単に移転したにすぎず、広告業界のパイを新たに膨らませたわけではないように見える。

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