小さくすることで付加価値を創造する 半導体ベアチップ実装技術を誇る─マイクロモジュールテクノロジー─
モジュールを小型化して
電子機器を小さくする
ナノテクに関連する技術に電子機器の小型化技術がある。気が付けば電話やカメラなどは、かつてよりずいぶん小さくなっている。
電話は昭和の時代にはデスクに置かれてほとんど動かないものだった。携帯電話が登場したのは昭和も終わりになる頃である。「携帯」とは言うもののショルダーバッグ並みの大きさの携帯電話本体を肩に掛けると、ずっしりと肩に食い込むほど重量があったことを、いまの若者はほとんど知らないだろう。
カメラも手に余るほど大きいのが普通で、コンパクトカメラなどという名前のものでも現在のスマートフォンより大きく、重かったものだ。いまのスマホは手のひらサイズで持ち歩け、電話の機能だけでなく、カメラもコンピュータも中に入っている。
電子機器はどんどん小さくなることで、性能がよくなり、多機能になると同時に省エネになった。内部の電子回路を小型化して組み込む技術が飛躍的に進歩したからだ。
それを可能にした1つは、製品に組み込まれるモジュールが小型化したことだ。モジュールとは、簡単に言えば「ある特定の機能を持った入れ替え可能なユニット部品」である。例えばスマホなら、カメラのモジュール、無線通信のモジュール、個人認証のモジュールなど種々の機能を担った部品がモジュールとして組み込まれている(写真1)。