英語学習は、パズルだと思う。

英語学習は、パズルだと思う。今日は、そんな話をします。

まずは、英語学習について語る前に、英語を教えることについて書きたいと思います。

まずは、パズルのピースを集める

僕は、中高生を中心に英語を教えていますが、生徒たちに必ず言うことがあります。

みんながやるのは、パズルのピースを集めること

ここでいうパズルのピースとは、英文のこと。僕が彼らに求めているのは、授業で出てきた英語表現なり、文をひとつのノートにまとめて何度も練習すること。これに尽きます。

他にも、生徒たちは学校で習った表現や自学自習で使うテキストに出てきた英文をノートにまとめていきます。パズルのピースをたくさん持っておくのです。

しかし、持っておくだけでは意味がなくて、それをひたすら練習しなくてはなりません。英文を和訳したり、日本文から英語を作る練習をします。

ひたすら練習をすると、見えてくる世界があります。僕は、授業で次のように言っています。

ピースをたくさん集めたら、そのうち素敵な絵が見えてくる。これが、英語が分かってくる感覚。

だから、英語ができるようになるまでひたすら練習をします。地道な努力が必要な地味な作業です。ピースを集めるのは、暗い洞窟の中で懐中電灯を持たずに出口を求めてひたすら進んでいくようなものだからです。

英語講師は素敵な絵を見せる

僕が授業で大切にしていることは、もう一つあります。それは、「英語講師は、生徒に素敵な絵を見せて感動させるべし」です。

前述しましたが、生徒たちはパズルのピースを集めて素敵な絵を作ろうと努力します。英語講師は、このピースを生徒たちに配りますが、同時に完成した素敵な絵を見せます。これが、いわゆる分かりすい授業なのです。

予備校で英語教えている凄い先生方の授業を見ると、分かりやすくて感動します。これは何でかというと、先生たちによって作られた完成したパズルを見せられて、僕たちが魅せられているからです。

先生たちは長年の経験で培われたオリジナリティに富んだ説明で生徒たちを魅了します。

「こんな分かりやすい授業、受けたことない」
「学校の先生はこんな説明しない」

教室でこんな言葉が飛び交うのは、その先生しかできない美しい絵を目の前で見せられたからなのです。

例えば、誰もが一度は耳にしたことはある「三単現のs」という文法があります。英語が嫌いな人は、このワードを聞いただけで耳が痛くなるかもしれません。

この文法を正確に解説するならこうなります。

現在形で、主語が三人称で単数形の時、動詞にsまたはesがつく。

間違ってはいないですが、非常に分かりにくいです。

僕ならこうします。

主語が一人なら、動詞にsやesがつく。

これなら簡単そうです。誰でも、理解できます。

念のため言っておくと、この説明には例外があります。それは、ＩとYouです。

この文法を習うのは、1年生のはじめです。なので、過去形や現在進行形は習っていないはず。ということは、現在形しか出てこない。そして、IとYouを使った文は「一般動詞の文」という単元ですでに習っています。なので、間違ってもsやesをつけてしまうことはないのです。

これが、素敵な絵を見せるということです。すでに知っている人からしたら、大した話ではないかもしれませんが、英文法をはじめて習う中学生にとったら感動ものなのです。

英語学習は、パズルみたいなもの。

それでは、本題に入ります。ここまで、英語を教える側の話をしてきましたが、ここからは英語を学ぶ側の話をします。

英語を学ぶのに必要なことは、英文のパズルのピースをたくさん集めて練習をすることです。これをひたすら繰り返します。

中高生の場合だとテキストに出てきた文だし、オンライン英会話で英会話が学んでいる大人の場合だと、先生がレッスンで話していた英語です。

学んでいる人によってピースの種類が違うだけで、やるべきことは大人でも同じです。

よく、「この英単語とあの英単語の違いは何か？」を考える人がいます。これは、正直言って無意味です。それは、美しい絵を見るためにピースを探す作業だからです。

もちろん、英語教える人が分かりやすい説明をしようとして、英文集めてきて違いを分析するのは良いでしょう。また、そういった類の本を買ってみて、楽しむのも良いと思います。

しかし、自分でその作業をやろうとしてはいけません。違いを言い出したら、きりがないからです。

答えを出すのに何時間もかかるし、実は答えがなかったりもする。ネイティブによって意見が分かれたり、単語の違いなんてない場合もあるからです。

そうではなくて、習った表現をパズルのピースとしてノートにまとめておき、それを練習してみてください。受験生なら和訳や英作文の練習。英会話を学んでいる大人なら、実際に声に出して練習してみて、アウトプットしてみてください。

英語学習は、パズルのようなものです。とても地味な作業です。一長一短で完成されるものではないです。ですが、一つ断言できることがあります。

パズルは、ピースがあれば必ず完成する。