铁饭碗は羨ましくない?
私は飽きっぽい性格で、一人で黙々と何かに打ち込むのがそんなに得意ではありません。今はやっていないけど、ゴルフは練習するのが嫌いで、いきなりコースに出て、いつもダメダメだったし。
で、最近は中国語の勉強もさぼってます。きょうはそんな自分を奮い立たせる意味でも、中国語の「铁饭碗」について考えてみたいと思います。「鉄飯碗」、日本語ではどういう意味になると思いますか?
鉄は落としても割れないよね。
鉄の飯碗。陶磁器と違って、割れることはありませんよね。(陶磁器といえば、英語の通常の訳はceramicやporcelainですが、chinaで陶器という意味があることを知ったときはなんだか興奮しました)。
そこから転じて、「食いっぱぐれのない安定した職業」のことを指すようになりました。公務員とか、いわゆる「安定した職業」ということのようです。
そして、ある中国語学校のHPを見ていて、次のような例文が目にとまりました。
安定した職業とは何か?
上記で「 」付で「安定した職業」と書いたのには理由があります。日本では安定した職業というと、「辞めさせられることはない仕事=公務員」となるのですが、私の中国の友人(サンプル5くらいだけど)はみんな、「安定とは、いろんな会社を渡り歩けるくらい、自分がスキルアップすることだ」と話すのです。
もちろん、中国においても公務員は、政治体制の観点からみても、铁饭碗だとは思いますが、先の例文のような考え方をする人に出会うと、我々とは「安定」の基準が違うのだなと思います。
就かせたい職業No.1の公務員
株式会社クラレが実施した、「将来就きたい職業、就かせたい職業」というアンケート調査があります(詳細はこちら)。
それによると、男の子の親が就かせたい職業はずーっと「公務員」がぶっちぎりの1位。女の子の親については、若干の順位の変動はあるものの、「公務員」が概ね2位となっています。親心として、食いっぱぐれてほしくない、という愛情が垣間見えますね。
食いっぱぐれるリスクの最小化が美徳?
ここから推測できるのは、高くない給料でも安定して働き、給料を稼ぎ続けることが美徳であるという考えです。安定した職業の代表格ともいわれる公務員については、売上ノルマがあるわけでもなく、人によっては楽なイメージもあるのかもしれません。
もちろん、そんなに楽な仕事とは思わないし、様々な利害調整、意思決定に時間がかかることなど、結構ストレスフルな環境だと思うのですが、それでも、1つの組織で数十年勤めあげることがよいことのように思われている気がします(先日の「論語濃度」の記事も参照してください(→記事はこちら))。
選択肢を持てる自分になる=安定(私にとって)
中国の「自身のスキルをしっかりと身につけること」=「安定」という考えは、私にとっては目から鱗な思いがしました。「辞めさせられることがない」という受け身な労働観ではなく、「自分から選んでいく」という前向きで明るい姿勢がそこにはあるからです。
私もこれまで、铁饭碗であろう大組織で20年近く勤めて来ましたが、資格試験の受験をはじめ、様々な経験を通して、言われたままに働くのではなく、自分で選べる幸せを感じ始めました。大企業で働くにしても、フリーランスで働くにしても、「自分で選んで楽しんで仕事をしている」ということであれば、それはとても幸せなことなのではないか、最近では本当にそう感じます。
私もこのことに気づくまでにかなり時間がかかってしまいました。でも、このことに気づけて良かったと思いますし、これからも自分を高めるための投資(時間・お金)は続けていこうと思います。
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