見出し画像

"問いの力"を考える

先日、高速バスのなかで一気読みした本が岸良裕司『いま、あなたに必要なのは答えじゃない。問いの力だ。』(Goldratt Japan刊)
https://amzn.asia/d/hndb6b7
先日、同様のテーマについての研修に参加したこともあり、もっと掘り下げたいテーマの1つです。

Howばかり求めるところに成長はあるか

 考えてみると、子どものころから、Howに対する答えを見つけることを求められてきたような気がします。
(目的)いい大学に入る →(How)どのように勉強するか  みたいな。
 でも、「いい大学にどのように勉強すれば入れるのか」という問いの立て方ではなく、「私は大学で何を学ぶべきか」とか「大学を卒業した私はどのようになっていたいのか」と別の問いを立てることでもしかすると景色は変わってくるのかもしれません。
 会社に入っても同じで、「どのようにしたら仕事を効率化できるのか」とすると、なかなか壮大かもしれないけど、「どうしたら会議で〇〇さんにあまり発言させなくて済むか」とかまでブレイクダウンできるかもしれないし、「定時後にどんな楽しみがあれば、早く帰ろうというモチベーションが持続するか」のほうがもしかすると最適解が出てくるかもしれない。そんな気がしています。

コーチングが教えてくれること

 実は、昨年秋からコーチングを学んでいるのですが、そこでも「問い」の大切さを感じることがよくあります。
 コーチングというと、スポーツの指導者のイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、それは指導する、教えるというティーチングです。
 ここでいうコーチングというのは、「答えはクライアントの心の中にある」を前提に、質問、傾聴などコミュニケーションのあらゆるスキルを駆使して答えを引き出していくものです。その中で「問い」が重要な役割を果たすのは言うまでもありません。
 私もまだまだレベルアップが必要なのですが、コーチとしての私の問いかけにより、相手が「気づき」を得たり、進むべき方向を見つけたり、といった瞬間を目の当たりにできると、とても嬉しく感じます。どのような「問い」を投げかけられるか、はコーチとしての腕の見せ所なのだと思います。

「明るい選挙」の目的は何か?

 コーチングの中でよく出てくる質問に「あなたが本当に望んでいることは何ですか?」というものがあります。セッションの序盤で使うことが多いこの問いかけ。望ましい未来を思い浮かべたうえで、そのためのマイルストーンを設定し、実効性を高めていくという効果があります。
 翻って、世の中には目標も見えずにHowだけが意識されていることも多いのではないでしょうか。
 私がそう感じる言葉の一つが「明るい選挙」。子どものころ、夏休みの宿題で「明るい選挙啓発ポスター」が宿題に出され、絵を描くのが苦手だった私は大いに苦しみました…。
 子どもたちに「明るい選挙」で絵を描かせること。つまり、明るい選挙というテーマで子どもたちに何を学んでもらおうとしているかというと…総務省のHPにはこうあります。

私たち国民が、買収や供応といった選挙犯罪や、義理人情などによるゆがんだ選挙を排し、選挙が公正かつ適正に行われ、私たちの意思が政治に正しく反映される選挙を「明るい選挙」といいます。そしてこの「明るい選挙」をすすめるための運動が「明るい選挙推進運動」です。

総務省HP「明るい選挙の推進」

 「明るい選挙」のワードだけでは「不正防止」という観点までは見えてこないのではないでしょうか。私も子どものころ、「不正防止」を目的としていると思った記憶がありませんし、自治体のHPに掲載されている優秀作品を見ても、「1票で未来を変えよう」など、投票に行くことを呼びかける内容のほうが多くなっている気がします(もちろん、それはそれで大事なテーマです)。
 「明るい選挙」が何を意味・定義するかのコミュニケーションをとらずして、宿題としてポスターを書かせる…、もう少し目的の部分を大事にしてほしいと思います。

質問を研ぎ澄ませて、目標に近づく

 「明るい選挙」のくだりでは、少し話が横にそれてしまいましたが、質問の質をよりシャープにすることができれば、目標達成も容易になるかもしれません。この記事を書きながら、私もこれからも研鑽を続けたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?