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アカウントディレクターが習得すべき3つのポータブルスキル

こんにちは、ビジネス開発部のアカウントディレクターyamoです!
今回は「アカウントディレクターとしてどのようなスキルがあればいいのかわからない。」と悩んでいる方のために、特に習得すべきポータブルスキルをピックアップしてご紹介したいと思います。

その前に、初めての投稿なので、少しだけ自己紹介をさせてください。
Newbeesには、2023年2月に入社したのですが、新卒からの17年間に様々な業務に関わってきました。
紳士服メーカーでのアシスタント業務、ECサイトの運営、商品撮影、営業事務、社長秘書、テレアポ、DMやチラシなどのデザイン、自社サイトの運用、販促物企画、Webディレクター、現場監督などなど。
経験値を積むために頼まれたら断らず、かつ平均点くらいでこなせてしまう「スーパー何でも屋」でした。
それ故に、エンジニアやデザイナーのような技術職ではないので、自慢できる特別なスキルがないと自信を失うときもしばしば……。

そんなとき、何気なく参加したビジネスセミナーで「ポータブルスキル」というものがあると知り、自分自身アカウントディレクターとして「どのようなスキルを伸ばすべきか」がとても明確になったのでそちらの解説をしたいと思います。


ポータブルスキルとは「いつでもどこでも戦える能力」

ポータブルスキルとは、職種の専門性以外に、業種や職種が変わっても通用するスキル、まさに「いつでもどこでも戦える能力」と言えます。
例えば、リサーチ力、コミュニケーション力、課題設定力などの汎用性の高いスキルのことを言います。下記の表は、厚生労働省が提唱している「仕事のし方」と「人との関わり方」の2つのカテゴリーと、それに紐づく9つの要素を参考に解説しているものです。
ポータブルスキルが高い人は、どのような立場になっても活躍できるビジネスパーソンになれます。

ポータブルスキルの要素

重宝される3つのスキル

1.社内外対応(コミュニケーション力)

アカウントディレクターにとって、1番大切と言っても過言ではありません。
このスキルは、AI時代になっても取って代わられることがないものです。
アカウントディレクターは、ビジネスパートナー(以下、BP)と社内メンバー、それぞれの意見を整理し、全員が納得のいく形で進行しなければいけません。ミーティングのような場では特に求められます。
まずは下記の点を意識するだけでも、ミーティングの質や相手との関係性が良い方向へ変化します。

相手が喋りやすい雰囲気づくりの徹底
【NG】簡単な説明を一方的に実施して「どう思いますか?」といきなり質問し始める。
【OK】アイスブレイクを挟んだ上で、「◯◯について意見を聞いてもいいですか?」と、相手に準備をさせてから質問をする。

反対意見を先に述べるのではなく、まず相手の考えを訊ねる
【NG】「ご要望いただいだ◯◯の件ですと、女性ユーザーが離脱する恐れがあるので、別の方法を検討する必要があります。」  
【OK】「今回のご要望で気になる点がございますので、もう少し依頼の経緯を伺ってもよろしいですか?」

「事柄」以外の意見も添えて伝える
【NG】「リリースお疲れ様です。アクセス数は別途共有してください。」
【OK】「半年前から取り組んでいた◯◯さんの初企画がついに公開されましたね!リリースお疲れ様でした。アクセス数も跳ねるといいですね。結果は別途共有してください。」

「誰もが理解できるように」を意識する
【NG】参加者のリテラシーやプロジェクトの理解度を無視して説明。
【OK】言葉では伝わりにくい議題は、画面共有や図解した資料を用いて説明。

これは対BPだけに限りません。
私の担当している恋活・婚活マッチングサービス「marrish」では、BPからの発注を元に、アカウントディレクターが要件をまとめ、毎週エンジニア、デザイナー、テストチーム(QA)とすり合わせミーティングを実施しています。
ここでは、それぞれの立場から意見を出してもらうようにしており、違う仕様にしたほうがさらにいい機能になると判断すれば、BPに再検討の提案をすることもあります。
こういった場で、いい意見を引き出すためにも、アカウントディレクターのコミュニケーション能力が重要だと考えます。

2.課題の設定(論理的思考力)

BPから寄せられる「お困りごと」や現場から共有される「課題」を迅速かつ的確に解決へ導けるアカウントディレクターは、大変重宝されることでしょう。
そのためには、Webに関する総合的な知識だけではなく、論理的な思考で正しく課題を捉えなければなりません。

有名なコンサルティング会社が提唱しているフレームワークに「空・雨・傘」があります。
第三者から見ても3つの要素が「だから」と「なぜなら」で繋がっていることが論理的に整理されている状態となります。

とてもシンプルなフレームワークなので実務に取り入れやすいのですが、事実を間違えると正しい解釈、判断には辿り着けません。慣れないうちは事実に対して自分自身にWhyと尋ねることを意識するとよいです。
では、Whyが足りていないケースと足りているケースを身近な例を使ってご紹介します。

Whyが足りていないケース

【事実】先月に比べ食費が15,000円も増えてしまった
 ↓
【解釈】このままでは毎月の貯金額が減ってしまう
 ↓
【判断】来月は自炊を頑張ろう

この場合の【判断】は自炊をすることで節約をする。という結果になりました。
では、【事実】のフェーズでWhyを繰り返してみましょう。

Whyが足りているケース

【事実】先月に比べ食費が15,000円も増えてしまった
なぜ1 > 普段休日しか使わない宅配サービスを平日にも利用したから
なぜ2 > 楽して美味しいものを食べてストレスを発散したかったから
なぜ3 > 退職者の引き継ぎで、毎日22時まで仕事に追われているから
 ↓
【解釈】このままではストレスにより心身ともに健康でいられない
 ↓
【判断】上司に相談し、手が空いているメンバーと業務分担を実施する

このように、事実の深掘りを繰り返すことで「多忙が原因による、宅配サービスの利用で食費が嵩んでしまった。」という事実が浮き彫りになりました。
それにより【解釈】の解像度が上がり、適切な【判断】まで導き出せるようになります。Whyが足りていないほうの【判断】の場合、根本の問題解決になっていないのできっと来月も食費を減らすことはできないことでしょう。

このとき、できる限り【事実】の内容は具体的に書き出すように注意してください。

【NG】売上が目標達成できなかった
【OK】先月に比べ○○店の売り上げが10%減少してしまった

ついつい「話がわかりやすい人は論理的で頭がいいから」と、投げ出してしまいそうになりますが、論理的思考力は持って生まれた才能ではなく「スキル」なので、フレームワークに当てはめて何度も繰り返すことで身につけることができます。

3.課題の遂行(問題解決力)

アカウントディレクターは、全体のスケジューリング、タスク管理、進捗状況の把握などが主な業務となります。トラブルには「発生型」「設定型」「潜在型」の3種類があり、その状況に応じて柔軟に対処する必要があります。
緊急度の違いはあれど、問題に直面したら、まずは全体像の把握から取り掛かりましょう。
1人で課題の洗い出しをすることも悪いことではないですが、アカウントディレクターは率先して、関係者がコミュニケーションを取れる場を設けましょう。
さまざまな視点から意見を収集することで、チーム全員が同じ目線になり、次に何をすべきかを明確にすることができます。

①すでに起きている問題:発生型

例)BP、エンドユーザーからのバグクレーム
例)アクセス集中によるサーバーダウン

この手のトラブルの場合、緊急性が高いので再発防止を追求することよりも先に、どうリカバリーするかが優先されます。起きている状況を洗い出し、どこから対応すべきかを冷静に判断しましょう。
特に影響範囲の把握は、関係者への説明責任を果たすために必ず必要なので、正確に把握する必要があります。

②掲げた目標のなかでの問題:設定型

例)急な仕様変更によるスケジュールの遅れ
例)採用予定の人材が揃わないことによるリソース不足

事前のコミュニケーションをしっかりと取っていれば、ある程度のことは防ぐことができますが、「思っていたのと違う」ということ自体は往々にして発生してしまいます。目標の修正を実施したり、2段階に分けて対応するなど双方が納得いく形で対処する必要があります。

③今後発生するであろう問題:潜在型

例)会員数増加に伴うサーバー負荷
例)エンジニアの人材不足

その名の通り、今すぐトラブルには発展しないが、いずれ直面することがわかっているものがこれに分類されます。
対応するにも緊急性が無いので、BPを説得することが少しばかり困難なときがありますが、それでも懸念点を早めに伝えておくことで、いよいよ対応が必要になったときに、スムーズに進行できることでしょう。

Newbeesでは、9割がリモートなので緊急時にはチャットでのコミュニケーションだけではなく、SlackのhuddleやGoogle Meetに切り替えて、すぐにミーティングを実施するカルチャーが根付いています。
何か起きたときに、スピーディーに対応できる体制が整っていることは強みの一つです。

まとめ

正直、厚生労働省が提唱している9つの要素すべてを完璧にこなせる人はなかなかいないと思います。
得手不得手は当然あるので、チームで補える体制作りも大切になってきますが、どのプロジェクトにアサインされても力を発揮できるアカウントディレクターになるためには、この3つのスキルは習得必須だと思っています。
私自身まだ不得意な部分もありますが、訓練や学習によって獲得した能力=「スキル」なので、苦手意識を持たず、今後も精進したいと思います。

参考文献

「ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)」厚生労働省

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