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【明日からはじめる】ベンチャー企業・ひとり人事向けオンボーディングマニュアル

「新しく配属されたメンバーが組織で活躍し始めるのに時間がかかっている」
「中途入社者にどのような案内をしたら良いのか分からず、放置してしまっている」

そんな悩みを抱えていませんか?

ベンチャー企業の人事・採用担当においてメンバー1人1人が最大限のパフォーマンスを発揮し、事業を成長させるために欠かせないのがオンボーディング。新入社員が一日でも早く本来の力を発揮するための重要なプロセスです。

しかし、事業内容や社内の方針転換が起こりやすいスタートアップ・ベンチャー企業ではオンボーディングをしているうちに、覚えてもらうべき情報が変わってしまうということも。

特に中途の入社が多い企業では即戦力人材にどのようなオンボーディングをすれば良いのか分からないことから、自分の力だけでキャッチアップを行わせ、結果的に上手く力を出せずにいるというケースも見られます。

そこで本記事では、ベンチャー企業における「オンボーディング」の重要性と方法について明日からでも実践できるようにご紹介します。

オンボーディングとは?OJTとの違い

そもそもオンボーディングとは、企業が採用した社員に向けて実施する教育プログラムのことです。企業が新入社員一人ひとりが活躍できる環境を整え、新しく会社・組織に加わった人材にいち早く職場に慣れてもらうことで、組織への定着・戦力化を促進するための取り組みを指します。

似たような意味で使われている言葉に「OJT」というものがありますが、オンボーディングとOJTは異なるものです。

OJTは、実務を通して仕事を教える教育・育成手法を指す一方、オンボーディングには企業文化や人間関係など環境全般に馴染むためのサポートも含まれています。

新人研修やスキルアップ研修、メンター制度、歓迎会やランチ会、1on1、内定者同士の交流会など、採用にまつわるすべての活動が含まれていると考えると理解しやすいのではないでしょうか。

採用のオンライン化により、さらに難しくなったオンボーディング

ビジネスやチームにとって、オンボーディングを実施することのメリットは多くあります。

特にこの数年、オンボーディングの重要性が説かれています。

「HRMOS WorkTech研究所」が企業の人事・採用担当者を対象に行った「採用活動と入社者のオンボーディング」に関する調査によると、コロナによって採用のオンライン化が進んだ一方、「採用した人材が、社内で人間関係を構築しやすくしたい」「活躍するまでの時間を短くしたい」といった課題感は残ったままだといいます。

社内での人間関係の構築が難しいオンラインという環境下で、入社者の早期の立ち上がりに課題感を感じる企業は多いことが分かります。

ちなみに、リクナビNEXT「転職理由と退職理由の本音ランキングBest10」の調査結果からは退職の本当の理由は給与などの労働条件ではなく、人間関係だということが見えてきます。

退職理由の本音ランキングTop3
1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)

Top3のうち、1位と3位は人間関係によるもの。

たとえオンラインだとしてもオンボーディングによって質問しやすい環境や関係づくりを行ったり、会社のビジョンと個人のやりたいことをすり合わせて、組織として共通の目標に向かえるようにする重要性をお分かりいただけるかと思います。

明日からすぐにできる!オンボーディングの実施方法

様々な効果が期待できるオンボーディング。では、具体的にどのようなことをすれば良いのか?すぐにでもできる方法をご紹介します。

1. 入社前

誰からの支援もない状態では、新メンバーが成果をあげるのは難しいものです。既存メンバーが受け入れに積極的な姿勢を出していない場合、チーム全体の心理的安全性が下がり、新メンバーが周囲を積極的に頼るのが難しくなることも予想されます。

事前に空気を掴んでもらえるよう社内資料を配るだけではなく、代表や役員陣のSNSリンクを送ったり、社内報を渡してみたりと、社内で公開されている情報をできる限り多く送ることが重要です。(ない場合は、各所と連携して資料を制作するのが良いでしょう)

また、受け入れ側にも協力をしてもらえるよう配属先のチームと打ち合わせをすることをおすすめします。入社するメンバーの情報を伝えた上で、まずはどのような指導をするのか?支援することは何か?人事側として手伝えることはあるか?ヒアリングを行いましょう。

入社前に、メンターや上司との面談を実施することによって、新入社員との信頼関係を構築し、入社後のフォロー体制を整えることができます。面談では、入社後の目標や、不安に思っていることなどについて確認するとよいでしょう。

2. 入社初日〜1週間

入社して1週間は、組織を理解するのに最も重要な期間です。特に組織が目指すものや一緒にどのようなことをしていきたいのか理解してもらい、自律的に行動するための体制を整えましょう。

オリエンテーションでは、ミッション・文化・価値観について必ず説明するようにしましょう。新メンバーが組織やチームのミッションを理解できていない場合、自律的な行動は困難になるからです。アウトプットを出したとしてもミッションからずれていて手戻りが発生するのでは意味がないですし、お互いに信頼度が下がってしまいます。

ここで人事目線で気になるのは「どこまでを人事が行うか」だと思いますが、NewAgencyでは「組織に関するオンボーディング」は人事が、「仕事に関するオンボーディング」は先輩社員が行うことをおすすめしています。

入社前に実施した配属先メンバーとの打ち合わせにてOJTを実施することなどを要請し、具体的な業務については実際の上司となる人に任せましょう。

※振り返り面談を実施

入社後は2週間、1か月、3か月のタイミングでフォロー面談を実施します。新入社員のモチベーションや不安を把握し、適切なサポートを提供することが目的です。

普段の業務をともに行っている上司ではなく、人事の目線からヒアリングを行うことで、本人の潜在的な課題感や不安に気づくことができます。必要に応じて本人の上司との打ち合わせも設け、サポート体制を敷きましょう。

ベンチャー企業だからこそ、やったほうが良いことは?オンボーディングのポイント

ここまで、ベンチャー企業のオンボーディングについてできることを書いてきました。最後に、ベンチャー企業だからこそ陥りがちなオンボーディングの課題に向き合うための3つのポイントについてお話します。

特に重要なのは、情報はすべて書き出しできる限り多くの情報を入社したメンバーに渡すことです。

ベンチャー企業は大企業に比べて変化が多く、フェーズによって柔軟に業務内容や組織体制が変わっていくのが特徴です。そのため「オンボーディングで丁寧に説明をしても意味がないのではないか?」と考えたり「資料を作っても意味がない」とオンボーディング資料を作らなかったりと、体制が整っていない企業も少なくありません。

しかし、変化の激しい企業こそ資料作りなど情報の可視化は丁寧にする必要があります。情報がどこまで更新され、誰に伝わっているのかを明確にする必要があるからです。

また、そうして明確になった情報は、機密情報でないのであれば「まだ早いか」「今の業務には必要がないから」と渡さないのではなく「余計かもしれないけど渡しておく」と一言添えて渡すようにしましょう。

メンバーが言われたことをやるのではなく自ら考え、主体的に行動するためには考えるための情報が必要となります。主体性を促し、自ら学びながら活躍できる環境を整えることが重要です。

さいごに

今回の記事では、ベンチャー企業でひとり人事を行う皆さんに向けてオンボーディングプロセスについてまとめました。

オンボーディングをどれだけ効果的に行えるかによって、入社したメンバーの離職率は大きく変わります。また、離職率が下がることは既存社員の心理的安全性向上にも繋がります。結果的に社内の空気が良くなり、業績も上がるといっても過言ではありません。

「では、これらを自分の企業で実装するにはどうすればいいのだろうか?」
「一人では不安なので、実装フェーズでの併走をしてもらいたい」

など相談や支援を希望される方は、下記の公式サイトからお気軽にご連絡ください。ご相談、お待ちしております。


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