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三重県松阪市 地酒や いのうえさんに寄ってみた話

まだまだ暑かった頃、出張で三重県松阪市を訪問する機会があり、少し時間があったので、地酒や いのうえさんに寄ってみました。

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この日は、快晴。
とても暑い日でした。

出会い

地酒や いのうえさんとの「出会い」は、ネットです。
地酒や いのうえ

昨年12月ごろ、古酒・熟成酒のことをネットでいろいろ調べていたら、三重県松阪市の新良酒造という酒蔵に関する記事にヒットしました。
この酒蔵自体ののサイトはなさそうで、詳しくは分かりませんでしたが、とてもこだわって日本酒を造っていらっしゃるみたい。

そこで、さらに検索を続けると、この新良酒造のお酒を販売しているお店が見つかりました。
その名も、地酒や いのうえ酒店さん!

ただ、サイトを見ているだけでは、はやり新良酒造がどんな古酒・熟成酒なのかよく分からなかったので、電話をしてみることに。
男性(多分井上さんご本人)が対応してくださり、とても丁寧に質問に答えてくださいました。

それによると、新良酒造さんでは、お一人の方が一種類のみの日本酒を毎年造っておられ、それをずっと順番にタンクで貯蔵・熟成させている筈、とのことでした。
いのうえさんでは敢えて在庫を置かず、注文が入ったら、酒蔵に連絡。
そのタイミングで瓶詰めされて、届く、という手順をとってらっしゃる模様。
う〜ん、これは、酒蔵にも酒屋にも相当こだわりがありそう。

サイトには、新良酒造さんの十年ものと十五年ものがあったので、二十年ものとかもあるのかと尋ねてみると、「酒蔵さんに確認してみます!」

地酒や いのうえ 新良酒造

一度電話を切って、しばらくすると、コールバック、「はい、あります!」

ということで、十年もの、十五年もの、二十年ものを購入しました。

そして、それから約9ヶ月、出張をいい機会に、地酒や いのうえさんに行ってみようと思ったわけです。

訪問

松阪駅の近鉄方面口からタクシーに乗り、地酒や いのうえさんの住所をナビに入れていただいて、さあ出発!
運転手さんも「こんなところ、行くの初めて!」
近くまではすんなり着いたのですが、どの建物に酒屋か分からず、結局、お店に電話をすることに。

それでんもやはりお店の場所が分かるまでに少し時間がかかり、「小さな畑の横を歩いて」やっと到着。

迷わなければ、駅からタクシーで10分程度だと思います。

取扱商品

お店の前に井上さんが立っててくださいました。
のれんをくぐり中に入ると、目の前に大きな冷蔵庫が二つ。

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左側は冷蔵貯蔵、右側は25度で常温貯蔵。
どちらも日本酒だけが入っています。

取り扱うアルコールは日本酒のみで、あとは、津市の会社が作っているソースだけなんですね。

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もともとは、いろんなアルコールを置いてたけれど、数年前にこの場所に引っ越して来てからは、日本酒だけ。
それも、ほとんどは三重の地酒、とのこと。
他では買えないようなものにしぼったんだそうです。

確かに、全国的に有名な日本酒はなくて、例外は、三重県鈴鹿市 清水清三郎商店さんの「作(ざく)」くらい。

「「作」は置いてらっしゃるんですね」
「この酒蔵さんとは、「作」が有名になるずっと前からの、最初からのお付き合いなんで」
なるほど。

建物と内装

この建物は、ご友人が所有する物件だそうです。
しばらく使われていなかったので、井上さんがそこを借りて、酒屋の経営を始めたのこと。

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お店には、レコードジャケットがいくつも飾ってありました。
その訳は…後ほど。

お客様

約7割はネット販売で、ほとんど県外のお客様だそうです。
また、大体は、個人名での注文。
ただ、個人の名前での注文でも、一升瓶を何本も注文する人がいるので、それは、多分、飲食店の経営者ではないかと思っているそうです。

直接訪問されるお客様も、県外の方がほとんど、とのこと。

買ってみる

「(同じお酒なら)製造年月が古い方を買いたいです」と言うと、
「そういうお客様、いらっしゃるんですよね〜」とにっこり。
こちらのお客様も、古酒・熟成酒好きが多いようです。
ちなみに、「仕入れ価格は同じだから」という理由で、「何年ものでもお値段には変更なし」だそうです。

これが、私が購入した日本酒たち。

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「お品書き」付きです!

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井上さん

お祖父様の代からのお酒屋さんですから、3代目になります。
しかし、お店を継ぐ前は、バンドで活躍されていたこともあるそう。
なんとCDデビューもされてました!

聴いてみましたよ、なんとも言えない不思議な、こだわりある、クセになりそうな音楽。

なるほど、だからこのお店にもレコードがいっぱい飾ってあったんですね。
この独特の雰囲気には、井上さんの人生が映し出されているんだな、と思いました。

場所

田んぼや畑に囲まれた小さな集落の一軒に、地酒や いのうえさんはあります。

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「本当はね、とても行きにくい山の中にお蕎麦屋さんとかあるじゃないですか、それでもいろんな人がそこのお蕎麦を食べたい、とわざわざ行くようなところ。そんなところで酒屋をやるのが理想かな」

最後に

短い時間でしたが、とても楽しかったです。
帰りもタクシーを呼んで、松阪駅まで戻りました。
そのタクシーの運転手さんも、そんなところに酒屋さんがあるなんて知らなかった、と大変興味を示していました。

井上様、本当にありがとうございました!!

昨年12月、ネットで購入した古酒・熟成酒は、ずっと自宅で常温で貯蔵・熟成させています。
ものすごく美味しそうなんだけど、なんだかすぐにいただけなくて。
近々、飲み比べ、してみますね!

最後にひとつ。
お店で貯蔵・熟成させた日本酒は、お値段上げていいのでは。
電気代も場所代もかかってるし、何より、井上様が時間を費やし、知識と経験を蓄積されて、選び抜かれた日本酒なんですだから。
それに、その方が、地酒や いのうえさんのため、というだけでなく、日本酒業界全体のためになるのでは、と思いました。


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