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ルーシーと魔女 #4

ルーシーは飛び跳ねて喜ぶと、

目を丸くしてマヤの顔を覗き込むように眺めました。

「魔法を見せて」

「え、信じてくれるの?それと怒ってない?」

「信じるに決まってる。だってマヤは友達でしょ。友達の言うことは信じる

わ。それに怒るなんてどうして?友達が魔女なんて最高じゃない!」

ルーシーの喜びようを見ているとマヤは笑ってしまいました。

「あのねルーシーありがとう。あなたが喜んでくれてとても嬉しいわ。

それとね、ちゃんと伝えないといけないことがあるの。魔女は、自分が魔女

だと明かしていいのは家族以外には一人だけ、という掟があるの。

それでね、本当の親友にしか自分が魔女ということを言ってはいけないの。

親友ではない人や二人以上に魔女であることがばれてしまうと魔法が使えな

くなってしまうの。だからね、私はルーシーに魔女っていうことをいつか言

うと思っていたけど怖くてなかなか言えなかったの。急にごめんね。

でも、言えてとてもすっきりしたわ」

「ありがとう。そんな掟があるなんてとても大変ね。でも素敵。約束は絶対

に守るわ。こう見えて私口が堅いのよ。絶対に他の誰にも言わない。

二人だけの秘密ね。でもひとつだけお願いしてもいい?」

ルーシーは両手の平を胸の前で合わせました。

「本物の魔法を見てみたいの。物を浮かせたり、そこら辺に落ちている石を

食べ物に変えたり。なんでもいいわ。杖を振るの?呪文を唱えるの?

ね、お願い。いいでしょ?」

「ハハハ、もちろんよ」

それから二人は今まで以上に仲良く遊びました。

魔法を使って遊んでいたかと思うかもしれませんが、

ルーシーが魔法をお願いしたのは最初の一回だけでした。

誰かに魔法を使っているところを見られたら一大事なので

ルーシーはそれから一回も魔法を見たいとは言いませんでした。

それに魔法がなくてもマヤと遊ぶのはとても楽しかったので、そんな必要は

ありませんでした。

ある夜、ルーシーは自分の母親にこんなことを話しました。

「マヤってとっても面白い女の子なのよ。私大好き。町の学校には行ってい

ないけどそんなの関係ないの。いいえ、もっと素敵なことをいっぱい勉強し

ているから大人になったらきっとすごいことになるわ。私楽しみなの!」

「そうなのね。それは良かったわ

ルーシーの母親は娘に親友ができたことをとても嬉しく思いました。

「お母さんにも親友はいた?」

「そうね。お母さんも小さい時、ルーシーくらいの年の頃に近くに引っ越し

てきた同い年の女の子の親友がいたわ。マヤのようにとっても面白い子だっ

たわね」

「そうなのね。でもねマヤはスペシャルな女の子なの。どうしてスペシャル

かは教えてあげられないんだけどね。」

そう言うとルーシーは鼻をピクピクさせながら誇らしげな顔をしました。

そんなルーシーのことを母親は優しいまなざしで見つめていました。


つづく

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