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いくつになっても、心と心を結ぶ演劇がある!「全国シニア演劇大会オンライン」 | 鑑賞サポート付公演のご紹介【PR】

舞台芸術鑑賞サポート
どんな人でも一緒になって観劇を楽しめるようにする取り組みです。
視覚障がいの方へ向けて舞台の様子を声で説明する「音声ガイド」や、聴覚障がいの方へ向けて音声情報を文字で説明する「字幕ガイド」、車いすユーザーへ向けて観劇しやすい導線をつくるサポートなど、鑑賞サポートとして取り組むことのできる内容は多岐にわたります。

おちらしさんWEBでは、舞台芸術鑑賞サポートの付いている作品を不定期でご紹介しています。今回は、バリアフリー字幕の付いた配信公演!

全国シニア演劇大会オンライン

「全国シニア演劇大会」はNPO法人シニア演劇ネットワークの主催で2011年より始まったシニア劇団の演劇祭。これまで東京や仙台や福岡など、全国各地で開催されました。

今回は、初めてとなるオンライン配信での開催。順位付けは無く、どの配信も、ゆったりじっくり楽しむことができます。また、劇団青年座や一般社団法人グランツ、60-60の会といった、プロの劇団による舞台作品も、プログラムのひとつとして配信されています。

そして、一番の注目ポイントは、配信作品に「バリアフリー字幕」がついていること(※)俳優さんが何を話しているのか、また、どのような音楽が流れているのかが、文字情報として映像と共に表示されています。つまり、耳が聞こえない方、歳を重ねて聞こえにくくなってきている方も、一緒に楽しむことができるのです!!
(※プログラム②ダイジェスト版を除く)

*配信期間 : 2023年1月21日(土)まで配信中!!

(※プログラム③は20日(金)まで)

*配信演目

①全11団体のシニア劇団の作品(無料)

全11団体のシニア劇団の作品を、youtubeにて無料で視聴することができます!(※順次バリアフリー字幕付き動画を配信予定)
配信詳細 ▷▷▷ 
https://s-engeki.net/activities/online_festival#pg2

シニア劇団のお芝居を視聴していて、何よりも素敵だと感じるのが、シニア俳優の皆さんの笑顔!くすっと笑っちゃうようなシーンでも、悲しくなるようなシーンでも、心の笑顔が、観ている人のもとまで届き「あぁ楽しいお芝居を観られたなぁ!」と、とても元気になるのです。

心から演劇を楽しんで、舞台上でエネルギーのこもる会話を届けてくださるのが、シニア劇団の魅力ではないでしょうか。今回の「全国シニア演劇大会オンライン」に参加している、全11団体のシニア劇団の見どころについて、おちらしさんスタッフがご紹介します!視聴ページにつながるURLもあわせて掲載しているので、気になったらポンと、クリックしてみてください。

◆蟻のオリンピック、アリンピック開催!ーー「表現集団ホワイトモス」

東京の伊豆大島で活動をしているシニア劇団。「ホワイトモス」は「白い苔」という意味だそう…!?団体のnoteには、『シニア劇団の効能』というページが公開されています。8つの効能があるのだとか!どの効能も、うんうん……!と、頷いちゃいます。

表現集団ホワイトモス(東京・伊豆大島)『東京アリンピック』
ーー
小さな離島に住む蟻の世界のお話。
ここ大島では蟻のオリンピックを5日後に控え、蟻達は準備におおわらわ。天候だけが心配の種。これは嘘で、本当の話。
視聴ページ ▷▷▷ https://www.youtube.com/watch?v=7DSgo3UwSPo

◆廃校を利用したこども食堂から、60年前の障害児に思いを馳せるーー「かんじゅく座」

60歳以上の皆さんが集まるシニア劇団。ウェブサイトの稽古場日誌では、シニア俳優の皆さんの目線で、演じているときの気持ちや、演劇を好きになったきっかけが綴られています。それぞれの文体を感じ、演劇への愛があふれる稽古場日誌は、今にも声が聞こえてきそうです。

かんじゅく座(東京)『あの日のトンネル』作・演出=鯨エマver.
ーー主人公敦子が始めた子ども食堂には、街の様々な問題が集まってきていた。最近通ってくる中学生の利用者から、敦子は12歳だった時にやむを得ぬ理由で転校していった少年を思い出しているのだった。
視聴ページ ▷▷▷ https://www.youtube.com/watch?v=DOgZ4hx1xy4

◆廃れゆく老舗劇団は、はたして再生できるのか!?ーー「ベニクラゲproject」

「ベニクラゲ」はクラゲの仲間。なんと「不老不死」といわれています!シニア劇団について考えるとき、どうしても「歳」という言葉が頭をいったりきたりします。そんなときに「不老不死」という団体名を見ると……「ん!?」と気になってしまいますよね。
今回の配信公演『あの日のトンネル』は、ひとつ前のかんじゅく座公演『あの日のトンネル』とのコラボ企画。おちらしさんスタッフによる感想記事を公開しています。

ベニクラゲproject(東京)『あの日のトンネル』作・演出=佐藤信也(疾駆猿)ver.
ーー高度経済成長期を迎えた1962年の日本。映画とテレビの普及で、大衆演劇は廃れつつあった。老舗劇団「紅海月(ベニクラゲ)座」も例に漏れず。しかも公演中に座長が病気で倒れてしまう。座長が後継者に指名したのは、演劇と無関係の生活を送っていた一人娘・花恵。劇団員の反発。一座の抱える借金。そして劇場買い上げを提案してくる芸能事務所…。果たして、花恵は持ち前の頑固さと実直さで数々の問題を解決し、劇団を存続出来るのか!?
視聴ページ ▷▷▷https://www.youtube.com/watch?v=HPBq_PwRexU

◆銀河鉄道の乗客はあの作家?ーー「シニア劇団よっしゃ!」

横須賀を中心に60歳以上のメンバーが集まるシニア劇団。「よっしゃ!」という劇団名、声に出した途端、身体中のエネルギーがみなぎりますね!!こちらの劇団も、ウェブサイトに稽古場便りが掲載されています。各記事に写真が多く投稿されていて、団体名の「!(ビックリマーク)」の熱をたっぷりと浴びました。

シニア劇団よっしゃ!(神奈川)『賢治ととしの銀河鉄道』
ーー宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』をモチーフとした作品。銀河鉄道に乗り込むのはジョパンニとカンパネルラにあらず。乗客は宮沢賢治と妹としの二人。宮沢賢治の作品を散りばめながら、二人の別れの旅が続く。妹としの願いを乗せた銀河鉄道は、宮沢賢治の作家としてのレールを走り始める礎となるのか。
視聴ページ ▷▷▷https://www.youtube.com/watch?v=K1YPNrvXX7w

◆マスクがマスト、世界初演のミュージカルーー「綾瀬シニア劇団Hale」

神奈川県の綾瀬市を拠点とするシニア劇団。プロジェクトリーダーを務めるのは、劇団山の手事情社に所属されている、倉品淳子さんです。本編の他に、上演へ向けたドキュメンタリー映像も視聴することができます。上演に挑むシニアメンバーの皆さんの生の声をぜひ聞いてほしい!

綾瀬シニア劇団Hale(神奈川) コンテンポラリーミュージカル『マスクの国のツンデレラ』
ーー綾瀬シニア劇団 Haleという名前になって初めてオフラインで公演をします。そう、これまではずっとオンラインだったのです。そして今回は、音楽家・片岡祐介さんとともに、ミュージカルに挑戦しました。なんと、寸劇に歌やダンスも、メンバー自身の創作なのです!それらのエッセンスを構成した作品ですので、特に筋はありません。美術館の特集のように、ふわっと見てください。ここ、マスクがマストの国で繰り広げられる悲喜こもごもは、架空の国のことのようでもあるし、私たちの日常のようでもあります。未来から考えると歴史的な大事件であるコロナの当事者である私たちが、変わりゆく生活で、いろんな人たちと共に生きるために、共に創ったミュージカル。世界初演です!
視聴ページ ▷▷▷https://www.youtube.com/watch?v=atcQwLEVaIs

◆踊りたくなっちゃう劇団歌!ーー「波瀾ばんばん座」

千葉県市川市を拠点とするシニア劇団。劇団歌があるようです!今回配信されている作品の終わりでも聞くことができます。歌のなかにある『還暦過ぎたら ちょいとお出でよ』という声に惹かれます。この声を聞くと、なぜだか本当に”ちょいと”入りたくなってしまうのです。人生の先輩方の発する声に包まれているパワー、心より尊敬します。

波瀾ばんばん座(千葉)『子別れ』
ーー千葉県市川市を拠点とする60歳以上のシニア劇団。6回目に挑戦したのは落語人情噺!
視聴ページ ▷▷▷https://www.youtube.com/watch?v=p3KIjK258w4

◆60年前の芸者物語を、今に伝えたい。ーー「浪漫座」

静岡県の浜松市を拠点とするシニア劇団。今回の作品は、浜松の歴史を踏まえたオリジナル脚本とのこと。演劇を通して地域の歴史を知ることができるのは、楽しさがあって嬉しいですし、長く生きてこられたシニア俳優の皆さんの声で歴史を語ってくださる説得力と優しさは、何にも勝るように思います。

浪漫座(静岡)『浜松芸者物語』
ーー『浜松芸者物語』とは?昭和30~40年代、浜松には、芸者が300人ほど、働いていた時代がありました。それから約60年が経った今、その存在は〝風前の灯〟です。そのような歴史を踏まえ、シニア劇団浪漫座は、オリジナル脚本で物語を描きます。音楽は「浜松ヒットミュージシャンを育てる会」の世話人、清水孝俊さんの曲を使用し、団員のめぐちゃんが作詞を担当。昭和を感じる懐かしいメロディを愉しんでいただけます。浪漫座の特徴である派手な衣装を纏い、歌あり、踊りあり、芝居ありの舞台です。55歳以上からしか入団出来ない劇団ですが、最高齢は今回85歳!元気な姿をご覧ください。
視聴ページ ▷▷▷https://www.youtube.com/watch?v=83Lo4Vmvxrs

◆「やってみないと分からない!」ーー劇団ひとりっこ

戦争での残留孤児が題材となる宮本研さんの戯曲「花いちもんめ」を上演するために、武内典子さんが立ち上げた劇団です。2021年の全国シニア演劇大会では、なんと20回公演を達成されました。
今回の配信では、武内さんが2019年から練習を始められたアコーディオンを、初めてお客様の前で演奏されています。
「やってみないと分からない!」
映像の冒頭で武内さんがお話しされた言葉です。いくつになっても、挑戦できる力、かっこいいです。

劇団ひとりっこ(宮城)『朗読とアコーディオンの調べ』
ーーアコーディオンは、ひとり芝居「花いちもんめ」の台詞で「手風琴」という言葉で2回出てきます。哀愁を帯びた音色に心を癒される筈なのですが、今回は皆さまご存じの曲なので、ミスに気づきやすく乱調で心苦しいです。新たな努力目標を得て、充実した楽しい時間です。「為せば成る」やりたい事にチャレンジし続けて、「夢」と「希望」は見えてくる。
視聴ページ ▷▷▷https://www.youtube.com/watch?v=VuUnitGJe5s

◆始まったのは〇〇の晩餐ーー「劇団サンシャイン」

埼玉県西川口を拠点とするシニア劇団。twitterには、今回配信されている作品に出演する俳優さんのメッセージ動画も、投稿されています。既に物語に入り込んでいるような動画で、わくわくするのですが……!この作品、実は、映像の優雅さからは想像のつかない衝撃があるんです……。伝えたくて、うずうずします。

劇団サンシャイン(埼玉)『ルール~依田家の晩餐』
ーー代々その土地の中央病院の院長を務め、土地の名士と言われる依田家。その現在の当主である依田勇。家を守り続けたその母、ふみ江。貞淑な妻である清美。大学病院の優秀な医師である長女の真里、その地域で人気の幼稚園教諭・次女の絵里。幸せを絵に描いたような依田家のその日の晩餐は、うなぎ、ラーメン、からすみ、えんがわ押しずし、チョコレートケーキetc.バランスも取り合わせも無視した大量のごちそうに、どんな意味があるのか。その食卓を囲み、家族は「依田家の晩餐のルール」を唱和し始める。
視聴ページ ▷▷▷https://www.youtube.com/watch?v=AXrM-IJMTGA

◆笑いよ、生き続け!ショートドラマ集ーー「シニアミュージカル発起塾」

関西を拠点に50歳以上のシニアメンバーが集まる、ミュージカル劇団。”塾”と名前が付いている通り、プロの講師の方による講座を受けることができるのだそう。ウェブサイトには、稽古場日記や講座スケジュールが詳しく記載されており、さらに、動画やSNSも大充実。初めての人に、とてもひらかれています。

シニアミュージカル発起塾(大阪)『本日青春テレビ・ショートドラマ集』
ーーシニアミュージカル発起塾が製作するショートドラマ「鬼の花道」「エレベーター」「派遣の女」。各15分程度の映像作品です。舞台とは違う発起塾の魅力をお楽しみください。
視聴ページ ▷▷▷https://www.youtube.com/watch?v=Kw3QBmDqmHo

◆犯人は、雑兵なのか。ーー「劇団かっこん党」

福岡で活動するシニア劇団。「かっこん堂」と声に出してみてください……。頭に思い浮かぶのは”あの”漢方薬ではありませんか??やはり、名前の由来も、そこからきているそうです。福岡のももち文化センターでの講座が団体の始まりだそうで、ウェブサイトには、過去に全国シニア演劇大会に参加された際のダイジェスト映像が公開されています。

劇団かっこん党(福岡)『草物語』
ーーこれは名もなき雑草達の物語。戦国時代のある村に戦の足音が近づいている。その戦の前夜、山崎志摩守という武将が何者かに刺し殺されてしまう。犯人はどうやら雑兵の誰からしい。戦を明日に控え不安を覚える雑兵達。安心して戦に臨みたいと若き雑兵・四郎が犯人捜しを始めるが、次々と意外な真実が解き明かされ…。雑兵達の複雑な思いが交錯するなか、ついに戦が始まる。
視聴ページ ▷▷▷https://www.youtube.com/watch?v=lr9M8-YYKjM

「シニア劇団おもしろい!!」と思った、あなたへ。今回のオンライン配信では、これまでのシニア演劇大会のダイジェスト映像も公開中!
ドキュメンタリー形式の映像です。ナレーターさんのガイドと一緒に、シニア劇団のエネルギーをどっぷりと体感することができます。

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②過去の大会ダイジェスト版を配信 (有料)

◆『シニアの花道2011』第1回全国シニア演劇大会(2011年 / 1,000円)

◆『全国シニア演劇大会IN南アルプス』(2013年/ 1,000円)


配信詳細  ▷▷▷ 
カンフェティストリーミングシアター

そして、冒頭でご紹介した通り、プロの劇団の舞台作品も配信中。こちらにもバリアフリー字幕が付いています!

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③プロのベテラン俳優の演劇公演3作品を配信(有料)

◆劇団青年座『ボタン雪が舞うころ』(2,500円)

◆一般社団法人グランツプロデュース公演
『正直、私は立派な軍国少年でした』(2,500円)

◆60-60の会『或る俳優の物語~もう1つのクリスマスカロル~』(1,000円)

配信詳細 ▷▷▷ 
カンフェティストリーミングシアター

いくつになっても、心と心を結ぶ演劇がある。
シニア劇団が、これからも、「演劇」という言葉を輝かせてくれます。

「全国シニア演劇大会オンライン」
詳細: 
https://s-engeki.net/activities/online_festival#pg2

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■ バリアフリー字幕が気になる…と思われた演劇団体の皆さまへ ■
NPO法人シニア演劇ネットワークが運営する、鑑賞サポートチーム
「舞台ナビLAMP」では、2月8日(水)まで鑑賞サポートの団体型出張講座を受付中です。
みんなで観劇を楽しみたい!どんなところからサポートを始められるのだろう……?シニア世代への鑑賞サポートをはじめ、視覚障がい者や聴覚障がい者、車いすユーザーへ向けたサポートなど、各団体にあわせ、できるところから始められるように。鑑賞サポートの導入について、じっくりと相談することができます。

【受講料】
30人以下の団体・民間の劇場:10,000円 +交通費実費
31人以上の団体・公民館:20,000円+交通費実費

【詳細・お申込み】
 「舞台ナビLAMP」公式サイト : https://lamp-navi.net/
【おちらしさんスタッフによる、鑑賞サポート講座の受講レポート 】
レポートを読む(Twitterに飛びます)

文:臼田菜南

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