第21回MSP始動!|明治大学シェイクスピアプロジェクト密着取材
ネビュラエンタープライズ・おちらしさんスタッフの福永です。
U25世代に向けて、舞台芸術に関する情報を発信する「ユニコ・プロジェクト(通称:ユニコ)」。
明治大学シェイクスピアプロジェクト・通称「MSP」は、昨年、記念すべき第20回を迎えました。
本公演では名作『ハムレット』を上演し、多くのお客様が来場し大成功となりましたが、休むことなく今年もさらに活動の幅を広げ、日本最大級の学生演劇として、ますます目が離せない公演団体へと成長を続けています。
ありがたいことにユニコでは、今年の第21回の活動も取材をさせていただけることとなり、早速、先月就任が発表されたプロデューサー・阿部ひなたさんにお話を伺うべく明治大学和泉キャンパスに行ってまいりました。
そして先日もレポートしたように、実はまだ昨年度・第20回のMSPも、関連企画が継続中です。第20回のプロデューサー・宮嵜明理さんも依然として活躍中ということで、2代のプロデューサーさんに初めて同時にインタビューさせていただくことになりました。
さらに、今年の本公演の演出に抜擢された大友彩優子さん、そしてお馴染み、MSPコーディネーターの井上優教授にもお集まりいただき、次回の本公演『お気に召すまま』についてや、この先のMSPの活動について、いろいろとお話を伺っていきます。
まず、第21回のプロデューサーである、文学部2年・阿部ひなたさんの人物像を探ってみました。
―― 今年2年生の阿部さんですが、昨年もMSPに参加していましたか?
―― いつ、自分が翌年のプロデューサーだと確信しました?
―― そのときの率直な感想は?
―― 普段からお芝居はやっているんですか?
―― 1年生のときにMSPに参加したのはなぜですか?
この後、井上先生に聞いたのですが、実は阿部さんの出身高校は、卒業生にMSPに参加している人が多いようで、群馬県内ではミュージカルが盛んなことで有名なのだとか。MSPのようにスタッフワークを含め、学生たちが力を合わせて公演を行う文化があるのだそうで、阿部さんもMSPには近しいものを感じていたようです。
―― どんな第21回MSPにしたいですか?
―― すぐに今年度のMSPで最初のイベントとなる、ガイダンスがありますね?
小柄ながら、エネルギーと知性があふれている印象の阿部さん。恥ずかしそうに話していましたが、奥底にある意志の強さを感じます。
次に、今年の本公演で演出を担当する、文学部4年の大友彩優子さんにもお話を伺いました。実は大友さんは、一昨年、初めてユニコがMSPの取材をさせていただいた第19回の際には、照明部のチーフとして取材に応じてくださっていたんです! また昨年は本公演の前哨戦であるラボ公演『新ハムレット』で、レアティーズの役で出演もされていました。
―― 演出の経験は?
―― 大抜擢なわけですが、オファーがあったときはどう思いました?
―― 人生においてもかなり重要な時期なわけですから、当然ですよね。それでもやることにしたのは?
井上先生によると、プロデューサーはオファーした際に「即決」が多いのだそうですが、演出家には「時間をください」と言われることが多いようです。千人規模の大ホールでの公演、数百人に及ぶスタッフ・キャストと関わり、指示を出していく立場になるのですから、簡単に決断できないのも当然といえば当然です。それでも、こんなにも大きなポジションを、20代前半で経験出来ることなどそうそうないはず。勇気のいる選択ではありますが、とても大きなチャンスとして受け入れたのが、歴代のMSPの演出家たちなのです。まさに選ばれし者ですね。
―― 今年の本公演は『お気に召すまま』です。読んでみてどう感じましたか?
―― 一昨年の本公演『夏の夜の夢』以来の“喜劇”ですね。
―― 既に演出プランはありますか?
キャストによっても演出プランは変わるものなので、この後に控えたオーディションを経て、さらに細かな演出プランが固まっていくのでしょう。
今回の作品には、「私は背が高いから~」など、身体的特徴を表すセリフがあります。キャスティングの際の縛りになるのではないかと思っていましたが、井上先生にお尋ねすると、「その辺は、どうとでもなります(笑)。」
とのこと。これまでもいろいろな学生でキャスティングをしてきたわけですから、きっとたくさんの裏技や秘策があるのでしょう。そこも含めて楽しみです。
―― 『ハムレット』や『夏の夜の夢』に比べると、『お気に召すまま』は上演される機会も少ない作品だと感じます。その分、むしろ遊び甲斐があるのでは?
どんな演出になるのか、乞うご期待! そんな二人の様子を隣で見ていた、すっかり貫禄のある第20回のプロデューサー・宮嵜明理さん(文学部3年)にもお話を聞きます。
―― 今年もMSPには参加しますか?
まもなく5月11日(土)には、八王子にある明治大学付属八王子中学校・高等学校の創立40周年記念として、出張公演『ロメオ、エンド、ジュリエット』が行われます。この公演までは、第20回(2023年度)の管轄なのです。すでに第21回本公演の動きもスタートしているため、現在のMSPでは2代のプロデューサーが同時に活躍するという、非常に珍しいことが起きています。
―― 2月に行われた、熱海での公演も素晴らしかったです。今後もどんどん学外に飛び出していく計画はあるんですか?
井上先生に詳細を聞いてみると、福井駅前のULOという会場にて熱海公演メンバーでのリーディング公演が予定されており、宮嵜さんはそのツアーマネージャーも務めるとのこと。
この企画は、明治大学の父母会の50周年記念として行われるもので、明治大学の創設者の一人・矢代操氏が福井県(鯖江藩)出身であることや、北陸新幹線の金沢~敦賀駅間開業も手伝って実現した企画なのだそうです。
さらに第19回のプロデューサーを務めた金子真紘さんも加わって、3人のプロデューサー体制で挑む、力の入ったプロジェクトになるようです。今年は、現在放送中のNHKの朝ドラ『虎に翼』でも明治大学がモデルとなっており、明治大学全体が大きな盛り上がりを見せています。
―― 付属中学・高校での特別公演の進行は、順調ですか?
使い慣れているアカデミーコモンでも1週間ほどじっくり準備をして本番に臨むわけですが、今回の特別公演にはそのような時間はありません。改めて本番を2週間後に控えている緊張を感じました。
インタビュー後、宮嵜さんにご案内いただき、同じ建物内で行われていた特別公演の稽古場にもお邪魔してきました。やはり、皆さん集中していて、本番までの時間を大切に使っているのがわかります。
特に殺陣のシーンは動きがついたばかりだったようで、まだまだこれから仕上がっていくようです。
どんどんと新たな挑戦をし続けているMSP。取材を始めて3年目ですが、いつも新しい情報が出てくるので毎回とてもワクワクしています。学生演劇の可能性がさらに広がり、演劇界全体にも良い影響を与えていく様をつぶさにレポートしていきたいです。
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