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【まもなく配信!】TRASHMASTERS『ガラクタ』を観劇して

こんにちは!おちらしさんスタッフの水口です。

先日、TRASHMASTERSの最新作『ガラクタ』を観劇してきました。
劇団名は随分前から知っていて興味があったものの、なかなかタイミングが合わず、今回初めて観劇することができました。
とても考えさせられる内容で、配信でも是非多くの方々に観ていただきたい…!と思い、見どころなどをお伝えできればと思います!

あらすじ

あらすじは、おおよそこんな内容になっています。

舞台は2020年代の日本国内のどこかの町。
原発から30キロ圏内にあるこの町は、海に面しており自然も豊かではあるが、人口は2800人で過疎化が進んでいる。産業は、風力発電と漁業を中心としているが、どちらも様々な影響でどれも財源としての安定性は低く、いつか破綻してしまう状況にあった。
20年間、町長を務めてきた和久井は、原子力発電環境整備機構(通称:NUMO)が募集していた原発で出た高レベル放射性廃棄物(いわゆる「核のゴミ」)の最終処分場の誘致を行おうと進めていた。
和久井は、一方では、「核のゴミ」問題の早期解決に向けて他の地域・日本国内全域に向けて議論を活発化させるために誘致を進める、と言っているものの、他方、最終処分場の誘致と処分場として適切かの調査によってNUMOから入る交付金が目当てとも取れる発言をしていた。
町内では、最終処分場誘致に関して反対派と推進派に二分。反対派は、この問題について住民投票で決定できるよう、署名を集めていたが…。

見どころ①現在の地方が抱える問題に向き合う

今回の『ガラクタ』は、日本の地方の町(作中では、厳密にどの県であるかの言及は行われていません)の2020年代、すなわち現在を舞台にした作品となっています。

人口や産業の少ない地方が、国や都心部のために必要以上の犠牲を強いられている状態を強く意識させられる内容となっていました。
作中には「ふるさと納税は調子が良いけれど、都心の人間は肉がメインで、海産物は欲しがらない」や「ウイルス感染症で客が減った」などといった言葉も随所に散りばめられています。作中で起こる出来事は、今まさに地方部が抱えている問題だと意識させられ、胸が苦しくなり、どのようにしたら解決できるのだろうと考えさせられます。

見どころ②「割り切れない」登場人物たちの哀しさ

登場人物たちが抱える「割り切れない」問題が、演劇的でありながら、とてもリアルなものばかりになっている所も見どころとなっています。
原発の作業員だった父・夫を癌で亡くした家族が、様々な事情から推進派としていたり、反対派の仕事仲間と推進派の婚約相手との間で揺れ動く漁師がいたり…。人口2800人の町という小さなコミュニティであるからこそ、推進派か反対派かによって仕事・生活・人間関係にダイレクトに影響が出てしまうんです。さらに、登場人物のほとんどが、この町で生まれ育ち、町のことを愛おしく思っているものの、「町のこれから」という迫りくる課題に対して、如何に解決させようかという所で方向性が嚙み合わず、溝が深まってしまうんです。

そんな彼らが最終的にどうなっていくのかは、是非配信で観ていただければと思います。

こんな方におすすめ・そして終わりに

正直なところ、日本に住む人間、特に都市部に住んでいる人間は全員観て!と言いたいところです。
わたしは、生まれも育ちも東京で、父方・母方の祖父母も都内に住んでいたため、地方在住者が住んでいるだけで感じている息苦しさや、徒労感というものを感じずに生きてこれたように思います。同様な境遇にいる皆さんには、このような作品を通して、「核のゴミ」に限らず、都心に住んでいるだけで授かっている恩恵と、地方に何を強いているかを考えるきっかけにしていただければと思います。
また、この「核のゴミ」問題に直接向き合っている地域にお住まいの方がどのように感じるかも気になります。

もし、ご覧になった方がいらっしゃいましたら、どのように思ったか、コメント等をお寄せください。

TRASHMASTERS「ガラクタ」公演・配信に関する詳細はこちら↓


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