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空夜

寒さが戻ってきた夜、何をして過ごしていますか?
今夜は何かを作りたい気持ちに駆られて、ホログラムを手にとっては触ってみる。
きらきら輝く紙は見ているだけで吸い込まれそうになる。何色を選ぼうか。
手に取ったのは桃色と銀色の二色。
さて、これからどうしようか。

この度、私はひとつ歳を重ねたわけですが、振り返ると長かったような短いような、そんな想いが溢れました。
とある誕生日にはホールケーキを頂いて皆んなで分けて食べたり、またある誕生日には涙に暮れ、ある誕生日には高価なプレゼントを頂くこともありました。
ただ、毎年よくもまぁこんな寒い日に生まれたものだと実感します。

何がほしいと聞かれて、何もいらないと答える。
特別なものは何もいらない。
本音で何にもいらないから、これからもそばに居てくれたら心から嬉しいと思っています。


人の優しさに触れて、お互いが信頼して愛されていると感じて、大切な仲間が側に返ってくる。
大切な家族とも連絡が取ることができる。
わざわざ英語のラインをくださる父。
一回話すと会いたい、いつ会えるのとしつこい妹。
仲間達は頼んでもいないけれど、いつも近況を報告してくれて、宝物の出会いだと言い続けて十数年、笑いが絶えない。
物凄く癖は強いと思う。
これは私が欲しかった愛だ。
きっと私も会いたくて、寂しかったんだ。


恋愛をしてくれるような相手は見つからないものだし、ここ何ヶ月かで傷ついたこともあって消極的です。
悲しみに暮れているときに限ってなぜか連絡をくれる友人達。
何も言わない私に、何かを察したかのように何も言わず、会おうよ、大好き、明日も仕事頑張ってと。
まるでカップルかのように心を支えてくれる。
何十年もありがとう。
愛しているよ。

もう戻ることはできないし、取り返しもつかない。
きっとまた私は一番ではない。
突然、見ず知らずの優しい人と大量の生クリームを食べている誕生日も珍しいと思う。

傷つけあっていたとしても、その瞬間だけは喜びに満る。この儚い延長線上に何があるというんだろうか?
煌めいたように、分かち合えたように感じたとしても人間腹の中まではわからないものだ。


いつか春は来るのだろうか。
春、私は乗り越えられるだろうか。
唯一、何よりも大嫌いで忘れられない春。
何回この壁にチャレンジして挫折したことか。
負けてしまわないように一心で強がってきたけれど、最近同じ繰り返しがあって気づいた事もあります。



古い傷が新しい傷で血だらけになるけれど、正面からぶつかってしまうことで素直な気持ちが生まれ出てくるということ。
傷つくのは痛いし一生消えない傷だと思っていて、
それでも今の私はやっと向き合えたと思えています。
大切な人につく嘘が大嫌いだ。


吉と出るか狂と出るか。
考えすぎる癖もあるけれど、そんなもの行動しないとわからないので直感も大切にする。
私なんてじゃなくて、私だからいいのだ。
溢れる愛はすでに持ってるからそれでいいのだ。


珈琲を淹れるひと時をさぼり、お酒を飲みながら、
ホログラムの薔薇が失敗に終わったとしても。
寝不足で明日が仕事だとわかっている夜だとしても。
やったことに意味はあると信じたいものです。



一日お疲れ様でした。











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