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33歳の、職業体験①



誕生日を迎えた翌日に
無職となった33歳

それが、ワタシダ。


後先のことなど1㎜も考えず
勢いのみを武器に
大変自分勝手な辞め方をした為、
この先の流れが全くわからず
とりあえず市に相談へ。

退職の手続きをメインに
わざわざ派遣会社の人を召喚し
次の仕事のことまで
いろいろと紹介してくれた
(少しの間、休んでもいいかなって
思ってたんだけども)

どちらにせよ仕事については
雇用保険が切れるまでの数週間は
単発のバイトしかできない。




大人の、社会勉強。


そこでふと思いついた。


紹介されたお仕事を選り好みせず
すべて体験してみよう
、と。




せっかくの機会だ。
ある程度の年齢になって
バイトができる機会はそう多くない。

そして自分で探すと
当然だけど内容も偏る。

これはきっと自分では
一生選ばないであろう職種を
体験することができる
めちゃくちゃいい機会かもしれない。


大人の、社会勉強だ。


大人になると何かの「初心者」になり
人に教わる機会も自然と減っていく。

もしかしたら教えてくれる人が
がっつり年下かもしれない。


初心に戻り、謙虚な心を思い出し
何かを習得する。

その場限りなことばかりかもしれないけど
それもまた新鮮で絶対におもしろい。


何よりも単発だから
仮に合わなくても数日で終わる。

いつでも辞められて
新しい体験ができて
お金ももらえる。

なんたる幸せ。




職場体験①絆創膏の包装作業



相談に行った日に

「ちょうど空きが出て困ってるのよ!!」
と強めに紹介され思いがけず
翌日から体験がスタート。



記念すべき初(職場)体験は
絆創膏の包装作業。



シートになってる
絆創膏をハイスピードで
レーンに並べ、
次の場所ではそれを包装する袋のプリント作業
と同時に先ほどの絆創膏をパックを行う。

完成されたものを
10個で1セットにまとめ、
最終的にはそれを
250セット1箱にしていく。



ざっくりこんな流れだ。
この一つの箱になるまでの間に
トータル5人分の役割が挟まる。

これを延々と繰り返していく。



うん、しんどい。

一定の速度でほぼ同じ体勢で
同じ作業を一時間以上繰り返す。

(同じ作業なのは
自分が初めてでやれることが
限られてるからなだけで
パートの方達は仲間のフォローアップで
めちゃくちゃ忙しい)


今回は5つあるうちの2つ、
一番最初と一番後ろを体験。

感想としては
一番前は気が狂う。


比較的早い速度で
次々と「ここに置け」と
現れるレーンの上に
向きを揃え歪みなく
絆創膏のシートを
置いていかなければならない。

そして手持ちを補充するタイミングに
失敗するとすぐに置いていかれる。

ずっと同じ体勢なのに
目と神経も使い、
必死だから考え事もできず
肉体的にも精神的にも
めちゃめちゃにくる。

途中自分がメトロノームに
なったような幻覚に襲われた。



今回の絆創膏は
キャラクターもので、
シナモンとクロミちゃんという
キャラクターだったんだけど
一日でこのキャラクターを
何万匹目にしただろうか。


終わる頃には
この愛らしい顔に吐き気を覚えた。




職場体験①での、学び。



今回の職種は
今まで自分が選んだことのなかった
(むしろ避けてきた)内容だった。


最初は流れについていくのに
とにかく必死だったけど、
何回かまわっているうちに
自分の作業をより効率的にするには
どう工夫したらいいかとか

周りの人たちは
自分自身の作業をしながら
誰のどの作業を助けるために
常に気を配っているのかとか
いろんなことを観察する余裕が生まれてきた。



なんだかチームスポーツみたいで
おもしろい。


仕事処理速度(能力)には
どうしても個人差が生まれる。

その個で考えた時に弱点となる部分は
チームの力でプラスに変換させればいい。


自分がチームスポーツをやっていて
その考え方をベースにチームを構成し
その考え方に救われた人間だから
過剰にそう映っただけかもしれないけど、
おばちゃん達のそのスタイルが
ものすごく好きだなぁって感じた。

そう思えた時、
うんざりしかけてたシナモンと
クロミちゃんに気持ちばかりの
愛着がわいてきた。




そしてその他に気づいたことが
2つある。

ひとつは、
自分はおばちゃんウケが
最高にいい。



おばちゃんというものを
徹底的に研究し、

女の子らしさが全くない
挨拶とお礼と謝罪を
90度のお辞儀と共にする
体育会系のハキハキさと
愛想の良さを兼ね備えた
とにかく一生懸命が全面にでてる
第一印象200%のキャラクターを
作り込んで行ったら大成功した。


もう一日だけお世話になるんだけど、
きっとこのまま誤魔化しきれるだろう。


ちなみにコミュニケーション苦手系の
少し若めの方にはハズれた。


奥が深い。



もうひとつは、
自分は透明のテープの取り扱いが
めちゃくちゃに下手だということだ。


そんな感じ。



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