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33歳の、職業体験①完



先日お伝えした
愛くるしいキャラクターの
絆創膏をひたすら包装する作業。

二日間による職業体験が終了。



二日目最終日のお話。


前回はサンリオシリーズの
シナモンとクロミちゃんだった。

朝礼でリラックマと
ポケモンと聞いた時に
少しの幸福感を覚えたのも束の間、
それは隣のレーンで
こちらは引き続きクロミちゃんだった。



今回も、前回と同じ2つの工程を担当。


本日一発目は
前回いらっしゃらなかった
赤いロングヘアのファンキーな
おばちゃんが隣だった。

「名前は?」
「日本人だよね?」
「あたし遅いから安心して」

めちゃくちゃ話しかけてくれるし
めちゃくちゃよく喋る。
そしていい感じに酒やけしてる声。

いわゆるコミュ力オバケ系
おばちゃんだ(個人的には大好物)




もうひとり、
前回もいたけどあまり関わりがなかった
おばちゃんが隣になることがこの日は多かった。


どこか近寄りがたい感じがあって
少し周りからも孤立してるように見える。

そして言葉があまりうまくないというか
強さを含ませた喋り方をするから
少し勘違いをされそうなタイプに感じる。

この日はこのおばちゃんから
教わることが多かった。


言い方きついなと
思う瞬間もあったけど、
本当に嫌な人だったら
嫌味な態度や言葉が出るだろうし
そもそも教えてくれない。

本当は言いたくないだろうに
チーム全体のため
自分のために言ってくれてることは
ものすごく伝わってきたし、
人それぞれの表現の仕方は違うけど
優しい環境だったなと思う。



業務的なお話をすると
たぶん、感覚で生きてきたタイプだから
体に覚えさせるのはめちゃくちゃ早い。

先日よりも人数が少なくて
ほぼ野放し状態だったこともあり、
先日見て学んだものを
自分なりにいろいろ当てはめ
とにかく動いてみた。

動けば違うものは違うと
教えてもらえるし、
正解であれば喜ばれ
より良いやり方も教えてもらえる。




なんだろう。

もちろんわからないことは
どなたも理解できるまで
丁寧に優しく教えてくれる。

だけどやることができてさえいれば
誰も自分のことなんか気にしていない。


この環境がものすごく心地よかった。




おかしな話だよね。


自分にしかできないもの、
仕事ができれば誰でもいい
替えが効くようなものじゃなくて
「あなただから」にずっと憧れて
それが叶う職種についたのに。


人柄とセンスと頭の回転の速さと
とにかく自分の持ついろんな部分が
全て売上に直結してしまう
業界に嫌気がさしていたからこそ

個のカラーが反映されることも
責任もなにも生まれない環境に
ある種の幸せを感じてしまった。


そこで働く方達に対して
ものすごく失礼だとは思ってる。

だけど、これが正直な気持ちだ。





「お世話になりました!」

この日の業務が終わり、
一人ひとりに挨拶をしに行った。


「返ってくる反応が
気持ちがいいから教え甲斐があって
こっちも楽しかったのに」

と、残念がってくれた。


「残念だけど
あなたはものすごく器用だし
人にもちゃんと気を配れるから
こういうところにいたら
もったいないよ。

まだ若いんだから、がんばってね」

そんな言葉をくれた。



おばちゃんという生きものは
良くも悪くもものすごく
人をよく見ている気がする。

ありがとうございました。
お世話になりました。


とても貴重な経験をした気がする。


とりあえず、
しばらくはサンリオのキャラクターは
見たくないかな。



そんな感じ。


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