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人生リブート指南(39)良くも悪くも熱海は「坂の町」なのですよ

「駅前繁華街」「伊豆山地区」は東京で言えば「新宿」「池袋」くらいの隔たりがあるから、熱海の中心部なら訪れても問題ナシ。
このように以前書いたところ、「そんなに離れてない。車で行ったらあっという間だ」という反論をいただきました。

たしかにね、熱海駅から伊豆山地区までは直線距離で1・5kmで、車利用ならじき着いてしまいます。
とはいえ熱海というのは「坂の町」で、しかもその勾配はかなりキツ目。
そこへ更に「歩道が細い」という歩行者にとっての悪条件が加わりますので、東京なら「大久保駅~三鷹駅」をスイスイ歩いてた散歩師の私であってもなかなかの疲労感を覚えます。
そんなわけで私は「熱海の坂道を1Km歩くのは東京の平坦地を3km歩くのに匹敵するシンドさ」という持論を持つようになりました。
新宿駅~池袋駅の距離は「4・8km」だそうで、だから冒頭の発言に至ったわけです。

伊豆山地区には日本三大古泉の一つとして知られる「走り湯」や、源頼朝・北条政子ゆかりの「伊豆山神社」などがありますが、フツーに団地なんかもあったりして、観光エリアというよりも「一般住宅地」といった色合いのほうが濃い。
移住地としても人気があるので、一時は私も引っ越しを考えて本気で物件を探していました。
けれども前述の通りの急勾配なんで、「徒歩だけで生活するのは難しいだろう」という結論に到達して、泣く泣く移住候補先から伊豆山地区を外したわけです。

とはいえ、この高いハードルが今回は幸いしていると思うんです。
熱海駅から徒歩で坂を下って海水浴場エリアへ向かった観光客の多くは、たぶん「あー、疲れた。今日はこの辺で遊んで帰りましょ」となるでしょう。
その地区には近年オシャレ系の新店が増えている「熱海銀座」だとか、様々な飲食店だとか、歴史的建造物「起雲閣」などがあって、徒歩圏内だけで1日たっぷり楽しめますから。
つまり、慎重派の危惧している「復旧作業の邪魔」をすることなく、これまで通りの観光が可能なんです。

お客様は「メイン観光エリア」でたっぷり遊び、そこで使われたお金がとして徴収され、それが市の金庫を経由して復興の原資になる・・・こんな好循環がなされるのが極めて理想的なかたち。
だから皆さん、「被災者に悪くて、もう熱海には遊びに行けない」的なことは思わないでください。
適切な遊びをしてくれれば、それが「最良の被災者支援」になるんです。

とはいえコロナ禍はまだ当分は続きそう。
現在の赤信号(止まれ)がせめて黄色信号(注意せよ)になってくれないと、外部の皆さんに「来てください」とは言えません。
今回の提言は、だから「いつかシグナルが変わった時」の参考にしてください。

画題「伊豆山地区を過ぎてしばらく歩いた坂の上から海水浴場方面を望む」

熱海の坂


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