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花唄を口遊む日々

デビュー当初からTOKIOファンの申見アキです。書き始めたのは31日の深夜。とりわけ大好きだった長瀬智也さんがメンバーを抜けることになって…今、TOKIO×(トキオカケル)を見終わったあとで静かーに嗚咽しながらこれ書いているわけで。夫の視線がなんとも言えない。

結婚する前の出来事。たまたま母と出掛けた先でTOKIOの20周年記念ライブを武道館で行っている事を思い出し、「ねえ、ちょっと音漏れ聞いてかない?」と、母が一杯引っ掛けるように誘ってくれたので、神楽坂から九段下を歩いた。何年ぶりかの九段下、日本武道館まで歩くとちょうど始まったばかり。意外な変化に気がついた。私たちが通っていた頃と同じ、割れんばかりの黄色い声援…の中に、よーく聞くと明らかに野太い男性ファンの歓声が、確かに混ざっていた。

SNSなど何もない頃、私たちは10周年のライブツアーに参戦した。しかし当時のTOKIOは女性ファンの方が圧倒的に多く、まして会場に足を運ぶ男性ファンはほとんどいない。当時視認したのも武道館1公演に2、3名である。 自分が部活やバイト、就職で忙しくなり、TOKIOのライブに参戦できていない間、着実に男性ファンの声が外でも聞こえるほど獲得しているという、素晴らしく光栄な変化に感動した。「…や…野郎の声が聞こえるねっ!?」「いいぞいいぞ!!サマーソニックにも出たんだからーTOKIOは実力のあるバンドなんだから!」と口々に言い、かなり盛り上がって帰った。

さらに恵まれているなぁ、と思うのは、現代では「芸能界引退」や「グループ脱退」の後も個人でInstagramやTwitterやYoutubeを開設してくれて、ファンがより身近に彼らを感じられる事だ。何も一生これからの彼らを見られなくなる訳ではないのだから、長瀬智也さんのことは「まあそのうちまた最高にガソリン臭い男の憧れ凝縮インスタでも開設してくれるっしょ」と、あんまり心配していない。
それより私が心を寄せているのは、もちろん「彼」だ。

このnoteアカウントを作る、丁度一年ほど前から自分ひとりで依存症について調べ始めていた。
沢山の書籍を図書館で借りた。司書さんに顔を覚えられているかもしれないがそれも気にならないほどに躍起になって借り、コピーしてはまた調べた。

最近はこのシリーズがとても読みやすいな、と思って借りた本の中に、「ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本」というものがある。他にも各種依存症や精神疾患、メンタルヘルスについてのカテゴリーごとに書籍のシリーズがあるようだった。かなり詳しく書いてあるのに小難しくなく、患者や当事者本人、そして家族の話も掲載されており、苦しい中にも希望が持てる内容だった。
その上それらの著者欄には「久里浜医療センター院長 樋口進 監修」と書いてあったのだ。


…………久里浜医療センター???


それって、「彼」が入院した所じゃない!?

…冷静に考えればそうもなる、依存症専門の病院や施設としてはあそこだ。だが、心の中で合点がいくというか、カチッとそこでなにかが繋がった。

常識という正義のせいで
君の悩み一つ救えないままだ
間違ってても罪だとしても
見失わずにいよう本当の願い事

繋がったところから、大好きな彼らの曲がずっとリフレインしている。脳内アンプから彼らの唄が聞こえてくるのだ。

彼は今どうしているだろう。
世間を、ファンを悲しませたあの入院中、あそこでどう過ごしたのだろう。
サーフィンが好きだった彼が、海の近くに居ながら
自分の思うように生きられなかったこと、人を傷つけたことについて、死んでしまいたくなるほど自分を責めているだろうし、お酒をやめられないことについて、罪を重ねたことについて叩かれ尽くし、ファンを失望させてしまった彼は今。そう思い巡って今そんな記事を書いている。

本当の願い事を見失わずにいよう。
そう強く思えた春だった。

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