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定番の売れてるやつ

滋賀の方が京都人へ吐き捨てる攻撃力ゼロのフレーズ『水止めんぞ!』に最も近しいフレーズ、『奈良が古都やし!』を思いついた奈良人です。絶対にお披露目することは無いです。

新しいヘップサンダルのブランドを立ち上げる傍ら、家業で続けている履物の卸売を行なっています。(1691文字です。)

展示会や選定会に参加して、既存の自社製品を並べて問屋さんと商談する機会も少なくありません。問屋さんは取次です。注文頂いた商品を、今度は小売店のバイヤーさんに売り込んで行かれます。そんな旧来型の商売形態であることもさて置き。

毎度必ず言われるセリフがあります。注文に来て頂いた問屋さんが「バイヤーが飽きちゃってるから…」という理由でその商品の仕入れを止めるのです。なるほど。1年以上取り扱って定番化しつつある商品に、飽きを感じて新鮮味を欠いてしまう。そこで新しいデザインや、別ブランドの商品に切り替えたいということですね。

なるほど、なるほど。

はぁ?


展示会、選定会を開くと一度は必ず言われるセリフ「バイヤーが飽きちゃってるから…」→なんでやねん。

なぜ最終消費者であるお客さんを無視して、バイヤーに忖度するんだ。百歩譲ってそのバイヤーが藤原ヒロシさん級のカリスマだったらわかるよ。けど絶対ちがうだろ。なぜ売れているこの商品の流通を、バイヤーの飽きだけでわざわざ止めるんだよ。この商品があると、売上を作れていたお店や販売員さんの気持ちはどうなるんだよ。

そもそもなぜバイヤーが飽きたら、イコールお客さんも飽きたことになるんだよ。そりゃバイヤーは飽きるよ?だって毎日それを見てるんだから。もう嫌になるくらい、商品を仕入れて頂いてるんだから。けど、お客さんは1人1個しか買わないよ?これを買う人はほぼ全員初めてなの。いい?ほぼ全員!ぜ、ん、い、ん!そしたら常にお店に無いとダメじゃん?少しでも切らしてたら、買うかもしれなかったお客さんの目に触れなくなっちゃうじゃん?人気あるから売れてるんだよ?多くの人が手に取ると、買う確率が高いってことだよ?てかお客さんが飽きるってなに?靴屋さんに君は1年に何回足を運ぶの?ぼくらは業界の人間だから毎週行ったりするよ?けど一般のお客さんはどうだ?春先に新しい靴を新調するときに1回、夏と冬場のセールにそれぞれ1回。それと秋もか。だいたい多くても年に5〜6回くらいなんだよ。そのときに「ああ、これは前に来たときにも置いてあったな。売れてないのかな?ダセー店だな…」なんて思うか?思わねーよ!まず前に来店したときのラインナップなんか、覚えてねーんだよ。そして、靴の商品の品揃えが悪い事のほうがむしろマイナスなんだよ。「サイズないなら止めときます…」ってなるのが一番辛いんだよ!販売員さんは、サイズや色が欠品してると売りにくいの!!いいか?だから売れてる商品は、常にお店に無いといけないんだよ。もちろん販売員さんも毎日お店で見てるから飽きてるかもしれないんだよ。けどその商品が手に取られたときは、決定率が高いことを知ってるの!だから売る時のおすすめポイントも自分の中にインプットされてて、売り文句の必勝パターンも持ってるのー!なのになんでわざわざ、その勝ちパターンの状況を止めさせて、新しい商品を仕入れようとしちゃうわけ?しかもバイヤーが飽きたって理由だけで。もしかしたら思ってるんだよ、販売員さん本人も商品に飽きたって。けど売上の底上げになることを知ってるから販売を続けるのー!!だからメーカー側は商品を簡単に変えるんじゃなくて、売り方とか魅せ方の工夫を、お店の方にコミュニケーションするんだよ。新しいうんちくや商品知識で、売り方や魅せ方をアップデートしていくの!そうやって定番商品化していくんだよ!いいか?ずっと安定して売れることに、勝手な忖度で陰りを作るな。ベストセラーなの!伊勢神宮行った帰りに「赤福」売ってなかったらそわそわするだろ?え?ってなるだろ。地方の営業先でダンディ坂野が「ゲッツ!!」って言わずに舞台から降りたら絶対ブーイングだろ?それと一緒なの!売る方や自分が飽きても、お客さんはまだまだ欲しがってるのーーー!!!

って、展示会で隣のブースの誰かが言ってました。

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