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原作者も圧倒。山﨑賢人&土屋太鳳主演Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』を見逃せない3つのポイント

Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』が、12月10日に配信開始されました。

『呪怨:呪いの家』や、シーズン2の配信も決定している『全裸監督』に続くNetflixの日本初オリジナルシリーズとして送り出されたこのドラマ。2020年の締めくくりにふさわしい魅力が詰まっています。

ストーリーキャスト&スタッフテクノロジー。3つの異なる切り口から、本作の見どころを紹介します。

1.舞台は「人が消えた東京」。2020年の現実にも通じる映像体験

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このドラマの原作となったのは、麻生羽呂先生によるサバイバル・サスペンスコミック「今際の国のアリス」。その舞台は、人影が突然まったくいなくなってしまった東京・渋谷です。

「生きる意味」を見出だせないまま日々をやり過ごしていた有栖良平(アリス)と親友のチョータ、カルベの3人は、空っぽになった渋谷の様子に驚きと不安を感じつつも、自分にストレスを与えていた人間関係が消えたことに解放感も覚えていました。しかし、そんな喜びもつかの間、3人は命を懸けた"げぇむ"に参加しなければならない理不尽な状況に直面してしまいます……。

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いきなり人がいなくなった街。生命の危機。当たり前の日常が失われていく様子は、偶然にも、2020年の現在にも重なるようなリアリティに満ちています。

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メガホンをとった佐藤信介監督は、今から数年前、本作の制作が始まった頃に考えていたこととしながらも、「不思議の国に入っていく物語というよりも、誰もいなくなったという、どことなく、現代でも起こりうる恐怖を醸すことに注力しました」「いつもそこにいるべき人たちが突然いなくなるという状況が、意外と身近な危機、不安であるように思ったんです」と思いを語ってくれました。

原作者の麻生羽呂先生も、本作が映像化された意味について「この作品を見て、ずっと生きられるわけではないことを見つめ直してもらえたら」と、熱い思いを明かしています。

2.「漫画原作の実写化」という難題に百戦錬磨のキャスト&スタッフが挑戦

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2次元のフィクションを3次元化し、限られた上映時間の中で表現する「漫画原作の実写映画化」は、原作ファンからの熱い期待もあいまって、とても難しい挑戦です。この高い壁に挑むため、『今際の国のアリス』のキャストとスタッフには、世界でも有数の経験と実績を誇る陣容が揃いました。

W主演には『四月は君の嘘』、『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』、『斉木楠雄のΨ難』などで主演を務め、『キングダム』でも佐藤監督とタッグを組んだ山﨑賢人さん(アリス役)と、『るろうに剣心』シリーズや『PとJK』、『となりの怪物くん』で重要な役を演じてきた土屋太鳳さん(ウサギ役)。山﨑さんと土屋さんは、NHK朝の連続ドラマ小説「まれ」や、漫画原作の映画『orange』でも同じ現場を踏んでおり、今回4度目の共演となります。

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また、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」を随所でモチーフにしている原作には、アリスとウサギ以外にも魅力的なキャラクターがたくさん登場します。実写化にあたり、W主演の2人以外にも、豪華キャストが集結しました。村上虹郎さん(『神さまの言うとおり』)、三吉彩花さん(『いぬやしき』)、金子ノブアキさん(『新宿スワン』シリーズ)、仲里依紗さん(『土竜の唄』シリーズ)など、漫画原作映画での経験も豊富な実力派が揃っています。

制作チームも盤石な布陣。『GANTZ』シリーズ、『アイアムアヒーロー』、『いぬやしき』、『キングダム』などを監督してきた佐藤信介さんが監督・脚本を務め、河津太郎さん(撮影監督)や斎藤岩男さん(美術監督)など、佐藤監督作品に多く参加してきたメンバーが参画しています。

『今際の国のアリス』は、実力派揃いの豪華キャスト&スタッフが一丸となり、漫画作品のさらなる魅力を引き出すことにチャレンジした、日本発オリジナルシリーズならではの作品と言えるでしょう。

3.圧巻の映像を実現した、4カ国の技術の粋を集めたVFX

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これまでにも何度か渋谷での撮影を構想したものの、実現には至らなかったという佐藤監督。本作では、栃木県足利市に建設した大規模なオープンセットでの撮影映像に、VFXチームが制作したCGを合成することで、光が無く、人の消えた、"今際の国"の渋谷を舞台に物語を紡ぐ念願を果たしました。

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無人の渋谷を描くにあたり、佐藤組が直面したのが『人気のない廃墟が絵のように見えてしまう』という課題。制作陣はこの難題を、VFXチームがCGの葉で動きを見せたり、美術チームが散らばったゴミや汚れなどの質感を忠実に再現し、細部にこだわる共同作業で乗り越えていきました。

また、本作の特徴的な試みとして、CGで作られたバーチャルスタジオでプリビズ(シミュレーション映像)を作ったことが挙げられます。水が押し寄せるシーンの撮影前に、水の量、挙動をシミュレーションするため、背景や車を置いたCGのセットに、撮影監督のカメラワークを反映させることで、スタッフ全員が撮影前に具体的なイメージを共有することができました。このように、『今際の国のアリス』では本編の合成だけではなく、準備段階からVFXがフル活用されていました。VFXチームの土井淳さんは、「限られた空間で水の挙動を最大限に魅せるため、車や壁にあえてぶつけて飛沫を出すなど、荒々しさを加えた」と、映像における水へのこだわりについて語っています。

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そんなVFXにおいて全編をリードしたのは、日本の映像制作会社〈デジタル・フロンティア〉。Netflixの東京、シンガポールのVFXチームと連携し、監督も交えて会議を重ねました。また、5話に登場するトラは、『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』のトラを制作しアカデミー賞を受賞したエリック・ジャン・デ・ボアがスーパーバイザーを務め、インドのVFX会社〈アニブレイン〉が制作。日本、シンガポール、アメリカ、インドと、4カ国からVFXチームが結集してポストプロダクションに取り組みました。

Netflixとの作品作りについて、「全世界がターゲットであることで、すごく自由に作品作りができた」と語る佐藤監督。そんな監督の思いに応えて、「世界に向けて配信されるからには、今まで以上にハイクオリティなものを出したい」という思いを共にしたVFXチームと美術チーム共通の想いが、全話を通じて長編映画並みのクオリティを実現しています。

「人間が根本的に揺さぶられるものは何か」を追求した『今際の国のアリス』

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『今際の国のアリス』の作品作りについて、佐藤信介監督は「人間が根本的に揺さぶられるものは何か、いち映画好きの自分が世界中の映画に触れながら感じていた『面白さの根源』に立ち返りました」とコメント。「自主映画時代のような自由な気分の中で、映画さながらのスペクタクル感と、一歩踏み込んで人物描写ができるドラマならではの奥深さを併せ持った映像作品を作ったのは、初めてだったんじゃないか」と手応えを語ります。

原作者の麻生羽呂先生も、「元々脚本家になりたいと思ったほど、映像作品が一番好きな表現媒体だったので、自分のアイディアが映像になることは本当に光栄でした」「こういうのを漫画でやりたかったという世界を目にして嬉しかった」と作品に太鼓判を押しました。

関わったすべての人々が熱い思いを持ち、能力と経験を結集して作り上げた、Netflixオリジナルシリーズ『今際の国のアリス』。2020年の日本で“面白さ”にこだわり、VFXを通したアイディアの映像化にこだわり尽くした本作を、ぜひご覧ください。


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