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自販機のサブスク化からLINEスコアまで-ニュースを読む!
気になったニュースから分かることを事実9割、妄想1割で語るこのコーナー。
今日は2019年8月29日のこちらのニュースを取り上げます。
JR東の「駅の自販機」がサブスク対応へ
スマホかざすと1日1本ドリンク提供 月額980円から
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1908/29/news116.html
この記事を見て「はいはい、サブスク流行りだから乗っかってきたんだね」で済ますとそこで終わってしまいますが、逆にここを抑えておくと
・Tポイントカードお持ちですか?とはなんだったのか
・なぜQRコード決済が乱立している?
・なぜLINEスコアが始まったの?
がよくわかってきます。
マーケティング、どこに何を置けば売れるかって戦略を考えるのは、あらゆる商売にとって大事ですよね。上に挙げた3つのクエスチョンも情報収集のに関わることです。
今回はそのデータ集めの話が自販機という小さな単位で考えると分かりやすいので、自販機のサブスクリプション化の記事から始まってLINEスコアやYahooスコアのような、社会的信頼度の数値化というデータ集め大戦争までを一気に書いていきます。それでは行きましょう。
自販機はあなたのすべてを知っている
まず、自販機のサブスクリプション化という記事を読む前の前振りに、これまでの流れがわかるように、ちょっと昔のニュースを紹介していきます。
自販機ビジネスでは珍しいデータ活用で新境地開く
JR東日本ウォータービジネス
https://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1205/07/news013.html
2012年5月7日のITmediaのニュースです。この記事から引用すると、
「笹川氏は「エキナカやホームなど自販機を設置できるロケーションは限られているため、今後も台数全体は増えないだろう。そこで、効率的な商品の組み合わせや(ブランドミックス自販機など)新機種の投入で売り上げアップを目指していく」と話す。」
「Suica1枚ごとに与えられるカード番号「IDi」で購入商品の履歴データを把握したり、「Suicaポイントクラブ」の会員データとひも付けて性別、年代、郵便番号の属性情報(非個人情報)を獲得したりすることが可能となったため、自販機ごとに品ぞろえの工夫などが行えるようになった。」
なんだか漢字とアルファベットでよくわからんですが、超簡単に言うと、
駅には自販機置くスペースがもう無いから、より利用率を上げて1台あたりの売上増やしたいで〜す。その為にもっとデータを集めます。
って言ってます。
それはそうですよね、ホームに自販機ばっかり有っても狭くなって危ないし、台数増やしたらそれだけ在庫を抱えることになってその分お金がかかるから、それは避けたい。だから置ける場所が限られてくる。
データからほぼ完璧なシミュレーションを
利用率を上げるために、その駅を利用する人の傾向からどんな商品を揃えれば売上につながるか分析したい、そのためにデータが欲しい。それで2010年代から一般的になったワードが「ビッグデータ」という言葉なんですよ。なんとなく聞いたことありますよね。じゃあそのビッグデータ、大量のデータから何が分かるのと。
そこでこちらの記事。
「KDL、キリンと自販機データを使用した購買行動シミュレーションを実施」
https://news.mynavi.jp/article/20160426-a100:amp/
2016年4月26日のマイナビニュースの記事。引用しますと
「自動販売機データの提供を受け、KDL(神戸デジタル・ラボ)が製品化を進めている購買行動シミュレータを用いて、「自動販売機のデータから生成した「関心モデル」による購買行動シミュレーション」の実証実験を実施した」
「シミュレーション結果による購買データを実際の購買データと比較したところ、どちらも誤差は概ね 2%以内に収まり妥当性があると言える結果が得られた」
これを簡単に言うと、
販売データを分析して何がどんくらい売れるか予測できました。
お茶よりミルクティーが何本多く売れるかや、この新商品のリンゴジュースは置いても3本しか売れないよ〜という予測ができます。
ということです。
だから、ちょっと前までは商品を補充するときにお茶が30本売れたという結果を見て、次もお茶を多めにしようかな〜とか現場の裁量で決めてたけど、これからは会社のパソコンでシミュレーションすれば誤差2%の予測ができると。
これまでは新発売の商品はとりあえず入れてみて売れ行き観測したけど、これからは売る前から売れ行きがわかりますって話になってきた。それが2016年にキリンがやっていた話。
どのようにデータを集めるのか
さらに面白いのが、この販売データがどのように集められたかなんです。最近、自販機のカメラで利用者の顔を認識してオススメ商品を出してくれる自販機があるってなんとなく聞いたことないですか?それがこちら。
“マーケティング頭脳”付き自販機、品川駅にお目見え
47インチタッチパネルで操作
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1008/10/news080.html
2010年8月10日の記事です。引用すると
「JR東日本ウォータービジネスは8月10日、47インチのタッチパネルディスプレイで飲料を選んで購入する自動販売機を、東京のJR品川駅に2台設置した。客の性別や年代、季節、時間などに応じて最適な商品を表示する“マーケティング頭脳”付きの最新モデルだ。」
「今後2年間で都心部を中心に、新規・置き換えの両方で500台を展開する計画だ。」
最近どころか2010年からあるんですよ。へ〜そんな昔からあるんだと思いません?すごいじゃんと。
でも「”マーケティング頭脳”付きの最新モデル」だなんて言われている割にこの時の”頭脳”って今考えればあんまり大したことなくて、
顔を見てオススメ飲料を示してくれる自販機。そのメカニズムは?
https://www.excite.co.jp/news/article/E1308645547509/
この記事によると
・性別(2パターン)
・年代(7パターン)
・時間帯(6パターン)
・気温(9パターン)
の四要素を参考とし、計算上は最大756パターンのオススメ設定ができる
ということなんです。
だから中身は人間が考えたパターンに合わせておすすめを出しているだけなんですよ。だから結局はどんな商品を置くかを綿密に決めておかないと購買につながらないんですよ。
でもこれは2010年のことで、さっきの2016年にキリンの分析と同じかそれ以上のインパクトに見える。それはなぜだろう。
JR東日本ウォータービジネスが強い理由
そうなんです。今回自販機のサブスクを導入したJR東日本ウォータービジネスは自販機の販売の優良企業、最先端をいく企業だといえます。
理由は簡単です。自販機はどんな場所に置くと商品が売れますか。人が多く通る道ですよね。つまり駅という人が通る場所に自販機を設置できれば超有利です。
しかも関東という世界でも稀に見る超過密都市の交通を担っているので、ものすごい数のターゲットを持っている、自販機業界のスター的な存在と言えるでしょう。
集客合戦とポイントカード
じゃあ自販機で飲料販売している他の会社はどうやって客を集めていたか。
ひとつ注目したいのはダイドードリンコ。名前は聞いたことありますよね。そのダイドーは何をしたか。ポイントカードなんですよ。
よくダイドーの自販機でサイダー買ったあとに意味もなくポイントカード発行しませんでしたか。あれです。ポイントは集めてないけど磁気式のポイントカードだけはたくさんあるよみたいな。わたしのことなんですが。
ポイント集めたら商品と交換!という戦略をダイドーはなんと1998年からやっていました。
最後のポイントカードキャンペーン「CLUB DYDO 2018」を4月よりスタート
https://www.dydo.co.jp/corporate/news/2018/180329.html
このポイントカードは要するに買ってくれたら良いことがあるからさ!また来てよ…!ってことですよね。
つまり、ここらへんから
同じ店で買うとちょっと得する世界
になりました。
Tポイントとはなんですか?
しかしすぐに別の波が押し寄せます。それが2002年に始まったTポイントカードでした。
一般的にはコンビニとかでお買い物すると貯まるポイントが貯まるカードでという認識ですよね。
ポイントをエサに集客するんでしょ、ダイドーのと同じで。そんな印象では無いですか?
そうだけどそうじゃない、もう一つの大きな大きな戦略がTポイントにあったんです。
これまでのポイントカードは発行したお店でしか使えないですよね。ライバル企業のお店でお買い物してもポイントは貯まらないことによって利用者を囲い込もうとしていた。ダイドーのポイントカードと同じく、これが古くからあるポイントカードの仕組みでした。
ところが、Tポイントはこのポイントカード界を一変させました。それが、提携しているお店ならポイントが貯まる。これなんです。
Tポイントカードは何がすごいの?
いままでと何が違うかというと、カード1枚ごとに振り分けられたIDによって「この顧客はどこで何を買った」という情報を地域も店もまたいで追跡できるようになったんです。
全国の提携している店から集まった情報を基により細かく分析できるようになったんですね。そしてこの情報は1箇所に、Tポイントを運営するCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)に集まっていくんです。
そしてCCCはその集めた情報を提携している店に売ります。店側としては自社の売上情報だけで分析するより、同じ地域の他店の情報も握っているCCCから情報を買ったほうが売上につながる。
むしろ自分の店だけ情報を買ってないと他店との競争に負けるかもしれないという恐怖を煽ることで買わざるを得ない面があったんです。
僕らはポイントを貰えるかわりに情報を差し出しているんです。そしてこのときから「同じ店で買うとちょっと得する世界」から情報を渡す代わりにちょっとお得に生きられる世界になり始めたんですね。
実はTポイントカードは一番最初に始まったサービスでは無いんですが、その代表的な存在でみんなが知っているので取り上げてみました。詳しくはWikipediaの「ポイントプログラム」の項目を読むと詳しく分かります。
ともかく共通ポイントカードの登場で、
情報を渡す代わりにちょっとお得に生きられる世界
になったことを頭に入れてもらって自販機の話に戻ります。
そうだ、防犯カメラだ!
ダイドーやその他の会社が、ポイントやらクーポンやらあの手この手で
「うちの自販機まで来てねー!」
と、争っている横でJR東日本ウォータービジネスは最新の自販機で利用者の顔を撮影してせっせとデータ溜め込んでいるんですよ。
それを見た他社もそのデータ欲しい!と考えるんですが、だけど駅ほどは人が通らないから、JR東のような最新の自販機をどんどん導入するのは出来なかった。そこで始まったのが、防犯カメラと自販機をセットで置きませんかというやり方でした。
これが面白い。調べてみるとどうも2014年辺りから始まっているんですが、
「地域の防犯大事ですよね〜、でも防犯カメラ設置するのにお金かかるしすぐにはできないですよね〜。
だ・か・ら♪
うちの自販機置いてくれたら一緒に防犯カメラ設置しますよ?」
と、こうなったわけです。
「僕らが諸々負担するのでその代わり、その場所の通行人の量とか、利用者の性別年齢のデータ取りますよ」と。
こちらの兵庫県姫路市の地域みまもり評議会さんの資料がそんな話を2014年にしてたことを示しています。
なんで防犯カメラという名目で設置したかというと、市街地は駅のように閉ざされた場所では無いので、いろんな人が通る。せっかく自販機にカメラを設置しても「プライバシー侵害だ」と言われたらややこしい。
そもそもの防犯カメラでさえ、「監視カメラ」だと嫌がられるから「防犯カメラ」と言い換えてますよね。街中にカメラを設置するというのはそれだけセンシティブな問題なんです。
もっと見やすい位置へ
防犯カメラってカメラ自体も目立たせることで犯罪の抑止効果があるとされていますよね。場所にも依りますが、最初は自販機の上に普通の防犯カメラを設置してたんです。
でもこれだと利用者の顔が見えにくいんでしょうね。いつの間にかカメラの位置も利用者の顔の高さにさせてねって事になってます。それがよくわかるのがこの2018年の記事。
小型カメラ搭載「みまもり自販機」で街の死角をなくす
キリンと西新井警察署がタッグ
https://www.ssnp.co.jp/news/beverage/2018/07/2018-0703-1548-14.html
「飲料メーカーでは初となる商品サンプルに内蔵可能な小型カメラの開発により、人の目線の高さでの映像取得が可能となるとともに、従来よりも広角なレンズで鮮明な画像のため、映像確認がしやすくなっているという。」
(画像はhttps://www.ssnp.co.jp/news/beverage/2018/07/2018-0703-1548-14.htmlより引用)
どこにカメラがあるか分かりますか?左から2番めの生茶のサンプルに空いた穴がカメラです。
目立たない防犯カメラに犯罪抑止効果があるか気になるところですが、これでやっと正面から顔みれるぜ〜とみんながデータを集めているのを横目に、やっと今回の本題。
自販機のサブスク化が出てくるわけですね。
ここまで全部長い前振りです。だけどここまでの流れを知っておいて欲しかった。え〜まだ先長いの?安心してください。ここからの話は」もっと面白いですから!
自販機のサブスクリプション化が示すこと
まず、記事に書いてあることをよく読んでみましょう。
JR東の「駅の自販機」がサブスク対応へ
スマホかざすと1日1本ドリンク提供 月額980円から
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/1908/29/news116.html
から引用します。
『利用者がJR駅構内の自販機に専用のスマートフォンアプリ「acure pass」をかざすと、1日1本のドリンクを受け取れる仕組み。」
「サブスクの対象になるのは、JR東日本の駅(首都圏・東北信越エリア)に設置する約400台の最新型自販機「イノベーション自販機」』
まずここから分かるのは、さっき紹介したの「“マーケティング頭脳”付き自販機、品川駅にお目見え」という記事の中で
「(最新型の自販機を)今後2年間で都心部を中心に、新規・置き換えの両方で500台を展開する計画だ。」
という話だったのに、あれからもう9年経っているのに約400台しか設置できていないっていうこと。つまり2012年5月の記事でも言われているように、もう駅の中に自販機を置くスペースが無いんだとわかります。
だからますます「もっと1台当たりの売上を!」ということで、サブスクやってみようと。なるほどこういう流れがあるんですね。
サブスク化で超お得に。 …誰が?
ではサブスクリプションにするとJR東日本ウォータービジネスにとって何が良いか。最初の方に台数増やせないな〜とか言ってるときになにか困ってませんでしたか。
そう、在庫抱えると手元からお金が出ていくことですよね。でもサブスク化で、ひと月分の2480円をまとめて払って貰えるから手元のお金が増えます。
そもそもサブスクリプションはスマートフォンの通信費や定期乗車券のような定期的にお金が入ってくるというやり方を応用して、在庫を抱えたときに手元のお金が減るというリスクを解消しようというやり方なので、JR東日本ウォータービジネスが導入するのは順当だとも言えます。
もう一つ、自販機ビジネスにとって大事なのは?そう、ダイドードリンコがポイントカードで頑張っていたように、他社の自販機じゃなくて、自社のを使ってねってことですよね。自分の自販機にリピートしてくれってことですよ。
じゃあサブスクにしたらどうなる。
契約さえしてもらえれば後はもう1日1回向こうから来てくれるようになります。それによってますます多くのデータが取れる。
これ以上データを集めてどうするの?
このサブスクで分かるのは、飲料の販売データだけじゃないんです。
このサブスクに入る時点で俺は毎日電車乗るぞと言ってるようなものなんですよ。そりゃそうですよね。Suica持っていても週に1度しか電車に乗らないならそもそも契約しません。
だから、このサブスク契約に集まってくれる顧客はお茶やお水を買ってくれるだけでなくて、親会社の鉄道をほぼ毎日利用してくれて、エキナカの店でも商品を購入してくれる可能性に満ちた、超優良のお客さんであることが分かるわけです。
Suicaの乗車履歴を見ればどれくらい利用してくれるかは分かるけど、「毎日電車に乗ってくれるAさん」と「毎日電車に乗ってくれてさらに商品も購入してくれるBさん」だったらBさんの方が歓迎されますよね。その優良顧客Bさんが誰なのかが分かる仕組みになっているんです。
そして、いまはどんな社会になっていましたっけ?
そう、情報を渡す代わりにちょっとお得に生きられる世界でしたよね。ここに繋がって来るんですよ。めちゃくちゃ面白くないですか?
次は今後Bさんのような物を買ってくれて情報もくれる優良顧客が優遇されるようになっていくというお話をします。ここでLINEスコアやYahooスコアの話になってくるんです。
決済情報を握れ!
中国では、2015年に芝麻信用(ジーマしんよう、セサミ・クレジット)という信用スコアがAlipayのサービスとして始まっていましたが、今年2019年に日本でもLINEスコアやYahooスコアといったサービスが出てきました。
Alipayは中国のキャッシュレス社会を支える決済サービスですが、日本でもいまQRコード決済サービスが乱立していますね。
この乱立は理由が2つあって、ひとつは「消費税増税後の消費の落ち込み対策で、バーコード決済を使えば税金を使って還元を行うよ〜」と政府が発表したこと。税金で補填してくれるから決済サービスをやる旨みがあるんです。
中には間に合わせようと大急ぎで作ってコケてしまった7Payのようなところもありました。
もうひとつの理由は、キャッシュレス化によっていままで追跡出来なかった「現金決済しかやらない層」の購買を追跡できるようになるので、誰がこの情報取るかの戦いが起きているんです。
そして、いま有力なのはどこですか?LINE PayとPayPayが強いです。そして、LINEとYahooは何をやってるんでしたっけ?
LINEスコアとYahooスコアですよね。
信用スコアってなんだろう
このスコアというものの正体は何でしょうか。
こういったスコアの話になると「あなたスコア高いから電車賃安くするよとか」「今日ドリンク無料にしとくよ」みたいな世界になる、なんて話があります。
「情報を渡す代わりに少しお得に生きられる世界」で考えると、さっきのJRヘビーユーザーの優良顧客Bさんのような人はJRのサービスを使うことでよりお得になる。できるだけサービスを使ってできるだけ情報を差し出せばちょっとお得に生きられるんだと。
確かにその延長にスコアがあるように見えるけど、スコアは数字を人々に突きつけることで、「スコアが低いとわたしだけ損するかもしれない」という恐怖を煽る面がある。
つまり、信用スコアとは新たな顧客の囲い込み方法と言えます。じゃあそこまでして利用者を囲い込んで情報集めて何をしたいんだと。
その答えはユーザーの行動予測です。
すべては完璧な未来予測のために
自販機の販売データから売上をシミュレーションしたように、今度はAIで完璧な未来予測をできるんじゃないかと言う話なんです。
キリンのシミュレーションの他にも、目の前のお客さんをカメラで見ることでおすすめ商品を表示できる、「マーケティング"頭脳"付きの最新モデル」と称された自販機を紹介しましたよね。
この時はたったの756パターンのおすすめ設定でした。だけど今後はAIの分析によって、より個人に最適化された答えが出せるようになる。
しかも、お客さんの行動予測まで完璧に出来ているんですから、自販機の目の前に立っていなくても、
「あの人そろそろ来るから、好みのドリンク補充しとこ!」
「おはようございます!今日はお薬飲むためにお水出しますよ!
計算によれば午後に頭痛になりますから!」
みたいに、本人のことを本人以上に知っているという最強の接待ができるようになる。予測によって本人すら気づいていなかった潜在的な欲求を満たすことでさらなる消費を促進していこうってことなんですね。
TSUTAYAの母体であるCCCがTポイントで情報を一手に握って天下を取ったように、より正確な行動予測をできるものが今後の世界を牛耳っていくんだ、という話になるんです。
だからLINEやYahooはいま必死にキャッシュレスの王座を争っているし、スコア付けを行うことでユーザーを囲い込んで、たくさんの個人の行動データを蓄積しようとしているんです。
最後は、◯◯◯な世界へ
最後に、今日出た世界の変化をまとめて起きます。Tポイントの世界ではこのようになりました。
同じ店で買うとちょっと得する世界
↓
情報を渡す代わりに少しお得に生きられる世界 ←🆕
それが信用スコアの登場でこうなります。
同じ店で買うとちょっと得する世界
↓
情報を渡す代わりに少しお得に生きられる世界
↓
同じ店で買わないとちょっと損する世界 ←🆕
世界の変化、見えてきましたでしょうか。
おわりに
かなり端折ったり説明が足りないところもありますが、以上が自販機のサブスクリプション化というニュースから見えてくる、行動データがどんな風に求められていったかというダイナミックな流れのお話でした。
なかなか面白い話なので、つい9000文字ほど語ってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございます。
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書いた人 よねはらりゅうへい-Twitter
ここから先は、ここまで読んで最後に投げ銭しようと思ってくれた方の為に、あとがき的に話題を5つ書いています。本文に入れなかった話題や、書いてて思った感想を書いています。
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