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原えりかプロの不撓不屈の攻めに魅せられて【麻雀最強戦】

 不撓不屈の攻めに魅せられました。

 麻雀最強戦2024の開幕戦となった2024年3月17日(日)の女流新スター決戦です。

 日本プロ麻雀連盟・原えりかプロは出場枠争奪戦で優勝し、この大会に臨みました。

 優勝したのは、最高位戦日本プロ麻雀協会・小宮悠プロです。持ち前の安定感が光りました。

 原プロは決勝まで進んだものの、惜しくも2位にとどまり、ファイナル進出を逃しました。

 それでも、とても厳しい局面からあがりをこじ開けたカンチャン待ちの一撃や、大逆転の条件を作ったオーラスのメンゼンホンイツ・チートイツは、多くの麻雀ファンの心をわしづかみしたと思います。

◎絶体絶命であがりこじ開ける

 決勝はA卓とB卓を勝ち上がった最高位戦日本プロ麻雀協会・小宮悠プロ、日本プロ麻雀連盟・原えりかプロ、日本プロ麻雀連盟・安藤りなプロ、BEAST Japanext・中田花奈プロが対戦しました。

 安藤プロ、原プロ、中田プロ、小宮プロの並び順。

 原プロが最も印象に残るあがりを決めたのが東4局1本場です。

 持ち点は東家・小宮42100、西家・原23800、北家・中田21100、南家・安藤13000。

 小宮プロがあがりを重ねてトップ目に立ち、2着目の原プロに18300点差をつけ、試合を優位に運んでいます。

 親の小宮プロは10巡目に5筒をツモり、いち早く聴牌。5索・8索待ちでリーチしました。

 小宮プロはリーチ・タンヤオ・ピンフ・ドラ1の親満確定の手。あがれば優勝の決定打となりそうです。

 5索・8索は山に6枚残っていました。

 逆転優勝に向け、絶体絶命のピンチに追いこまれた原プロ。11巡目に一萬をツモりました。

 原プロは危険牌の六萬を切り、イーシャンテンに構えました。

 さらに、原プロは12巡目に8索を引き入れて無筋の五萬を押し、カンチャンの3筒待ちで追っかけリーチしました。

 絶好調の親のリーチに挑み、役のないドラ1枚持ちのカンチャン待ちの手で、あがりをこじ開けにいきました。

 原プロは「親の小宮プロにここであがられたら優勝できない」と判断し、勝負に出ました。胆力のある積極果敢な攻めの一打です。

 3筒は山に1枚だけ残っていました。

 ラス目の安藤プロが14巡目に6筒をツモり、「567」の三色が確定。

 安藤プロは3筒を切ってリーチを宣言し、放銃しました。

 原プロは裏ドラが1枚乗り、リーチ・ドラ1・裏ドラ1の5200点(+1300)です。

 原プロの強気な攻めが小宮プロの勢いを止めました。

 南1局を迎え、2着目の原プロの持ち点は30300点となり、トップ目の小宮プロに10800点差まで迫りました。

 さらに、原プロは南1局に鳴き仕掛けで親の安藤プロ、リーチした中田プロとのめくり合いを制しました。

 中田プロからタンヤオ・ドラ1をあがり、2000点(+1000)です。

 南2局を迎え、原プロの持ち点は33300点。小宮プロに7800点差に迫りました。

 しかし、ここから女流名人などのタイトルを獲得している小宮プロが底力を発揮。あがりを続けて決め、引き離しました。 

 南4局を迎え、持ち点は東家・小宮51500、西家・原30700、北家・中田11600、南家・安藤6200。

 原プロは小宮プロと20800点差。逆転優勝には跳満の直撃か、倍満ツモが必要です。

 原プロが3巡目に白をツモった手牌です。

 原プロはトイツの9索を1枚外しました。萬子のメンゼンホンイツ・チートイツ・ドラ2・ツモの倍満ツモを目指しました。

 3索と9索のトイツを生かしたリーチ・チートイツ・ツモ・ドラ2・裏ドラ2の倍満ツモには向かいません。

 裏ドラに期待せず、逆転条件を満たしにいきました。この思いきりのよい攻めが原プロの特長です。

 原プロは4巡目に六萬を引き入れ、5巡目にドラの七萬を重ねました。

 6巡目に九萬も重ねました。萬子のツモの効き方が半端ないです。

 8巡目に二萬をツモ。萬子のトイツが4組になりました。四萬を切り、チンイツとの両天秤を掛けず、メンゼンホンイツ・チートイツに狙いを定めました。

 原プロは11巡目に中を重ね、イーシャンテンにこぎ着けました。

 13巡目に五萬をツモり、白を外しました。柔軟にメンツ手への移行も視野に入れています。

 原プロは14巡目に五萬を重ねました。八萬単騎待ちでリーチです。

 原プロはツモれば、リーチ・メンゼンホンイツ・チートイツ・ツモ・ドラ2の4000、8000。大逆転で優勝です。

 八萬は山に1枚残っていました。

 けれども、原プロは最後の1牌が来ませんでした。ツモれずに1人聴牌で流局。小宮プロが優勝しました。

 決勝の結果は小宮51500、原32700、中田10600、安藤5200。

 「3度目の正直」でファイナル進出を決めた小宮プロは、さすがの勝負強さでした。

 そして、最後まで逆転勝利を信じ、攻めを貫いたハングリー精神旺盛な原プロの打ち回しも素晴らしかったです。

 今後の活躍がとても楽しみです。

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