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竹内元太プロが最高位 賢く巧みな打ち回しで決定戦初優勝

 身長192センチの大きな麻雀プロが歴史と伝統のあるビッグタイトル戦で頂点に輝きました。

 最高位戦日本プロ麻雀協会の竹内元太プロが最高位を初めて獲得です。

 全5節・20回戦で行われた第47期最高位決定戦。竹内プロは最高位連覇を狙うU-NEXT Pirates・鈴木優プロ、「麻雀賢者」の異名を持つ赤坂ドリブンズ・園田賢プロ、元最高位・醍醐大プロと対戦しました。

☆第4節で全て連対・最終節は全て2位

 竹内プロは攻守にバランスの取れた賢く巧みな打ち回しで3人の実力者に快勝しました。
 第4節に1位2回、2位2回と全て連対し、総合ポイントで大きく抜け出しました。
 最終節(第5節)では、あがれるチャンス手をしっかりとものにして3人の包囲網をくぐり抜け、4試合全て2位(最終戦は同率)に入り、危なげなく逃げきりました。

☆手変わり待ち決まり裏ドラ3枚の跳満

 竹内プロが初制覇に大きく近づいたのは第4節。第3節までの総合ポイントは園田98.3、優5.8、竹内-10.6、醍醐-93.5。竹内プロは3位で1位の園田プロに100ポイント超離されていました。

 第4節初戦の第13回戦。南1局1本場を迎え、この試合の持ち点は西家・優41400、東家・醍醐37200、北家・竹内33200、南家・園田8200です。

 3着目の竹内プロは総合1位の園田プロをラスにしたまま、トップを獲得したいところです。

 自風の北を暗刻で持っていた竹内プロは13巡目に3筒・6筒待ちで聴牌しました。

 竹内プロは6筒が3枚切れだったので待ちごろの牌を探り、黙聴に構えました。

 2着目で親の醍醐プロが15巡目に追いつき、ドラの3索と南のシャンポン待ちでリーチしました。

 山には南が2枚残っていて、親満確定の手です。

 竹内プロは15巡目に8索をツモりました。3筒を切って7索・8索に変えてリーチです。

 場況では7索・8索のほうがあがりやすそうでした。即リーチせず、慎重に手変わりを待った判断がずばりでした。

 醍醐プロが16巡目に一発で8索をつかみ放銃。裏ドラはなんと6索で3枚乗りました。竹内プロはリーチ・北・一発・ドラ1・裏ドラ3の12000点(+1300)です。

 価値の高い跳満のあがりです。トップ目になった竹内プロはラス親の南4局3本場(供託1)でも大きく加点しました。

 北家の優プロと西家の園田プロのリーチ合戦をかいくぐり、「234」の三色確定の6索・9索待ちで黙聴。

 竹内プロは優プロから9索を打ち取り、ピンフ・三色・ドラ1の12000点(+3900)です。

 竹内プロは第13回戦で園田プロを4位に沈め、73.0ポイントのトップを獲得。総合ポイントでも竹内62.4、園田41.6、優12.0、醍醐-116.0で1位に浮上しました。

 続く第14回戦は園田プロがトップ、竹内プロが2位。総合ポイントは園田101.0、竹内72.7、優-5.1、醍醐-168.6で、園田プロが逆転して1位です。

☆当面のライバルをラスに沈める差しこみ

 第15回戦では、オーラスに竹内プロがしたたかな一打を見せました。

 南4局2本場(供託4)を迎え、この試合の持ち点は北家・竹内47100、東家・醍醐30300、南家・園田21600、西家・優17000です。

 ラス目の優プロが3位浮上を狙い、8索をチー、2筒をポンしました。4筒・7筒待ちで聴牌です。

 竹内プロはきっちり7筒を差し込みました。優プロはタンヤオの1000点(+4600)で、持ち点は22600で3位に浮上。園田プロは21600のままで4位に落ちました。

 3位と4位で20ポイント差があります。竹内プロはお釣りの来る差し込みでした。

 第15回戦を終え、総合ポイントは竹内118.2、園田62.6、優-22.5、醍醐-158.3で、竹内プロが再び1位です。

 第16回戦は竹内プロが2位、園田プロ4位でした。第4節を終え、総合ポイントは竹内142.0、園田12.3、優-43.4、醍醐-110.9です。

 第4節で全て連対し、この節で152.6ポイント獲得した竹内プロが栄冠に向けて大きく抜け出しました。

☆チャンス手を確実にあがり着実にラス避ける

 最終節では、チャンス手をしっかりとあがり、着実にラスを避ける竹内プロの巧みなゲーム回しが光りました。

 特に見事だったのは最終節初戦の第17回戦です。

 南2局1本場(供託2)を迎え、この試合の持ち点は北家・醍醐35500、西家・優28900、東家・園田27500、南家・竹内26100です。

 竹内プロは微差とはいえラス目。このまま最下位で最終節の初戦を終えれば、包囲網を敷いている3人の強豪ががぜん勢い付きます。

 竹内プロの配牌です。役牌の發とドラの北がトイツのチャンス手が入りました。

 竹内プロは1巡目に南をツモって白を切り、2巡目に2索を引き入れて中を外し、早くもイーシャンテンです。

 竹内プロは3巡目に7索をツモり、南を切りました。

 ここまでの捨て牌が字牌の白、中、南で、發をトイツで持っていないように見せる工夫をしています。

 優プロが3巡目にドラの北を切りました。竹内プロはこれをポンすれば發の後付けで聴牌に取れます。

 けれども、竹内プロは鳴かずに見送りました。ドラをポンすれば他家が警戒して發を抑え、絶好の手のあがりを逃す恐れがあるからです。

 攻め一辺倒にならず、攻守のバランスを考えた丁寧な対応です。

 竹内プロは4巡目に7索を重ねました。9萬と7索のどちらのトイツを外すかの選択です。

 竹内プロは9萬を切りました。続けて9萬を切ればタンヤオのあがりを目指しているように見え、發が出やすくなります。

 5巡目に7索をポンして9萬を続けて切り、ドラの北とのシャンポン待ちの發の後付けで聴牌です。

 この鳴き仕掛けでは發は止めにくいです。優プロが直後の5巡目に發を切って放縦。竹内プロは發・ドラ2の3900点(+2300)です。

 このあがりで2着目に浮上した竹内プロはそのまま最終節の初戦で2位となりました。残る3戦も隙のない打ち回しで全て2位を獲得。悲願の初優勝を成し遂げました。

 竹内プロはA1リーグ戦から好調を維持し、最高峰のタイトルを獲得しました。ライバルの優プロらと切磋琢磨して、その力強い闘牌で今後も最高位戦や麻雀界を盛り上げてほしいです。

 

 




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