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剛腕・鈴木大介九段が麻雀最強戦王者の帰還で優勝 攻め貫き4年連続ファイナル

 将棋の鈴木大介九段が2022年10月16日(日)の「麻雀最強戦2022 男子プロ王者の帰還」で優勝し、12月に行われる「麻雀最強戦2022」のファイナルに進出しました。

 2019最強位で「剛腕」として知られる大介九段はA卓、決勝とも持ち前の攻めを徹底して貫き、歴代の最強位ら屈指の強豪プロに快勝。4年連続でファイナル進出を決めました。

 男子プロ王者の帰還はA卓で将棋の鈴木大介九段、最高位戦日本プロ麻雀協会・土田浩翔プロ、日本プロ麻雀連盟・藤崎智プロ、最高位戦日本プロ麻雀協会・石橋伸洋プロが対戦。B卓では日本プロ麻雀連盟・前田直哉プロ、最高位戦日本プロ麻雀協会・醍醐大プロ、日本プロ麻雀協会・金太賢プロ、日本プロ麻雀連盟・長村大プロが対戦しました。

 大介九段、土田プロ、前田プロ、金プロ、長村プロは最強位経験者です。醍醐プロは昨年のファイナル決勝に進出しています。

 決勝に勝ち上がったのは大介九段、土田プロ、前田プロ、醍醐プロ。

 決勝は醍醐プロ、大介九段、土田プロ、前田プロの並び順です。大介九段が強力な攻めで最高位や鳳凰位のタイトル経験者を圧倒しました。

◎悪夢払しょくのカンチャン3萬一発ツモ

 大介九段圧勝のきっかけとなったのは東4局。因縁のカンチャン3萬待ちでリーチし、昨年の悪夢を払しょくする一発ツモでした。

 東4局を迎え、持ち点は南家・醍醐31400、西家・大介30300、北家・土田23000、東家・前田15300です。

 大介九段が9巡目に7索をツモった手牌です。

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 大介九段は5索を切ってカンチャンの3萬待ちでリーチしました。

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 場況から3萬待ちの景色が良いと判断。両面待ちなどへの変化を待たず、果敢にカンチャン待ちでリーチに踏みこむところが剛腕の真骨頂です。

 大介九段は10巡目に一発で3萬をツモりました。

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 リーチ・タンヤオ・一発・ツモ・ドラ1の2000、4000です。

 大介九段には苦い経験があります。昨年のファイナル1stのB卓でカンチャンの3萬待ちでリーチし、日本プロ麻雀連盟・一瀬由梨プロの国士無双に放銃。2度目の最強位獲得の夢を断たれました。

 この一発ツモはリベンジを果たす価値の高いあがりです。

◎怒涛のあがりラッシュで圧倒

 ここから大介九段が怒涛のあがりラッシュで他家を圧倒します。

 南1局を迎え、持ち点は南家・大介38300、東家・醍醐29400、西家・土田21000、北家・前田11300です。

 この一局では3人の手がぶつかりました。

 まず、トップ目に立った大介九段が9巡目に6筒・9筒待ちでリーチしました。

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 反撃を狙う土田プロが12巡目に2筒をチー。ドラの9筒・白のシャンポン待ちで聴牌しました。

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 土田プロはどららであがっても満貫です。

 一方、親番のなくなった醍醐プロも追いつき、14巡目に3萬・6萬待ちでリーチです。

6 - コピー

 勝負どころとなったあがり合戦はすぐ決着がつきました。醍醐プロが15巡目にドラの9筒をつかみ、頭ハネで大介九段に放銃。大介九段はリーチ・ピンフ・ドラ1の3900点(+1000)です。

 南2局を迎え、持ち点は東家・大介43200、北家・醍醐24500、南家・土田21000、西家・前田11300です。

 2着目からの直撃で親を迎えた大介九段は優勝にぐっと近づきました。

 大介九段は南2局の親で役のないカンチャン2萬待ちの手でリーチ。

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 前田プロから打ち取りました。裏ドラが1枚乗り、リーチ・裏ドラ1の3900点です。

 この場況と流れならば、役なしのカンチャン待ちでもあがれるという鋭い勝負勘が大介九段のすごいところです。名だたる麻雀プロから勝利を上げる秘訣だと思います。

 続く南2局1本場。持ち点は東家・大介47100、北家・醍醐24500、南家・土田21000、西家・前田7400です。

 粘り強さに定評のある醍醐プロがツモり三暗刻の2筒・4筒のシャンポン待ちでリーチ。「絶対に最後まであきらめない」という前最高位の意地を感じました。

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 醍醐プロは8巡目に北を暗槓。槓ドラは中です。

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 大介九段は大きくリードしていましたが、醍醐プロのリーチに一歩も引かず、攻めを貫きます。ドラの9萬をトイツで持ち、9巡目に4筒・7筒待ちでリーチです。

え

 醍醐プロは4筒をツモればあがり、7筒をツモれば暗槓できます。大介九段に放銃することはありません。リーチ合戦は醍醐プロが有利かと思っていました。

 ところが、大介九段の勢いは全く衰えていません。11巡目に4筒をツモりました。

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 大介九段はリーチ・ツモ・ドラ2の4000オール(+1300)です。

 さらに、南2局2本場。持ち点は東家・大介60400、北家・醍醐19400、南家・土田16900、西家・前田3300です。

 大介九段はドラの6索を2枚持ち、4巡目に5索・8索待ちでリーチ。

か

 10巡目に醍醐プロのリーチ宣言牌の8索を打ち取りました。

 大介九段はリーチ・ドラ2の7700点(+600)です。

 大介九段はこのリードを守り、69700点のトップで圧勝しました。

 解説を務めていた現最強位のTEAM雷電・瀬戸熊直樹プロが絶賛した大介九段の超攻撃麻雀。ファイナルでぜひ二人の対決が見たいです。

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