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最後まで絶対にあきらめない そのけんがチーム鼓舞する執念の逆転トップ

 そのけんがチームを鼓舞する執念の勝利です。

 Mリーグ2022-23の2023年2月3日(金)の第2回戦。赤坂ドリブンズ・園田賢プロが親番のなくなった南2局から3連続のあがりを決め、ラス目から逆転でトップを獲得しました。

 レギュラーシーズン94試合中68試合目を迎え、赤坂ドリブンズは総合ポイントが-693.2ポイントで8チーム中最下位に低迷。セミファイナル進出のボーダーラインとなる6位のKADOKAWAサクラナイツとは550.8ポイント差の極めて厳しい状況でした。

 この日の第1回戦でもチームメイトの鈴木たろうプロがラス。絶対にトップが必要な一戦で園田プロが底力を発揮しました。

 第2回戦は赤坂ドリブンズ・園田賢プロ、KONAMI麻雀格闘倶楽部・高宮まりプロ、KADOKAWAサクラナイツ・堀慎吾プロ、渋谷ABEMAS・多井隆晴プロの並び順です。

 園田プロにとって序盤はまたも「なんなん」の展開でした。

 東2局に堀プロは3筒をチー、9筒をポン。10巡目に1筒・4筒・7筒待ちで聴牌していました。

 堀プロはチンイツ・赤ドラ1の12000点の手です。

 園田プロも9索をポンし、索子のチンイツの手を進めていました。15巡目のツモ番を迎え、イーシャンテンの手牌です。

 堀プロに通しにくい1筒が浮いていました。

 それでも5索をツモって1筒を切れば2索・4索・5索・7索・8索の5面待ちです。あがればチンイツ・ドラ2の12000点になります。

 園田プロは5索をツモったときだけ1筒を勝負しようと決めていました。

 15巡目にツモったのが5索。5面待ちの聴牌に取り、1筒をずばっと切りました。

 園田プロはこの1筒で堀プロに跳満を放銃。ラス目に落ちました。

 南1局の親番も活かせず、南2局を迎え、持ち点は東家・高宮39800、西家・多井32000、南家・堀14600、北家・園田13600です。

 ラス目の園田プロが起死回生の一撃を決めます。9巡目に4筒・7筒待ちでリーチ。

 園田プロは11巡目に4筒をツモりました。リーチ・タンヤオ・ピンフ・イーペーコー・ツモ・赤ドラ1の3000、6000です。

 園田プロは南3局には多井プロからリーチ・ピンフ・裏ドラ1の3900点をあがりました。

 そして迎えた南4局。持ち点は西家・高宮33800、南家・園田29500、東家・多井25100、北家・堀11600です。

 2着目の園田プロはトップ目の高宮プロとは4300点差。1000、2000で逆転できます。

 園田プロは6巡目にダブ南をポンしてイーシャンテンです。

 ダブ南・ドラ2の満貫で、どこからの出あがりでもトップを獲得できるドラの東単騎待ちを目指しました。

 ラス目の堀プロが4・5巡目に白のトイツ落としをしていました。タンヤオ・ピンフの手が進んでドラの東を切るのを園田プロは狙っていました。

 園田プロは7巡目に2筒を重ねました。

 8巡目に高宮プロが切った2筒をポン。狙い通りドラの東単騎待ちで聴牌です。

 どこからでも出あがりが効き、ツモっても逆転トップです。東は堀プロと多井プロが1枚ずつ持っていて、山に1枚だけ残っていました。

 ところが、逃げきりを図るトップ目の高宮プロが11巡目に赤5萬を切り、3索・6索・9索待ちで聴牌しました。

 高宮プロはピンフ・高めイーペーコー・赤ドラ2の手です。出あがりが効くので当然、黙聴に構えます。

 親の多井プロが12巡目につかんだのが9索です。

 3着目の多井プロはトップ目の高宮プロとは8700点差。逆転トップを目指してあがりに向かいたいところです。

 けれども、百戦錬磨の多井プロは無謀な押しはしません。高宮プロの赤5萬切りで索子待ちの聴牌と読みきり、園田プロに厳しいドラの東はもちろん9索も抑えました。全員に通りそうな3萬を切りました。

 「最速最強」の異名にふさわしく、ぎりぎりのところで放銃を避ける鉄壁の守りです。

 2人ともあがれないまま、堀プロが13巡目に4筒をツモった手牌です。

 堀プロは園田プロに放銃しても仕方ないと、イーシャンテンであることに懸け、東を切りました。

 堀プロは東が高宮プロには通ると読んでいました。KADOKAWAサクラナイツより上位にいるKONAMI麻雀格闘倶楽部ではなく、大きくポイントの離れた最下位の赤坂ドリブンズのトップのほうが良いと判断した放銃覚悟の一打です。

 セミファイナル進出のボーダー争いではなく、連覇に向けて上位しか考えない堀プロらしい強気な選択でした。

 園田プロはこの東を打ち取り、ダブ南・ドラ2の8000点です。

 最終結果は園田37500、高宮33800、多井25100、堀3600。園田プロがオーラスに逆転しトップ。高宮プロは悔しい2位です。

 園田プロのトップで赤坂ドリブンズの総合ポイントは-635.7となり、6位のKADOKAWAサクラナイツとは436.9ポイント差に縮まりました。

 この日の園田プロの闘牌には「セミファイル進出を最後まで絶対にあきらめない」という強い思いが伝わってきました。

 

 

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