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そのけんに「なんなん」尽くしの悪夢

 まさに「なんなん」尽くしの悪夢の一戦でした。

 Mリーグ2022-23の2023年1月17日(火)の第2回戦です。

 赤坂ドリブンズ・園田賢プロは逆襲の狼煙を上げる親満のあがりを頭ハネされたり、勝負手のリーチ宣言牌で放銃するなど不運が続き、ラスに沈みました。

 「そのけん」は麻雀の不条理に唇をかみしめていると思います。

 第2回戦はKADOKAWAサクラナイツ・渋川難波プロ、EX風林火山・勝又健志プロ、セガサミーフェニックス・東城りおプロ、赤坂ドリブンズ・園田賢プロの並び順。

 第2回戦を迎え、赤坂ドリブンズの総合ポイントは-525.0ポイントで8チーム中最下位。このまま上位6チームで争うセミファイナルに進出できなければ、Mリーグの規定で来季1人以上の選手交代が必須です。

 レギュラーシーズンも折り返しを過ぎ、94試合中58試合目となりました。園田プロはチームのためにトップを獲得しようと、この一戦に臨みました。

 しかし、東城プロが好調で東3局の親で跳満を続けてツモり、大きくリード。園田プロは2位確保が現実的な目標となりました。

 東4局3本場(供託1)を迎え、持ち点は北家・東城53300、東家・園田16900、南家・渋川16900、西家・勝又11900です。

 配牌でドラの南がトイツで入った親の園田プロ。萬子のホンイツを目指し、9巡目に南をポンしてリャンシャンテンです。

 10巡目に絶好の2萬を引き入れ、イーシャンテンです。

 園田プロは12巡目にカンチャンの7萬をツモり、2萬・5萬待ちで聴牌しました。

 あがればホンイツ・ドラ3の12000点。2着目争いから抜け出し、5万点超のトップ目の東城プロに反撃を狼煙を上げることができます。

 園田プロと2着目争いしている渋川プロが13巡目にカンチャンの4萬を引き入れました。8萬を勝負して6萬・9萬待ちでリーチです。

 渋川プロはリーチ・ピンフ・赤ドラ2の満貫確定の手です。高めの6萬をツモればタンヤオが付き、跳満になります。

 勝又プロは2人の攻めを受け、オリに回りました。

 トップ目の東城プロは13巡目に8萬をツモって安全牌の發を切り、2萬単騎待ちで聴牌しました。

 東城プロは役がなく、出あがりできません。萬子の危険牌をつかめばオリる構えです。

 東城プロは14巡目に6筒をツモり、安全牌の9筒と入れ替えました。

 今度はタンヤオが付くので2萬が出ればあがれます。

 その直後、渋川プロが15巡目につかんだのが2萬。東城プロと園田プロのあがりですが、Мリーグではダブロンはありません。頭ハネで東城プロのあがりとなりました。

 東城プロはタンヤオの1300点(+2900)です。あがりを横からさらわれ、親満を失った園田プロは「なんなん」と発しているような悔しそうな表情を見せました。

 続く南1局。持ち点は西家・東城57500、北家・園田16900、東家・渋川13700、南家・勝又11900です。

 園田プロは捲土重来を期して8巡目に4索・北のシャンポン待ちでリーチしました。

 親の渋川プロが10巡目に8萬をチーして追いつき聴牌です。

 渋川プロは6索・9索待ちですがタンヤオの付く6索でしかあがれません。場に9索が2枚切れているので思いきって仕掛けました。

 渋川プロは11巡目に6索をツモ。タンヤオ・三色・ドラ1・赤ドラ1の4000オール(+1000)です。

 園田プロは渋川プロの巧みな仕掛けに、またもあがりを阻止されました。

 南1局1本場はリーチした勝又プロの1人聴牌で流局。

 南2局2本場(供託1)を迎え、持ち点は南家・東城52500、北家・渋川25700、西家・園田10900、東家・勝又9900です。

 3着目の園田プロはラス目の勝又プロと1000点差までに迫られました。

 先制攻撃したのは2着目の渋川プロです。10巡目に4筒・7筒待ちでリーチしました。

 園田プロが16巡目に3索をツモって重ねた手牌です。

 リーチ・ドラ1・赤ドラ1の手です。園田プロは勝負を懸けて4筒を切って5筒・8筒待ちでリーチしました。

 この宣言牌の4筒が渋川プロに通らず放銃。渋川プロはリーチ・タンヤオ・赤ドラ1の5200点(+1600)です。

 南3局を迎え、持ち点は東家・東城52500、西家・渋川32500、北家・勝又9900、南家・園田5100です。園田プロはとうとうラス目に転落しました。

 3着目の勝又プロが点差を縮めようと8巡目に5萬・8萬待ちでリーチしました。

 勝又プロはどちらであがってもイーペーコーが付く珍しい手です。

 親の東城プロが9巡目に追いつき、6萬・9萬待ちでリーチです。

 勝又プロが東城プロに放銃すれば、園田プロは再び3着目に浮上する可能性があります。

 園田プロは東城プロにあがりを委ね、オリに回りました。

 ところが、東城プロが11巡目に8萬をつかみ放銃。勝又プロはリーチ・ピンフ・イーペーコー・赤ドラ1の8000点(+1000)です。

 園田プロの大きなあがりは阻止され、東城プロにあがってほしいときは3着目を争う勝又プロへの「援護射撃」となる放銃。

 思惑の外れた園田プロは自分勝手ながら東城プロに「なんなん」だったと思います。

 南4局を迎え、持ち点は北家・東城43500、南家・渋川32500、西家・勝又18900、東家・園田5100です。

 3着目とも13800点差ある親の園田プロは着順アップへ連荘するしかありません。

 逆転トップを狙う2着目の渋川プロがいち早く10巡目に4萬・7萬待ちで聴牌しました。

  渋川プロはドラの7索や赤ドラの引き入れによる手変わりを待って黙聴に構えます。

 園田プロが11巡目に追いつき、1索・4索のシャンポン待ちでリーチしました。

 園田プロは渋川プロの手が進んでいるのを察知し、ピンフへの手変わりを待たず、親のリーチで抑え込みにいきました。

 渋川プロは直後の11巡目にツモったのが危険牌の3索です。

 3索・6索、7萬はいずれも園田プロに切りにくく、渋川プロは親への放銃を避けようと現物の5萬を外して聴牌を崩しました。

 トップ目の東城プロが11巡目にカンチャンの4索を引き入れました。現物の北を切って6萬・8萬のシャンポン待ちで聴牌です。

 8萬がなかぶくれ待ちであがりの可能性は低いです。東城プロは黙聴に取り、危険牌をつかめば東の暗刻落としでオリに回れます。

 東城プロが13巡目にツモったのがなんとラス牌の8萬。ツモ・赤ドラ1の700、1300(+1000)です。

 「なんなん」尽くしの最後はなかぶくれ待ちのツモられです。園田プロはラス親で必死にこぎ着けたリーチも空振りに終わりました。

 最終結果は東城47200、渋川31800、勝又18200、園田2800です。

 園田プロは「なんなん」の中でも最悪な不運続きの一戦でした。特に、東城プロには痛い目に遭いました。

 園田プロが次に東城プロと因縁の対決があったとき、たっぷり「なんなん」返しできるか注目です。


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