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悲願の永世最高位へ近藤誠一プロ最後の挑戦始まる【最高位戦A1】

 悲願の永世最高位へ最後の挑戦が始まりました。

 最高位戦日本プロ麻雀協会・近藤誠一プロが、今季限りで最高位戦のリーグ戦から勇退する意向を表明しました。

 誠一プロは選手としてМリーグの舞台から去り、今季からセガサミーフェニックスの監督を務めています。

 それでも、ホームグラウンドの最高位戦のリーグ戦では、ずっと雄姿を見せてもらえると思っていました。

 特に、昨季の最高位戦A1リーグでは、奇跡の大逆転で残留を果たしていただけに、今季で活躍が終わってしまうのはとても残念です。

 誠一プロはこれまで4期、最高位に就いています。多くのタイトルを獲得した「大魔神」の名で知られる故・飯田正人プロに続き、もう1期で2人目の永世最高位です。

 ぜひ、「大魔神の系譜」として最高位のタイトルを獲得し、有終の美を飾ってほしいです。

◎初日に光る十八番の一気通貫

 誠一プロは第49期最高位戦A1リーグ第1節a卓に出場。今季初日の戦いに臨みました。

 第1節の4戦は4位、2位、1位、1位。ポイントは23.7で、初戦ハコ下のラスから巻き返し、ますまずのスタートを切りました。

 2回戦と4回戦で決めた十八番の一気通貫が光りました。

 2回戦は近藤誠一プロ、石井一馬プロ、村上淳プロ、鈴木たろうプロの並び順。

 東4局2本場(供託2)で持ち点は西家・一馬38500、北家・村上27500、南家・誠一26500、東家・たろう25500です。

 親のたろうプロが2巡目と3巡目に続けて、3筒と4筒を手出してで切っています。他家は警戒モードです。

 3着目の誠一プロは6巡目に絶好の4筒ツモりました。

 1筒を切れば、筒子の一気通貫はなくなるものの、受け入れの広いイーシャンテンです。

 誠一プロは一気通貫にこだわり、五萬を外しました。

 メンゼン・高打点を狙う誠一プロらしい力強い選択です。

 キー牌の3筒を捨て牌から上家のたろうプロがツモっても使わないと、誠一プロは読んでいたはずです。

 たろうプロは8巡目に三萬をチー。七萬を外して三萬・六萬・九萬・南待ちで聴牌しました。 

 たろうプロは南を1枚外した聴牌崩しの萬子のチンイツには向かわず、多面待ちによるホンイツの聴牌を優先しました。

 供託が2本あるので、打点よりもスピード重視です。

 たろうプロから七萬が余りましたが、誠一プロは9巡目に八萬を強気に押しました。

 この一局を勝負どころとみて、ノータイムでツモ切りました。さすがの胆力です。

 誠一プロは11巡目に2索をツモって聴牌。狙いのペンチャンの3筒待ちでリーチしました。

 たろうプロが12巡目に一発で3筒をつかみ、ツモ切って放銃。誠一プロはリーチ・一気通貫・一発の8000点(+2600)です。

 誠一プロの鮮やかな一撃。一気通貫狙いを貫いた五萬切りと、八萬の押しが見事でした。

 一気通貫は誠一プロの十八番です。

 Mリーグなどさまざまな麻雀の試合に関するデータを発信している辺六筒さんによると、誠一プロはМリーグで9回、一気通貫をあがっています。

 辺六筒さんはたくさんの興味深いデータを伝えています。データを知って、試合を観戦すると面白さが増すのでお薦めです。

 ※ 辺六筒🦅🔥(@penropin)さん / X (twitter.com)

◎重厚なイーシャンテン取らず

 誠一プロは4回戦でも、切れ味鋭い一気通貫のあがりを決めました。

 誠一プロ、一馬プロ、村上プロ、たろうプロの並び順。

 南1局を迎え、持ち点は南家・一馬36100、西家・村上34300、北家・たろう25300、東家・誠一24300です。

 ラス目で親の誠一プロは3巡目にペンチャンの七萬を引き入れました。

 一萬か7筒を切れば、早くもイーシャンテンです。

 「789」の三色の可能性を残すとともに、カンチャンの二萬の受け入れが残るのを嫌い、一萬を切る打ち手が多いかもしれません。

 しかし、誠一プロはイーシャンテンに取らず、9索を外しました。

 萬子の一気通貫を強く意識した重厚な一打。ここでも手役にこだわる誠一プロらしさを感じました。

 3着目のたろうプロが6巡目に二萬をツモり、いち早く聴牌。6索単騎待ちで黙聴に構えました。

 たろうプロはピンフへの変化や、待ちごろの単騎牌を探っています。

 一方、誠一プロは6巡目にドラの4筒をツモったほか、7巡目に8索を引き入れ、イーシャンテンです。

 誠一プロは8巡目に一気通貫確定の六萬をツモ。ドラの4筒を切り、カンチャンの二萬待ちでリーチしました。

 たろうプロも8巡目に三萬を空切りして押し、6索単騎待ちで追っかけリーチしました。

 鳴き仕掛けをしていたトップ目の一馬プロも9巡目に八萬をツモり、3索・6索待ちで追いつきました。

 3人のめくり合いはあっという間に決着しました。

 たろうプロが9巡目に二萬をつかみ放銃。誠一プロはリーチ・一気通貫の7700点です。

 誠一プロの鮮やかな2発の一気通貫でした。

 このあがりを見ていると、誠一プロの闘牌を今季限りで見納めになるのは寂しすぎます。

 もちろん、誠一プロの体調回復が最優先です。それでも、永世最高位になったら勇退の意向を撤回してもらえればうれしいです。

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