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近藤誠一プロの執念と底力 奇跡の大逆転で残留【最高位戦A1】

 「大魔神の系譜」の執念と底力を感じました。

 最高位戦日本プロ麻雀協会・近藤誠一プロが奇跡の大逆転で最高位戦A1リーグ残留を決めました。

 2023年9月27日(水)に行われた第48期最高位戦A1リーグ第12節(最終節)のB卓です。

 A1リーグでは13人中10位まで残留できます。

 近藤プロは降級圏内の11位で最終節に臨みました。この日の1回戦で4位、2回戦では3位にとどまり、さらに厳しい状況に追いこまれました。

 B卓の3回戦を迎え、近藤プロの総合ポイントは-252.3で11位のまま。抜け番のあるC卓で戦っていて、3戦を残す10位の朝倉康心プロは-68.5。近藤プロとは183.8ポイント差あります。

 10位と大差の近藤プロは残り2戦で連続トップが必須です。

 近藤プロは3回戦でトップを取り、最終戦となる4回戦を迎えました。

 近藤プロの総合ポイントは-210.4で11位。一方、10位の朝倉プロはポイントを減らして-132.2。

 近藤プロは朝倉プロに78.2ポイント差まで迫りました。

 近藤プロがB卓でトップ、朝倉プロがC卓で4位ならば、近藤プロは大逆転で残留できそうです。

 最終戦は坂本大志プロ、太田安紀プロ、新井啓文プロ、近藤誠一プロの並び順。

 近藤プロが残留を手繰り寄せる一局となったのは東4局です。

 持ち点は南家・坂本38300、東家・近藤38200、北家・新井25000、西家・太田18500。

 近藤プロはトップ目の坂本プロと100点差で2着目につけています。

 親の近藤プロが5巡目に役牌でドラの中をツモった手牌です。

 近藤プロはめいっぱいに構えず、初牌の中を残して5筒を切りました。

 6巡目に北をツモり、続けて3筒も切りました。

 この「3筒・5筒」のターツを外す選択がずばり的中しました。

 近藤プロは7巡目に中を重ね、イーシャンテンです。

 8巡目には6索をツモって六萬を切りました。中が出たときにポンして聴牌できるように構えています。

 3着目の新井プロが8巡目に五萬をツモった手牌です。

 新井プロは浮いているドラの中を切り、イーシャンテンに取りました。

 近藤プロがこの中を9巡目にすかさずポン。カンチャンの三萬待ちで聴牌しました。

 三萬は山に3枚残っていました。

 新井プロが9巡目に六萬をツモった手牌です。

 こうなれば当然、三萬を切ります。

 新井プロは三萬を外して放銃。近藤プロは中・ドラ3の12000点です。

 近藤プロの持ち点は50200点となり、トップ目に立ちました。

 近藤プロはリードを守ってB卓でトップ。朝倉プロはC卓でラスに沈み、順位は入れ替わりました。

 近藤プロは最高位戦A1リーグ残留です。

 第48期最高位戦A1リーグの最終結果です。

 「大魔神」の異名を持ち、数々のタイトルを獲得した故・飯田正人永世最高位を敬愛する近藤プロ。今季の最高位戦A1リーグでは厳しい戦いが続きました。

 それでも、追いこまれて臨んだ正念場で「大魔神の系譜」の名にふさわしい底力を見せてくれました。

 今季のМリーグ2023-24からセガサミーフェニックスの監督を務める近藤プロ。選手たちはきっと「お父ちゃん」の残留を喜んでいることでしょう。

 近藤プロには来季、降級争いではなく、常連だった決定戦進出争いのメンバーに加わってほしいと願っています。


 

 

 

 

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