日記 メルカリで自転車売って、資本主義にうんざりする一日。

引っ越しをする。

社会に出て3回目の引っ越し。

今回はリゾートバイトの個室寮への引っ越しなので、最低限の生活用品以外は捨てるか売るかの2択。

買ってから数回しか乗ってない自転車は捨てるにはもったいない。買取業者に査定を依頼するも軒並み断られた。ママチャリは買い取るに値しないらしい。でかでかと主張する「すべて買い取ります」の売り文句は見た目通り誇張だった。

重い腰を上げてメルカリを開く。自転車の出品はなくはない。そういえば1年前の春休みも読んだ本をメルカリで売り小遣いを稼いでた。そのたびに身内だけのインスタで「ぼくの錬金術」とストーリーをあげていた。身内なのにいいねは無かった。

玄関に置いてある自転車の写真を撮り、他の人の説明文をまねて出品完了。タイヤがべこべこだったため空気を入れ直す。すこし疲れて部屋に帰ると「SOLD OUT」の通知がきてた。なんか知らんが一瞬で売れた。辞めた会社でもこのくらいのスピード感で出世できればいいのになぁと思った。

1年前に本を売った時も20冊以上あったがすべて売れた。楽しみ方がわからず持て余したグラビアの写真集や、反出生主義を掲げる哲学者の書籍や、Excelのハウツー本。雑多なラインナップから当時の迷走ぶりがわかる気がする。結局ぼくは、グラビアのポスターを部屋に貼るようなあけすけなことはできなかったし、哲学書を深く読み込むほど人生に悩んでなかった。先のことを考えてスキルを磨くだけの勤勉さも足りなかった。

新卒で入った会社をキャリアアップのために半年で辞めて、2社目はパワハラをきっかけに仕事そのものが嫌になり3ヵ月で辞めた。

学生の頃はニキビがひどくて劣等感と自意識が凄まじかった。彼女がほしいと嘆く友人を理解できなかった。肌の見た目は今もひどいが、色々な経験をして気にすることもなくなった。だからあの時ずっと心の奥にしまいこでいたやりたいことをやろうと決めた。

海外周遊。ベタだけど魅力は尽きない。過剰なサービス精神を強いられる日本とは全く違う価値観。それにまつわるエピソードはSNSで散々見てきた。一度でいいから感じてみたい。気を遣うことのない文化を、価値観を。

英語を活かせる仕事につなげたくない。そんなつまらない目的意識を持つのにうんざいしてる。ただ英語を勉強したいし、海外を見てみたい。その先は考えない。老後も知らない。心だけでも資本社会から離れていたい。

メルカリを巡ってそんなことを思った今日。明日は売れた自転車を引き渡しに行く。赤の他人に自分のものを渡すのってそういえば初めてだ。すこし緊張する。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?