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週刊誌やTVなどの大手メディアの小室圭さんへの執拗なバッシングは、酷すぎる。

何度か、小室さんのことを書きたいと思っていた。自分はICU卒業生の一人である。自分が在籍していた時代、大学内には7つの寮があり、その一つの寮に住んでいた。7寮あったうちの4つの寮は閉鎖されてしまった。小室さんは、そのうちの一つの男子寮に、短い期間であったが在籍していたことが週刊誌で報じられており、そのこともあって、小室さんのことは、とても近い後輩のような気持ちで眺めている。

ICU生の中には、卒業生数が他大学に比べて非常に少ないにも関わらず、海外の大学で教鞭をとっていたり、外資系の企業で活躍しておられる方や、キー局のアナウンサーなど、輝かしい卒業生もいる。自分はそういった輝かしい進路を歩んではいないのだが…、今の自分はICUで出会った先生たち、友人たちに支えられていると確信している。ICUでの生活は、とにかく、ひたすらに、楽しかった。東京都内にありながら自然が豊かな環境、自由に意見を言える雰囲気、学生がとても生き生きしていて、(当時は)ICU出身の教授も多く、女性の教授も多かったし、学生と先生との距離もとてもフラットで、近かった。女性の学生比率が高いこともあり、のびのび意見を言える環境も新鮮だった。特に寮では、各国からの留学生と交流したり、9月に入学してくる「セプテン(9月生のことを通称そう呼んでいる)」の学生たちとの交流もあった。高校時代までの狭い世界でのテスト勉強、偏差値至上主義の仕組みに無理して合わせ、時にはとても苦しんだ身には毎日がとても新鮮だった。暗記中心の教育環境とは、あらゆることが違っていた。初めて、真面目に何かを言っても「真面目だね」と小馬鹿にされない、ということの幸せを謳歌した。

英語圏で幼少期を過ごした人たちも学内に多く、彼らの英語力は当然ながら、とても高度なので、受験英語しか経験がなく、模試やセンター試験の点数が高くとも、全く英語は話せないことに気づかされた。英語が得意だと思っていたのに、一体なんだったのだろう・・・と、大いに凹むこともあった。周りの学生と英語力を比較してしまい、学費は一般的な文系私大よりも高額なこともあり、親に愚痴られることもあって、バカ山と呼ばれる芝生の上でごろごろ、転がったりしながらも、自意識を若干こじらせていたとは思う。

そんなこじらせもあったが、毎日がとにかく楽しく、四季の移ろいをキャンパスで味わうことができて、素晴らしい経験だった。ICUは通称「滑走路」と呼ばれる桜並木が綺麗である。卒業後も何度もキャンパスに足を運んでいる。そんな風に、卒業後もキャンパスを訪れるようなOBOGが多い大学が一般的でないことは、卒業後まで知らなかった。

その後、眞子様、佳子様がICUにともに入学したことは、とても喜ばしいと思っていた。東京都内の私立大学ではありえないほど、小規模な大学で、全学生に1年生の時点で英語での授業を必修にするなど、授業の質はとても高いという自負は関係者にはあるけれど、大学の知名度が全国的にはあまり高くない(特に地方では本当に未だにとても無名である)。そして卒業生数も少ない。卒業後同じ大学のOBOGが組織内にたくさんいるような大学出身者が羨ましいと感じることもある。

そんな大学なので、テレビや雑誌などの「年配の親や親戚が喜ぶ」大手メディアで、ICU卒業生である眞子さまと小室さんのことを取り扱ってもらえるのは嬉しく、親戚なども喜んでくれる、というようなことが純粋に嬉しかった。婚約が発表された頃の会見の、あの幸せいっぱいの雰囲気は、今でも覚えている。ICUの後輩である二人を、心から、祝福した。親にもメールをした(LINEではなくauのCメール。災害に強い)

しかし、風向きが変わってきたのは、小室さんの母親と借金問題がメディアを騒がせはじめてからだ。それまでの祝福ムードが一転してしまった。大手の金融機関をすぐに離職したこと、その後の法律事務所での不安定な立場や、今は辞退されたが、結婚一時金、借金…そして険しい表情の小室さんの写真がたくさんの写真週刊誌に掲載され、インターネットの書き込みでも、バッシングが酷く増えてしまった。自分は後輩である二人(特に小室さん)が、あんなに叩かれる必要があるのか、ずっと疑問だった。しかし週刊誌の話題としては、あまりにも面白すぎるのであろう。ついついネットの記事をクリックして読んでしまう気持ちも、どこかで分かるような複雑な気持ちになった。日々ストレスにまみれたしがない労働者である自分にとっても、彼らはあまりにも順風満帆に見え、自分よりも圧倒的に恵まれた(ように見える)人のスキャンダルが出てきた場合、完膚なきまで叩きのめす、ことの需要が高まっているのは実感する。そういったメディアの姿勢が、インターネットを通じてますます拡張していくことの危機感もあった。

バッシングはあっという間に過熱していき、最近の報道では、アメリカの留学先の近くまで行って、恐らくは本人に無許可で、歩く姿を撮影している番組まであった。twitterによれば、小室さんの飛行機が飛び立ったことが速報で流れたらしい。そこまでしなければいけないのか。週刊誌記者、テレビ番組のスタッフなどのメディア各社を止める術はないのか。インターネットの書き込みで、「ICUのイメージは小室さん(もっと酷い呼称だった)のせいでとても悪くなった」というようなことを、悪し様に書いているものも見かけた。

そもそもまだ20代という若い一般人を、ここまで叩きのめす必要があるのか。彼らは大手芸能事務所に所属しているような人たちではない。今更、綺麗事と思われるかもしれないが、クリック数や視聴率や発行部数を伸ばすために、ここまで小室さんに対して、強烈なバッシングを繰り返すことをどうかやめてほしい。

私は小室さんと面識はないが、アメリカで弁護士になれるほどの能力を持つ前途ある若者が、どうしてそこまで叩かれなければいけないのか。悪意に満ちたインターネットの書き込みはとても見ていられない。日本の大企業の体質が合わずに辞めて、海外を目指すような友人たちは自分の周りにもいる。

その背景には、アメリカの大学のカリキュラムの影響を受けたICUの学問と、日本の社会の世間との折り合いがうまくつかない、という悩みを抱えているような関係者たちが多くいることは事実だと思う。そういった経験と無縁で活躍できる場を見つけられた、幸運な関係者もいることとは思うが、小室さんに向けられる眼差しは、多かれ少なかれICU関係者が日本の世間で受けるものと似ている。

なんにせよ、海外で法律の専門的な勉強に励めるような日本人の若者は決して多くはないはずだ。前途ある若者を潰すような報道はやめてほしい。ICUの卒業生として、小室さんのことをここまで攻撃し、飛行機が飛び立つ様子を生放送する企画を真剣に通している大手メディアに勤める方達に「どうか止めてほしい」と、伝えたい。彼らは、人間であり、私たちと同様、匿名の誰かに攻撃されたら傷つくであろう心をもった、若者たちであることを、想像してほしい。

私は、ICUという大学が大好きで、そしてそこで過ごした時代を大切に思っている。卒業生たちに家族のような近い気持ちを持っている。ちょっと浮世離れして、世間から閉ざされた、独特な大学だったけれど、大切な後輩がここまで叩かれる必要はないと思う。これ以上、小室さんをバッシングすることをやめてほしい。なんの影響力もない立場だが切に思う。

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