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外見や体格で価値を測られる・・・女性はもちろん大変だけど・・・男性だってやっぱり大変・・・!?

 「第三舞台」出身、劇作家鴻上尚史さんの悩み相談のサイトをよく読んでいる。この悩み相談シリーズは本当に秀逸である。

 数ある悩み相談の中でも、この相談には、震撼した。

”66歳男性が風呂場で涙… 友人もいない老後を憂う相談者に鴻上尚史が指摘した、人間関係で絶対に言ってはいけない言葉https://dot.asahi.com/articles/-/101376?page=1 ”

今やその存在価値を脅かされてしまっているかのような紙の書籍も、この悩み相談だけは、全巻持っている。ウェブで読めるのはわかっているのだけれど、紙でページをめくって読みたいという気持ちがある。ちゃんと定価で買っている。ブックオフにもあることはわかっているが、新しい本を買いたいのである。

 今やすっかり「悩み相談の師」のような存在である、鴻上尚史さんが編み出したと思われる「ぶさいく村」出身、という表現をご存知であろうか。

 「ぶさいく村出身」。Dr. スランプアラレちゃんの「ペンギン村」のような柔らかい語感。自分はブサイクだから、と言われたらなんともいえない感じにはなるが、「村の出」だと言われると絶妙なユーモアによりその絶望感がやや薄まる。

 若い男女の集まる飲み会に出たとき、かっこいい男性たちには、女性たちが夢中になるのに、「ぶさいく村」出身の彼にはあまり誰も興味を示さない、あれ?何かが絶対的に違う!?というような、若い頃の無数の切ない経験を経て作られた言葉である。

 そうは言っても鴻上尚史さんは、日本を代表する劇団を長きにわたり率いて、著名な賞を無数にとられている。彼の戯曲は、多くの団体が演じていて、高校演劇に励む若者たちも、彼の書いた脚本を使って、熱心に演じたりしているのである。

 日本の演劇界の「師」のような存在であり、往年の名番組「タモリ倶楽部」のエロ回にばかり出てくる人のようになったとはいえ、そもそも「タモリ倶楽部」に生涯一度も出演できない(自分のような)人の方が圧倒的に多いわけで、「ぶさいく村」と自虐をしてみたところで、早々簡単には辿り着けない、圧倒的な才能を持った方であるのは、確かなのである。

 そんな、圧倒的な才能や成功や名誉があっても、「ぶさいく村」出身であるということの根源的な切なさというのは、消せやしないのだった。彼の書く文章からは、そのことの恐ろしさも感じさせるのだった。

 続きます・・・!

 

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