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就職氷河期世代が目立って貧困な理由

就職氷河期世代は、何かとつけて非正規、貧困な人が多い。なぜそうなっているのかという理由。


何も考えない人が時代に飲まれた

 九州地方に住む木村さんは1993年に地方の国立大を卒業。新卒採用ではスーパーを運営する会社に正社員採用された。

 店長になって売り上げを伸ばしたが、30代前半の月給は手取り20万円程度。不景気の煽りを受けた会社全体の業績が下がり、ボーナスがカットされた。

 長時間労働は常態化し、木村さんは休みなく働いて体調まで崩した。これ以上は収入が増える見込みがないと悟り、転職を決めた。

Yahooニュース

私も就職氷河期世代だ。だが、運良く?人並みの人生を送ることができている。なので、就職氷河期世代は悲惨だと言われてもいまいちピンとこないし、ごく一部の人では?と他人事だった。

だが、今回の記事をみて、結構多くの人がハマるんだろうなと感じた。

就職氷河期世代の人の親は、高度成長期だ。いわばボーナスタイム。低学歴でも問題ないし、正社員にもなれる。将来を考えずとも電車に乗って出勤するだけで、昇給し、ねんきんも安泰な世代。もちろん、投資など不要で貯金がベスト。

その親に育てられた子供が、就職氷河期世代。どういう教育をするかは明白だ。何も考えないでもボーナスタイムで生きてこれたのだから、その生き方しかしらないし、疑わない。後半にバブル崩壊を経験するも、染み付いた価値観は崩れない。

その価値観とは、正社員であればいいということ。とにかく正社員でいることが重要で思考が止まる。なので、正社員であれば、質は問わないという価値観だ。この価値観の被害者が、就職氷河期世代だ。

記事の人も、正社員になった。しかしスーパーを運営する会社である。この時点で失敗だ。さすがに大学生に将来伸びる業界を見極めろというのは、無理だ。今のようにネットもSNSもない。

だが、30代前半でも手取り20万円。これに疑問を持たないのは、「正社員なら安心」という価値観だからだ。安心というのは、倒産しない限り、解雇されにくいというだけで、未来の人生設計が「安心」というわけではない。あくまで雇用の話しだ。

人並みの生活ができることがゴールという思考

YouTubeでも就職氷河期世代の派遣切りの話しをみたことがある。その人は、派遣で稼げでいたが、就職氷河期で派遣切りにあって寮を追い出されるというものだった。

派遣である以上、契約終了は当然であり、次の仕事もある程度目星をつけておかねばならない。キャリアも考えつつ選ばなければならない。例えば介護しかないとしても、介護専門職を目指せば将来は違うはずだ。だが、ほとんどの人がそうだと思うが、「飯が食えて遊べればOK」で思考がとまっている。

なぜならそれが楽だから。考えることはツラく、面倒で、時間がかかる。だがそれをやっておかないと、大きなツケを支払うことになる。

就職氷河期で顕在化しただけ

何も考えない人はおそらく昔から一定数いた。むしろ昔のほうが多かったと思う。だが高度成長期だったゆえ、顕在化しなかっただけだ。昭和に中卒でも今の大卒よりいい人生を送ることができている。事実、私の両親は中卒である。

さらに就職氷河期世代は、人数が多い。なので、不景気で顕在化した上に、人数が多いので、より目立つ結果になった。

そういう意味では、就職氷河期世代は時代の被害者とも言える。しかし、回避できたはずだ。いま若者は人手不足であるから、好待遇であったり、正社員になれないということもないのだろう。

だが、これまでのように「なにも考えない」とおそらく老後にツケを支払うことになる。飯が食えて遊べればいいという年収では、受給する年金が安いからだ。それにそういう人は、投資もやらない。

やっていることは、就職氷河期の派遣社員と同じ思考で、今が食えればとりあえずOKという思考だ。いつの時代だって一定数いるし、その人の人生なのでとやかくいう問題でもないが、回避はできる。

就職氷河期世代の私が回避できたことが、証拠だ。

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