何かに追われると妙な妄想も迫ってくるのは、小心者の宿命
とにかく、”追われる” ということが苦手だ。
”追う” にはロマンとワクワクがつきまとうのに、”追われる” につきまとうのは現実と恐怖しかない。
よくあるのが、車の運転中のこと。
ルームミラーに小さく見えていた後続車が、ミラーを見るたびに電子レンジで加熱したときのレトルトカレーのごとく大きくなるに連れて早まる鼓動。
もし、後続車がその速度でぶつかってきたら・・・
しかも、乗っているのが、ゾンビに乗っ取られた人とか闇金ウシジマくんに出てくるような尋常じゃない怖さの人だったら・・・
車だけでなく最悪の事態の妄想までも迫ってくるのだから、その恐怖たるや半端ない。
2車線以上の道路だったらまだしも、1車線しかない道路で遠くの後続車が迫ってきてめっちゃ車間距離を詰めようものなら、あおり運転?よくテレビで見るやつ?鉄パイプのやつ?ゴンゴンされんの?と妄想してしまい、あまりの恐怖に路肩に車を停めて先に行ってもらうこともしばしば。
それくらい追われるのは苦手。
”追われる” 恐怖といえば、物理的なものだけでなく締切も苦手。
もともと、夏休みの宿題も論文も期限が過ぎてから提出する派だったくらい、追われないとやらないタイプではあるが、仕事はさすがそういう訳にはいかないので期限を守るようにしている。
なまじ、期限を最優先事項としているだけに、締切間近になると迫りくる焦燥感と期限が守れなかったことでクリリンを殺されたときの悟空くらい怒っているクライアントさまを思い浮かべては、やはり早まる鼓動。
恋愛なら追われるのもいいんじゃない?と思うところもあるにはあるが、追ってくる女性がみんな今田美桜とは限らない。雪女ならまだしも結婚詐欺師とか美人局とか後で酷い目に会うのでは?と思ってしまう。
そもそも、追われることがあまりないが・・・
車も締切も恋愛もそこまで気にすることはないはずなのに、いらぬ妄想のせいで凄くネガティブになってしまう。これは、私がちょいとそこらの小心者ではなく一流の小心者の証ではなかろうか。
大物であれば、妄想なんぞせずにドンと構えているはず。いらぬ妄想をしてしまうゆえに恐怖が増すのであり、それをやってしまうのが小心者の宿命というものだろう。
もっとも、追ってくるものはトラブルとか義務とか望まぬものが多い。それに対して、追うものは夢だったり希望だったりとポジティブなもの多いので、いらぬ妄想も仕方のないことかもしれない。
ならば、小心者は追われるより追うことに力を入れて人生を楽しむのがよさそうだ。とりあえず、これからも怖い車が来たら道を譲って先に行ってもらい、その車を追いかけるようにしよう。
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