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2023年のよかったものたち(展覧会編)

もう2024年なんですけど、備忘録も兼ねて2023年に見た展示をつらつら話していきます。よかったらお正月の暇つぶしにでも読んでみてください。


MIND TRAIL 奥大和

さて、今年はいつにも増して細々ではあるが展示をよく見た年でした。
その中でも印象深かったのは「MIND TRAIL 奥大和」という芸術祭でした。

お知らせを見たときにメンツの良さに惹かれて、その中でもコンタクトゴンゾややんツーが参加している下北山村エリアに行くことに。ただ、調べてみたら公共交通機関だと一日一往復しか利用できるものがないらしく、芸術祭としてはかなり試されてる感があったのが正直なところでもある。せっかくの良い展示だから、もう少しアクセスを一時的にも補填できたらよかったのかも…。
これに関しては下北山村までたどり着けたという達成感がでかすぎるというのもありますが、コンタクトゴンゾのワークがとても良かったので、これ見れて良かった〜という感慨があった。その他の展示も興味深くて、日帰りでやや駆け足で見てしまうのが少しもったいなくも感じた。
この芸術祭については今回初めて行ったけど、企画や展示の見せ方がすごく良かったので、次回もぜひ見てみたい。


AMBIENT KYOTO

私が挙げるほどでもなく評価されてはいますが…こちらも。
昨年のブライアン・イーノの展示が結構面白かったのと、今年は展示がボリュームアップして坂本龍一が見どころと聞いて行ってみることに。

坂本龍一+高谷史郎は言うまでもなく最高でした。最高が約束されているようなもんとは思っていたけど、いざ作品を見るとその凄さに言葉が出なくなっちゃった…。坂本さんは残念ながら展示を前に逝去されてしまったけれども、彼の音楽を形にしてくれた高谷史郎さんも凄くて、とにかく凄いしか言えない。このような形で見る人々に多大な影響を与えることができるなんて、芸術はほんとに素晴らしいと思った。終わりを告げるかのような作品を前にしながら、私は残りの人生でどれだけのことができるのだろうかなどと急に壮大なことを考えていた。
ちなみに個人的ツボは旧京都信金会場のラウンジに置かれていた、おりんを使った音が鳴るプロダクトなんやけど、どうやら販売しているものの、私にはあまりに高額で泣く泣く諦めた。富豪になりたい。

レコードプレーヤーのような機械の上で鳴るおりん


民藝

こちらはまた違った様相にはなりますが(趣向の方向性としては似てるのかも?)、はじめに東京で展示されていたときに塩谷舞さんが展評を述べておられたのを読んで見てみたいなと思っていたので、大阪巡回時に満を持して行ってみた。

今の仕事で伝統工芸について知る機会があるので、最近特に興味を持っていたというのもあるけど、職人さんたちの手仕事が時代を超えて一堂に介するというのもあり、とても見ごたえのある展示だった。
改めて見ると細かなあしらいなどがとてもおしゃれで、普通に家にほしいくらいのものもあった。

なんならここに住みたい

あとシンプルにこういった日用品たちがこの時代まで残されているというのもすごいなーと感心した。展示されてる映像では伝統工芸の後継者不足などにもふれていて、やはり現実的に今の時代も続けていくというのはなかなか難しいところがあると思うが、こういった素晴らしいものたちは無くならないで後世にも残されていってほしいなとぼんやり思った。


万博と仏教

話の流れでこちらもあわせて。
大阪府民として、やはり気になってしまうのが大阪万博の動向で。そんななかでたまたま見かけたこちらのレビューがとても興味深かったので展示にも行ってきた。

大阪出身で現在も大阪にいるにも関わらず、この史料館の存在を今回の展示で初めて知った。どうやらこの展示室は移転に伴って新しく出来たらしい。
展示は予想していたよりもずっとボリュームがあって、万博の歴史とともに仏教についても紐解いている構成となっており、丁寧な解説が添えられていたので知識がなくても十分に楽しめる内容となっていた。
こんないいところがあったなんて…また行きます…。


大阪関西国際芸術祭

最後は直近ながら心打たれたこの展示を。と言いつつも先に述べたように万博にはいろいろ思うところがあるのでこの芸術祭についてもあまり手放しに褒めづらいところはあるのが正直なところ。
私はchim↑pomと会田誠が参加されている船場エクセルビルの展示へ。

chim↑pomについてももう私が述べるようなことはそんなになく。とにかく彼らの芸術を通して何かをやり遂げようという強い意思が展示空間からめちゃくちゃ伝わってきて、一目見て「これが見たかったんだなあ」と妙に納得してしまった。
森美術館で回顧展を行われたときのドキュメンタリー映像については、映像の編集もとても秀逸で、長時間にもかかわらず見入ってしまうものがあった。

今年最後に見た展示なのもあってか、どことなく一年(chim↑pomの展示の場合は回顧展の総括だけど)を総括しているようにも思えて感慨深くなった。


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