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頑張れオリンパス、懐かしのE-10

先日購入したこの化石ともいえるカメラ、色々イジってA3まで伸ばしてみたりしたのでレビューでも書いておく。

おそらくこのカメラを今からメインとして探す人はほぼいないだろうけど、今の時代カメラが進化しすぎて写らないことに意味を見出す人もいるのではと思うわけだ。

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レビューって今のカメラでも結構あるけど、プリントを前提にしたレビューがほとんどないので結局買わないと分からないのがデジカメの痛いところだ。

2000年10月発売、個人的にはもっとも銀塩ライクなデジカメだと思う。アクロス信者だったあの頃を思い出させてくれる銘機なのです。

簡単にスペックを紹介しますと、400万画素原色2/3CCD、35フィルム換算35-140.F2.0-2.4、EOS RTのようにハーフミラーを搭載したレンズシャッターとまぁそんなところ。CF/SMと書いたボタンがあってなにかと思ったらCFとスマートメディアのダブルスロットなのだ。SMは流石に使わないが、カード間の書き込みなどもできてこっている。2GのCFをさしてエネループを使うのが今流というわけで、だいたい400ショットは撮れる。外観は人それぞれだとは思いますが、自分はそのフォルムにほれて買ったので120点ですね。近未来的だけど同社のIZMのような陳腐さは感じない、さすがでございます。

・ファインダー
一眼レフとなのるからにはファインダーの性能が一番重要。Mスクリーンのα9とはいかないが、今のAPS-C機よりは見やすいように思う。視野率95とのことでピンの山もつかみやすい。ただハーフミラーなので若干暗いのと、ファインダー像自体に歪みがあるのが気になるところではある。時代を考えれば仕方ないが、ハイパーインポーズがなく合掌マークで確認しないといけないのが面倒。ただAFの性能がすこぶるいいので基本押せばちゃんとあっている。ハーフミラーのおかげでほとんど音がしない。

・AF
パッシブ、アクティブのデュアルで全体の操作は遅いのにここだけはかなり俊敏。ちなみに合掌してからのズーミングはピンズレしてしまうのでできない様子。背面モニターでピント合わせもできますが、望遠域ならともかく広角域では見ていても判断できない。まぁモニターはないものと思うべしなカメラなのでいいのです。おまけがついていてやったぁと思うのがコツですね。

・操作
個人的には非常にいいと思う。変にモニターの階層深くにおかずボタンにしているのがいい。機能的な話しだろうが、ミノルタDimageA1をシンプルにした感じ。この二台並べると結構似ているんですよ。中古で買う場合、グリップ部のべたつきを見た方がいいと思います(器用な人ならすぐ張り替えですますが)。CFで書き込んでいますが、まーとろいこと。DP1が高速カメラに思えます。再生は4秒くらいでDP1と同じなのですが、次の画像をみようものならまた同じ時間またされます。拡大機能もあるのですが、無論日が暮れます。自分は余程でない限り再生しないことにしました。グッバイモニター。これが銀塩デジカメたる所以なのです。ちなみペグでもRAWでもあまり変わらないです。

・画質
結構使えます。ただ最初に言っておきますが、このデカさと重量を考えるとバランスは取れていません。所詮は2/3CCDセンサーなのですが、画質は正比例しないのが面白いところで結構立体感のある絵が撮れます。解像度は低いのに写っているというフィルムに似た感じですね。

ちなみにこのカメラの感度は80.160.320までしかなく、画質の劣化を考えると80固定ですね。ただレンズがとても明るいのでこれで夜でも撮れちゃいます。記録モードはTiffもありますが、RAWで撮った方がいいでしょう。A3サイズで10枚ほどプリントしましたが、ISO80でもjpegだとノイズがでるのですが、RAWだと嫌なカラーノイズはでません。もちろんノイズレスというわけではありませんが、程よいノイズが立体感を出しているように思えますね。プリントする場合、少々補間したほうがいいかなと思います。幸いデータが結構粘ってくれるので処理しやすいです。意地悪な言い方すれば、ちゃんと処理すれば今のデジイチくらい綺麗に撮れるといったところでしょうか。

昔のデジカメだからとモノクロ専用におもっていたのですが、カラーがかなり忠実にでます。色再現もよく、オリンパスブルーというかコダックブルーも綺麗なものです。GRDのカラーがひどいことを考えると感心ものです。

とまぁ使ってみてこんな印象ですね。こんな重くて大きいカメラで撮った割にはと考えたらなにもかも水の泡ですが、手動のズームなど撮影はしやすいしちゃんとしたデータも得られます。適材適所につかってやれば今でも使えるカメラですね。キスデジとキットレンズの方が何倍もラクで綺麗ですけど、たまにはこういうカメラで息抜きするのもいいかもしれません。息抜きだけどちゃんとした画質を吐き出してくれる面白いカメラです。

とはいえ20年前にヨドバシカメラで最新のデジタルカメラとして鎮座していたときは、まだまだ銀塩の時代の中で異彩を放っていたのを思い出します。


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