ユキノシタ(虎耳草)の思いで

ユキノシタ、生薬名は虎耳草(こじそう)民家の庭先などでたまに見かけることがあると思います。元々は山野草で、半日陰の湿った岩場などに生息しているそうです。

ふわっと毛が生えているユキノシタの葉は深い緑色で、葉脈にそって白い筋が入っています。ちょうど今頃の季節に小さな白い花を咲かせます。葉の形や模様が虎の耳に似ていることから虎耳草の名前が付いたとか・・・別名がいくつかあるようです。

私はユキノシタを見つけると、祖母の家が頭に浮かび、祖母との思いでがよみがえるのです。

母方の祖母は私が成人する前に亡くなってしまったのですが、とてもかわいがってもらいました。思い出は沢山あるのですが、今でも鮮明に思い出すのがユキノシタの思い出なのです。

ある日、幼い私は祖母の家を尋ねたときに体調を崩して熱を出してしまいました。私の発熱に気がついた祖母は勝手口から庭に出て、ユキノシタの葉を何枚か採ってきました。

するとそれを絞って、いわゆる青汁をつくって私に飲むように勧めてきたのです。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、ユキノシタの葉の絞り汁は青臭く、氷を入れて水で薄めてありましたが5、6歳の子供が飲める様な物ではありませんでした。

私がひとな舐めして拒絶すると、何やら祖母と母が相談して砂糖を入れたユキノシタ汁を持ってきたのです。

ええっ?!砂糖を入れてもまずいんじゃない・・・

と、子供の私は思ったのですが、直ぐに病院へ行ける状況でもなかったので、ドキドキしながら、興味津々でそれを飲んだ記憶があります。

ユキノシタのお陰なのか、大事には至らず、翌日は元気に学校へ行くことが出来ました。

その味は数十年経った今でも、私の脳が覚えていて思い出すと舌にその味がよみがえります。味の記憶は香りの記憶と同じくらい、強く深く残るのですね。似たような味のものを口にしたときには、ユキノシタを思い出してしまうのです。

ユキノシタは民間薬としては有名で、子供の怪我や病気などに使われてきたました。今のように直ぐに病院にかかることができなかった昔は、多くの家の庭で見ることが出来ました。

昔の人は身近な植物で病気や怪我を治してきたんだ!!!

幼い私はそんな感動から植物に興味を持ち始めました。植物以外にも石や土にも興味があり、今思うと風変わりな小学生でした。

大人になって、まったく植物にかかわることのない仕事に就きましたが、体調を崩したことがきっかけで、再び植物に助けを求め、アロマやハーブなどの植物療法に関心をもつようになりました。

そして今、ハーブボールに出会い、ますます植物の秘められた力に興味が沸いています。私のサロンでは、その素晴らしさを多くの方に体感していただきたいと思っています。

ところで、今回ユキノシタの写真を載せようと、いろいろ見て歩いたのですが、残念ながらまったく見つかりませんでした。ですので今回の写真は公開されているお写真を使わせていただきました。

もしもユキノシタを見つけて写真に収めることが出来たら、こちらに掲載しますね。

見つけた!!!

ユキノシタ


いただきましたサポートはセラピストとしての知識、及び技術の向上に使わせていただきます!ありがとうございます。