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neritakanaction
2019年2月4日 00:07
#詩 #ポエム 進むことを拒絶する鉄色の平行線頼るはずなかったのにスマホを握りしめる右手およそ似つかわしくないカラフルなコンビニで行くあてのない恵方巻きが 束になってこちらに存在を訴えかけるそんなことを望んだんじゃない歯抜けのバスの時刻表の前で垂れ下がったリュックがそう囁いた一瞬目を閉じるとさっきの箱の住人の白いビニール袋が 巣穴から顔を出して僕の郷愁に一本だけ割
2019年2月3日 11:55
#ポエム #詩 澄んだ空気を求め枯れ木たちが青空に根を張る冬の太陽は背中をじんわりと暖める煙草に火をつけようとしてベンチに置いたカバンの中に戻すだって枯れ木に失礼じゃないか
2018年3月19日 23:50
#ポエム #詩 #卒業 春を告げる白木蓮の花が皆を祝福するかのように真っ白な花弁を天に向ける 永遠に続くのかと思っていた友との何気ない日常 気がつけば別々の道へまだ知らない未来を互いに想像してちょっとだけ淋しくなる この駅でいったんお別れだね次会うときはどんな顔してるかなその日までどうか元気で
2018年3月18日 21:51
#ポエム #詩 #育児 上手になったなぁ感慨深くふたつの背中を見つめる ふと先週の練習風景に想いを馳せる肩肘の張ったふたつの操り人形たちは重たい鉄のヘルメットを被っているがごとく右へ左へせわしなくハンドルを揺らす ところがどうだろう今はふたり並んで笑顔で風を切っている君たちの補助輪はもはや取り返す必要のない忘れ物だ 父は応援するぞいつか人生の補助輪を自らの手で外
2018年3月15日 12:44
#ポエム #詩 いつも同じ場所で待っているいつ逢えるのかもはっきりとわからない 不意に身が軽くなるのを感じるあの人の身体綺麗に磨かれた真っ黒な革靴その狭間にわたしはそっと身を割りこませる ほんの一瞬かもしれないけど一枚の布越しに伝わるあなたのぬくもりと窮屈さゆえに全身を貫く安堵感 そして満足げに思い切り深呼吸をするの「でもやっぱクサっ!」
2018年3月1日 19:37
#詩 #ポエム #朝 建ち並ぶ公団住宅の上半分が赤みがかった金色に照らし出されている一羽のカラスが裏側の冷たい影に溶け込み何らかの自己主張を一帯に反響させている 青いポリバケツに止まるその使者に道行く女性がふと冷たい一瞥を投げているバケツの中は彼が求める何かが存在するのかそれとも空虚で満ちているだけなのか答えも出ないまま駅へ向かう流れに交わる一点に収束する各人のひとときの
2018年2月19日 23:17
#ポエム #詩 花は静謐さを周囲にたずさえたまま微かなまどろみを見せた 蜂は放たれる甘美な芳香に怯んだ私は迎えられている? それとも捉えられる運命にある? ひとすじの風によりわずかにずらされるふたつの重心煌めきをまといながら舞う金色の微粒子白日の下に展開する宇宙 その刹那DNAの塩基配列が記憶する抗えない高揚が彼の脳幹に何かを囁いた そもそも一介の虫に
2018年2月10日 22:22
#ポエム #詩 固まってゆく思考こびりついた先入観 回す回す甘い香りとともにミルが砕く迫り来るストレスちっぽけなこだわり回る回るドリッパーに注がれ消えてゆくそして透きとおった琥珀色が僕に清明と平穏をもたらす
2018年2月9日 07:53
#ポエム #詩 みんななで肩になった全ての服がナイロンになった あらゆる荷物が床にすべり落ちた全員新しく生まれ変わった
2018年2月8日 07:03
#ポエム #詩 何気ないことで笑ったその人が傷ついた 何気ないことで傷ついたあの人が笑ってた 楽しいことで笑ったみんなも笑ってる 悲しいことで傷ついたみんながいたわってくれた
2018年2月6日 07:41
#ポエム #詩 漆黒の帰り道自身の顔を照らし出す3インチの液晶画面 スマートフォンの向こう側にいるあの人は何をしてるんだろう心が繋がっているのか、幾ばくの対価がもたらす互恵関係のふたりなのか誰がその関係を決める彼女かもしれないでも最後は自らの知覚が認識するのだだから同じ時間を共有するひと時、心から存在を愛するんだ心にしっかりと寄り添いたいんだ満月はそれが人生だよと微笑ん
2018年2月5日 22:34
#ポエム #詩 メロディがこだまするホームまで一段飛ばしで駆け降りた。水蒸気をなびかせながらいつもの満員電車に滑り込んだ。 無人の内階段を一段飛ばしで急いだ。動悸を悟られないよう何食わぬ顔をして会議室のドアを開けた。 沈黙のエスカレーターを一段飛ばしですり抜けた。これといってデパートに用が無かった自分に気づいた 展望台へ続く道を一段飛ばしで駆け登った。海原に沈みゆく真っ