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一段飛ばし

#ポエム #詩

メロディがこだまするホームまで一段飛ばしで駆け降りた。
水蒸気をなびかせながらいつもの満員電車に滑り込んだ。

無人の内階段を一段飛ばしで急いだ。
動悸を悟られないよう何食わぬ顔をして会議室のドアを開けた。

沈黙のエスカレーターを一段飛ばしですり抜けた。
これといってデパートに用が無かった自分に気づいた

展望台へ続く道を一段飛ばしで駆け登った。
海原に沈みゆく真っ赤な線香花火をつかまえて思わず笑みがこぼれた。

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