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『あるかしら書店』

やふぅー٩( 'ω' )و
今回は、本棚の1冊を紹介します。

ヨシタケシンスケ著 『あるかしら書店』 (ポプラ社 、2017)

この本は2つの理由から、とても個人的に特別だ。

第一に、この本は、私が初めて読んだヨシタケシンスケさんの作品だということ。
第二に、これがプレゼントされた本だということだ。

私はこの本をもらうまで、家族や親戚以外から本をもらったことがなかったので、めちゃくちゃ驚いたし嬉しかった。
しかも好みが的確過ぎて、これを読んでからヨシタケシンスケさんの作品を読むようになった。

この本の最初の印象は、おもちゃ箱みたいな本だなって感じだったと思う。

何が飛び出すのか分からない、そういうお客さんの抽象的な問いに対して、
店員さんが毎回、何冊か本を持って来て紹介してくれる。
お客さんが持って来る抽象的な問いも面白いが、
書店員さんの具体的な答え方も面白い。
問いも答えも、その発想おもしろ!!ってなる。
遊び心満載で、そんなこと考えたこともなかったー!!な斬新さが面白い。

ざっくり内容

小さな書店に、お客さんが「○○な本ってあるかしら?」ときく。
最初から驚かされる。

…あの、スミマセン。なんか『ちょっとめずらしい本』って…
あるかしら…?

ヨシタケシンスケ著 『あるかしら書店』 (ポプラ社 、2017)、6頁。

すぐに「ありますよ」と答える店員さん。
何冊か持って来て、それぞれ本の持つ特徴をお客さんに説明。

このお客さんを含めて、本書では7人のお客さんが来る。
これらは目次でもある。

ちょっとめずらしい本
本にまつわる道具
本にまつわる仕事
本にまつわるイベント
本にまつわる名所
本そのものについて
図書館・書店について

店員さんが紹介している本で、個人的に面白いものを紹介する。

ちょっとめずらしい本

『月光本』
月明かりのみに反応する特殊インク。
月の光加減で、読めたり読めなかったり。

本にまつわる仕事

『本の包み方』
ご自宅用ですか?プレゼントにされますか?のみならず。
バナナの葉で包まれるのもありだそうで。

本にまつわるイベント

『想像のリレー』
最後に古本屋に売りに行くのがなぁ(・ω・`)

『世界一周の旅』
これは、めちゃくちゃ笑う。
世界を回りながら、読書をする。
人は”〜ながら”が、実は出来ないってね。

本にまつわる名所

『水中図書館』
本好きの、大金持ちが晩年くぼんだ土地に図書館を建てた。
どういう意図かは知らないけれど、水が溜まり始めて過去の本は
読めなくなってしまっている。
1番高い所に、彼は何を置いたんだろうね?

本そのものについて

『ゆっくりめくる本』
発見された本は、特殊なインクが使われていて、すぐにやぶれてしまうからページがめくれない。
1年に1ページずつ。
書かれている内容は、未来のことが書かれているらしい。
早くページがめくれるように、技術発展が望まれる。
ページめくり作業は、非常にストレスがたまるので5年が限度。

図書館・書店について

『ラブリーラブリーライブラリー』その4
現在と過去と、もしかしたら未来が出会う場所。
あ、確かかにそうだ。
歴史の本なんか分かりやすい。
すごい!!図書館内(書店)では、時間が混在するんだ!!!!

まとめ

実際、こんな質問をされたら「はぁ?(OvO)」てなりそう。
だけど店員さんは、持って来てくれる。
これはどう?これは、こういう本で…
最後に来たお客さんに、それはないですねって答えるの良すぎる。

色んなことを想像する楽しさがある。
それと同時に実際、有限的なこの現実世界を突きつけられて
皮肉さに笑うこともあったり。


もし、こんなお店があったら行ってみたいし、きいてみたい。
「対話出来る本はあるかしら?」

これは完全に私の妄想。
「筆者ですけど、筆者の気持ちわかりませんでした」的なのが
以前あった気がする。

作家の理論も聞いてみたいけど、”本”はどう思っているのか。
作家が物語を書いて、書店や図書館に並び、個人の手に渡る。
そして読み終わった時には、それぞれの解釈があるだろう。
そんな時、文字や言葉はどう思うのか。
「いやぁー、自分たち(文字や言葉)並んでるだけなんでわかんないっす」って言われるかも。
「作家の頭の中の思いを書かれたと思われがちですけど、こっちにも考えがあるんですよ」なんて、本が語り出したら面白いんじゃないか?

読者と本。
「対話出来る本はあるかしら?」




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