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『もしも家にペンギンが来たら…』

やふぅー٩( 'ω' )و
今回は、読んだ本の感想を書きます。

上田 一生監修 『もしも家にペンギンが来たら…』 (主婦の友社、2023)


表紙にしっかりと書かれている「クセつよめペンギン図鑑」。
試し読みしてから、即購入。

全ページ、オールカラー。
もし家の中にペンギンがいたら、するかもしれない行動が両開きページでドーンと描かれている。
その次に、両開きでペンギンの行動と生態について、監修者である上田先生の説明が記載されている。




ペンギンの魅力

魚は丸ごとのみこみます!

ペンギンの流食事法は、頭から魚をのみこむ。
くちばしで魚を咥えても、頭から飲み込めるように魚を咥え直す。
ちぎって食べることはないので、自分が丸呑み出来る魚しか食さない。
食事量は、1日に体重の10%ほどだとか。

年をとったペンギンには、飼育員が刺身などを与えているそうだ。


ペンギンも肺の病気にかかるんだよ!

アスペルギルス菌(カビの一種)が引き起こす、「鳥アスペルギルス症」が厄介な病気。
肺や気嚢が炎症を起こし、ひどい時には命に関わるもの。
ペンギンの気嚢は大きいから、菌が増殖しやすいのだとか。

1900年代、南極から様々な国にペンギンが連れてこられた際、
この「鳥アスペルギルス症」のために、多くのペンギンが犠牲になった。

1945年、上野動物園にコウテイペンギンがやってきた時、
「鳥アスペルギルス症」対策に、画期的な治療法が生み出された。

水虫の薬を水に溶かして、噴霧器で霧状にし、ペンギンに吸入させる方法だ。
これにより、世界で初めて、コウテイペンギンを長期で飼育するつことが可能となったそうだ。
現代は血液検査やCTなどで、ペンギンの病気を早く見つけられるように工夫がされている。


ペンギンは潜水が大得意!

ペンギンは素潜りが得意。
コウテイペンギンが、27分36秒潜っていた記録がある。
また、628mの深さまで潜った記録もある。

コウテイペンギン 平均18分
オウサマペンギン 平均9分
中型のペンギン  平均3〜6分
小型のペンギン  平均1分ほど

深さの平均は、10〜100m
コウテイペンギンでは、200m以上

ペンギンは、体内に酸素を蓄える特別な能力を持っている。
血液にはヘモグロビン、筋肉にはミオグロビンという酸素に結びつく成分があり、ペンギンはこの成分がとても多い。
小さな酸素タンクが、全身に無数にある状態とも言えるのだとか。

水中にいる時には心臓の動きが遅くなり、
使っていない器官に送る血液の量も減少する。
これは、酸素の節約を行なっていると考えられている。


じつはかなりの筋肉質です!

ペンギンの骨は、鳥類の中で1番骨密度が高くて頑丈だ。
100m以上の潜水に耐えられるよう、内臓が水圧でつぶされないために、この骨がしっかりと守ってくれているのだ。

骨の役割で、大事なヘモグロビンの生成。
ヘモグロビンは酸素と結びつく成分で血液の中の赤血球にあり、
骨髄でつくられる。
ペンギンは空を飛ばないので、骨を軽くする必要がない。
そのため骨髄が多く、ヘモグロビンを大量につくることが出来る。
ヘモグロビンが多ければ、全身に酸素がみなぎり、活発に動くことが可能となり、海に潜る時には酸素をたくさん持っていくことが出来る。

寒さや絶食に耐えるために脂肪の量も多いが、換羽の時期などに絶食をすると脂肪は使い果たされてしまう。
しかし、骨と筋肉が衰えることはない。


ペンギンは自由恋愛主義なのです!

ペンギンには、同性のペア(オスとオス、メスとメス)がいる。

同性のペアが多い理由には、メスの好みに理由があるそうだ。

メスは、からだが大きくて、低い声で鳴くオスを気にいることが多い。
からだが大きければ筋肉量が多く、力が強ければ魚をたくさんとって、
敵を追い払ってくれるからだとか。

低い声で鳴くのは、肺活量の多い証拠だ。
海に長く潜り、たくさん魚をとることが出来る。
自分よりも大きくて、声が低い相手なら、同性であっても好きになる。

オスの場合は、メスに相手にされなかったオスが、ペアを作る練習のためにオス同士で付き合うこともあるのだとか。

同性のペアは、他の動物にも発見されていることであり、それほど珍しくないとか。

そういうわけで(?)ペンギンの中には、自分よりも大きくて声の低い、飼育員に恋するペンギンもいるのだとか。


感想

今回面白いと思い、紹介したこと以外にもペンギンの生態について、
本書では様々な説明が分かりやすくされている。

それにしても、ペンギンって進化していく中で、かなり優れた生態なのではないかと思えてきた。
飛べない鳥と聞いてきたけど、潜水出来る時間を知ったら、飛べないから何だ?!と思う。

寒さ対策や、泳ぎに特化した生態。
でも、ちょっと残念なところも確かにある。

同性のペアについては、生存本能のかたまりのようだと思わせる。


鳴き声を聞いてみたい。
近所迷惑なレベルの、グヮー!!って思い切り鳴いている声はどんな感じなんだろう。
知れば知るほど、ペンギンが好きになる。


おすすめです。

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