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Stable Diffusionが描く、呪文で美術館が作れる時代

マシーンが呪文で絵を描く

気がついたらそんな時代を生きていたことに、今更気づいた

ニュースでチラリと聞いていたけれど、実際使ってみて初めて、とんでもないことが起こっていることに気づいたなんて、冒頭から無意味に気づいたを3回も連発してしまうほど、わたしは今モーレツに感動している。


AIクリエイター集団のエモさに震える

トップ画は、Stable Diffusion2が描いた、えびふらいのしっぽである。オリジナルに敬意を表し、敢えて既存のキャラクターと結びつけないように指示した。純粋に、物質としての「エビフライの尻尾」のAI的解釈による、イラストレーションである。


なに、このなつかしさ。しかし、髪型はあたらしい。

そしてこちらは、Chat-GPTに詠わせた俳句をDeepL先生に渡して英訳してもらい、Stable Diffusion1にパステル調で映像化してもらったものに、Stable Diffusion2で別生成した女の子の画像を並べたもの。

よりによって十年ぶりの寒さの今日、この詩を読む?天才か!
DeepL先生の鮮やかな翻訳さばきよ

何これ、絵本の1ページか?ちょっとあなた、即日詩集出せるよ!


キャンバスに拡大して描きたい衝動に駆られる

同じプロンプトで生成された別画像も、作品のオーラが漂う。デフォルメされているのにどこか不気味の谷的な違和感があるのが、逆に惹かれた。
 

さいしょからネジがはずれている世界

生成しながら思ったのは、個人性を超越した表現ができる、天才感を、機械生成の画像が醸し出していることである。

天才が「非人間的」であることを考えれば、それもそうかと納得するものの、ハッとするようなビジュアルが分単位で生成されていくスピード感は圧倒的だ。

Goma-chanと呼ばれるナニカ(ゴマフアザラシと指定したはず)

子どものお気に入りの動物をキャラ化しようとしているだけなのに、鑑賞欲が満たされすぎて、なんか美術館を生成している気分になってしまう。

残されたとんかつの狂気

「これ、何号キャンバスの作品ですか?」普通に聞きそうである。

尻尾だけのエビフライに顔つけるとか怖すぎる

リクエストに応えてアニメ調にしたら、「こんなすみっコぐらしは嫌だ」的な物が生成されてしまったけど、現代アートコレクターが持ってても違和感ない。

間違え方が突き抜けてる

なんだろう、アートって、作るとき感情はない方がいいのかもしれない。
 

基本設定がメンズテイストの抽象画

キャラ作りにお腹いっぱいになったので、今度は抽象画にシフト。まるで、別の美術館に瞬間移動するような軽やかさで趣向を変えてみる。

自分のIDであるneotenylabを抽象画にしてもらった

抽象画指定すると、画像なんでもいい記事のトップ画に使えそうな絵がガンガン上がってきた。

なにこれ、かっこい

ただ、指定しないと基本的に、男性的な、どこか強い絵になるのが不思議だ。
 

なんとプロンプトに書いたか、もはや思い出せない仕上がり

同じプロンプトでもStable Diffusionのバージョンによって仕上がりは変わるし、生成し比べているうちに、どこかレンズメーカーごとの違いのような個性も感じられた。

この辺り、立ち入ったら二度と出て来られない沼な気がしたので、そっと手を止めたけど。

 

パトロン気分で自画像を生成依頼してみる

「間違った呪文などないのだ」と、あらたな格言が頭をよぎるほど、インスピレーションを刺激し続ける画像生成AI。

夫のデータで生成した結果

いっそ、自画像を描いてもらったらどうだろう?

と、好奇心から単身赴任中の夫を生成すると、写真のパーツをフォトショでブラシ化して描いたような、不思議な世界が広がった。単身赴任、楽しそう。

人間のわたしも写真を筆にして絵を描きたくなってきたよ…!

AIが刺激する創作意欲。仕事は奪うかもしれないけど、AIがあっても人のクリエイティビティは失われないように感じた。

AIに自画像を描いてもらった結果

AI的には42歳って総白髪なの? 手がもう一本生えてくるお年頃なの?

さて、そろそろ自分の肖像も描いてもらおう。

42歳の美しい服を着たメガネをかけた日本人女性という基本データに、ギリギリの個人情報を渡してみる。

世界水準の、怪しさ満点の日本テイストが滲む。桜咲かせて、着物着せておけばいい的な雑さと、日の丸構図が心地いい。

第三の手が持っている謎のサムシングなど、見ていて飽きない肖像画に仕上がった。
 

AI生成もトライアンドエラーが必要

呪文が描く、機械仕掛けの絵。

実はなんだかんだ言って、試行錯誤が必要だった。

Stable Diffusion 2.1 Demoで生成したら、Stable Diffusion 2の方がよかったと言われた

日の目を見ることなく生成されただけで終わった画像が、たくさんある。


一番マシと思われる右上キャラのボーゼン感が物語る、
世界一キュートなキャラ決定戦(該当者なし)

AIには多分、美意識なんてものはない。だからこそ突き抜けたイメージを生成するけど、繰り返し画像を生成していると、この画像の海に飲まれない、人間側の美意識の強さが必要だと思った。

尻尾だけのエビフライは怖い。パセリつけたって、怖いから!
典型的な日本の犬は、人間なのですか?それともあなたはMr.アメリカ? 右上の2匹に問いたい

 

美意識の境界線を描けるのは、人間だけ

画像生成AIは、果てしなく遊べるおもちゃだ。

ゆえに生成自体が問題になると思われる画像が既にたくさんネット上で拡散されており、源泉となる画像生成のデータベースそのものを脅かしている。

コピーのコピーに未来はないし、好みの絵師の画像の類似品を量産し、AI生成であることを伏せて作品として画像サイトに投稿することも、問題でないはずがない。

つまりは使い方次第。どんな力もいつだって、諸刃の剣なのだ。


Stable Diffusion 1 Demoによる、諸刃の剣。でかいな。

力はもはや、身につけるのが難しいんじゃない。難しいのは、やれるけどいかにやらないか

法整備を当てにせず、これはアリ、でもこれ以上はアウトと、自分なりの美醜を分ける境界線をいかに描けるか。

怯えるでも、踊るでもなく、自分に問う。

著作権のあるソースもあるかもしれない著作権のないAI生成画像を使った表現は果たして、クリエイターを著作権(売れる欲望)から解放し、別の価値を手に入れるのか?それとも単に失うのか?

いや、全く分かりませんけど。着地点がもはや見えなくなったんで、オチをつけようと思っただけです、すみません。

とりあえず、腕組んどきますね。

肖像画パターン2:職業にカメラマンとライターいれたらこうなった。彩度の低さと腕組み。 風刺効いてるのいいけど、やっぱり腕3本なのなんで??


※ Stable Diffusionのバージョンごとの個性についての記事はこちら↓

※2024年、GPT-4を問い詰めまくって書いた10000字越えのまとめはこちら↓

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ゆっか
自分の書く文章をきっかけに、あらゆる物や事と交換できる道具が動くのって、なんでこんなに感動するのだろう。その数字より、そのこと自体に、心が震えます。