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ねお
2019年6月28日 23:11
「どうぞ…何にもないけど…」「おっ邪魔っしま~す♪…」階段を上って奥から2番目のドア、初めて入る彼の部屋は、あの独特な真新しい匂いで彼女を迎えた。玄関には、仕事用の革靴とプライベート用のスニーカーが一組ずつ。どちらも見覚えがある。間違いなく、彼のもの。左手には、ピカピカだが料理するにはちょっと狭いキッチン。その奥には洗濯機。その向かい側には浴室、手前がトイレ。正面奥のドアを潜り抜
2019年6月18日 00:01
何となく気怠い…しかしそれさえも心地よい目覚め。ベランダから聴こえてくる小鳥達の囀り。それと…猛スピードで国道を走り去る車両の群れ。その身体と記憶に残る彼との余韻をベッドの中で─もう少し…楽しみたかったのに…─隣にスヤスヤと眠る彼の存在を確かめ、未明の出来事が夢ではなかったことを改めて実感する。─このまま寝かせといてあげよっ…─そっと腕を伸ばして枕元に置いた携帯を手に取ると「起き
2019年6月10日 17:01
いつものように…それはキスから始まる。彼女の部屋、彼女のベッドの上で、カレの唇が頬から耳元へと移動する。そして、首筋に触れた瞬間、彼女は背を向けた。それは、─背中にもして─欲しいから。カレの唇はその白肌のリンクを自由に翔け廻り、…ビクッ…と一瞬彼女の身体が反応する箇所を見付けては、音を立てて吸引し、反応が収まってくるとまた別の場所を探して移動する…を繰り返した。まるで筋肉や臓器