魂の番人

どうもこんにちは

今日もリライト。


NHK・BS1で放送された『CHAYA 魂の番人』という番組を見ましたか?

NYに拠点を置く黒人舞踊団である
Alvin Ailey American Dance Theaterにおいてダンサーとして活躍した後、副芸術監督として舞踊団の創設者であるAlvinAileyの意思を受け継ぎ
その意思を若い世代のダンサーに伝えてきた「茶谷正純」という一人の日本人を追ったドキュメント番組です

彼のダンサーとしての技量などのテクニカルな部分は、私は知る由もありませんが、創設者のAlvin Aileyがアフリカ系アメリカ人の文化の尊重と表現の場を守るためにと設立した舞踊団において、なぜアジア人である彼がAlvinAileyから信頼され長く唯一のアジア人として活躍し、そしてその創設者の意思を受け継ぐものとして副芸術監督として作品の創作に携わり続けることになったのか
その理由が若いダンサーや後継の指導者たちから慕われ愛されている様子などから垣間見える番組でした
昨今の押し付けがましい「クールジャパン」の風潮によって日本人である彼を讃えているわけではありません

番組内で、彼に対して舞踊団からの「芸術監督をやって欲しい」という依頼を「黒人舞踊団のトップには黒人が立つべき」としてそれを固辞したという話が出てきます

決して遠慮や謙遜や、まして差別や偏見からの行動ではなく、それは「ダンス」という芸術を通じて人種や性別、宗教、世代といった隔たりを超えて互いに認め合いリスペクトしあうという創設者の意思、まさに『魂』を尊重しての行動であり、それこそが彼が黒人舞踊団の中で認められる人間である理由を示しているように私は感じました

そしてそれこそ
芸術やスポーツなどの文化活動の素晴らしい面であり、人間が人間として生きる事を表しているのだと思うのです

私は少しだけ、スポーツの現場で活動をさせてもらっていますが
いくつかのスポーツ種目の起源は宗教的儀式などにルールを付け加えたものであったり、特権階級の娯楽文化の一部だとも言われています

そう考えると
いま私たちががスポーツに携わり楽しむことができるというのは、人間の文化的な営みを享受していると言えます

現在、新型ウイルスの流行による影響で
芸術創作分野やスポーツ分野などを含めた大衆娯楽文化はとても厳しい状況に直面しています

世の中がこれだけ大変な時に、スポーツだ芸術だ文化だと言っていられないのは当然のことです。もちろん今は人の命に換えられるものなど何もありません

しかし人間が人間らしく生活するためには、こういった娯楽を含めた文化的な営みが必要不可欠であることもまた間違い無いのではないでしょうか

いまは少しでも病気で苦しむ人が増えないように、命を守る行動を。そしてそれと同時に、また1日も早く人間が人間らしく、芸術やスポーツといった娯楽含めた文化的な生活を送れるように
切り捨てるのではなく、こんな時だからこそ守っていかなければいけないのではないかと。

随分と大それた事を言いましたが
そう考えさせられた、というお話でした。

それでは、また

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