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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿32

米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第32回全文無料で皆さまにお届けします。

🍅🍅

弟子のNEOさんへ
アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。

笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。

背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。

一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。

第31回から続く



24日のThanksgiving(感謝祭)から、アメリカの人々にとりましては、ここから、クリスマスへ向けて、ホリデイシーズンです。11月初め、夏時間から冬時間に時間が変って、「あ~なんか体調が変だ~。眠れない~、睡眠不足だあ~」とか文句たらたら言いながら、Thanksgiving Dinner(感謝祭で、常日頃、離れて暮らしている家族が集まる夕食の食卓)を楽しみにしてる人もいるでしょうし。いっぽう、ある程度年齢を重ねてきますと、それが苦痛で仕方ない。とにかく、その時間だけ、幸せなふりをして演じてようという人もいるでしょうし。(どうもオヤジと性が合わないなんだとか、おふくろと性が合わないんだとか)結果、この日、ここで、お酒のせいもあってか、家族喧嘩になった、もうたいへ~んとか。まあ、クリスマスもありますし。ホリデイシーズン中に仲直りできればいいやとか。仲直りできそうもないとか。よく聞く話です。(笑)

ホリデイシーズン。一般的に、アメリカの人々にとっては、1年を振り返って、見直す時期でもあります。まあ、ホリデイシーズンの本来の意味ですね。

今一度、ここで胸に手を当てて、考えてみよう、振り返ってみよう、よく考えてみようという時期が、このホリデイシーズンです。未来に向けて。

いつの間にか、休暇取ってどっか行こうよ、旅行しようよ、みたいなシーズンになってたりして。(笑)

今から、そんな先の話をしてもしょうがありませんが、クリスマスが終わると本格的なイヤー・エンド・ラリーを期待して。さらに、1月になると、その季節性から、January Effect(1月効果)を期待してとか。

僕個人も、メリルリンチ時代、それはもう当時非常に親しく、ごく身近で一緒に仕事をさせて頂いたクオンツ(計量分析)戦略の専門家ストラテジストと、ニューヨークで「1月に買って、4月もしくは5月に売って、それでいいじゃん。この戦略どうよ。後の事については、また年末考えるってことでいいじゃん。どう、どう、どうよ?」と笑いながら話していた時期もありました。
ただ、これは、約42年前のことではありません。
今、おおよそ40年超ぶりのことが目の前にある年ですから。

11月27日 の日曜日の夕方~


皆さまへお知らせ
このホリディシーズンの皮きりにと言ってはなんですが、
たとえば、11月27日の日曜日の夕方とかに、少し、口頭で、NEOさんと、
お話(雑談)させて頂こうかと考えています。
~テーマ~「インフレ率上昇とポピュリズムの台頭~アメリカ
~サブタイトル~「アメリカ株・ウォール・ストリート(金融市場)とメイン・ストリート(実体経済)~金融危機以降のアメリカ~ポピュリズムの台頭とインフレ上昇を、その背景から振り返りながら。今、そしてこれから~」
80年代以降のウォール街の歴史と共に

予想屋でも預言者でもありません。(笑)

現実社会においても、根性論は、ほとんどピンとこないのですが、スキルやmethodology(方法論)に焦点を当てる事は好きです。

まあ、そんな大層な話でもないのですが、もし、聞いてやってもいいよ、という方がいらっしゃいましたら、是非聞いてみてください。今回は、質問はお受けせずに、サクッと、おしゃべりさせて頂こうと考えています。。
NEOさん、皆さま、もしよろしければベースですが、
どうぞよろしくお願い致します。

さて、前回寄稿致しましたニューヨーク連銀総裁のコメント
ブルームバーグ引用~FRBは利上げに当たり経済目標に集中を-ウィリアムズNY連銀総裁 11/17(木) 6:53配信 (ブルームバーグ): 米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は16日、米金融当局は利上げを進めるに当たり、あくまで経済目標に集中し、金融安定性リスクをも考慮に入れることは避けるべきだとの見解を示した。~略~「金融政策は何でも屋の器用貧乏を目指すべきではない」と指摘した。金融市場でボラティリティーが高まる状況にあって、ウィリアムズ総裁がこのように発言したことは、景気を減速させて40年ぶりの高水準にあるインフレ率を押し下げるため、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局が十分な金融引き締めを維持する決意を浮き彫りにするものだ。~略~「資金調達に圧力が生じた場合、必要に応じて流動性を供給する用意ができている」と説明した。~引用終。

資金調達に圧力が生じた場合、必要に応じて流動性を供給する用意ができている」と説明した。~アメリカ株式市場も支えられている感はあります。

それが、徐々に、PEのE、Earnings(収益)へ。さらなる下方修正に焦点がシフトして行って、前々回にも寄稿致しました、リセッション(景気後退)ひいてはスタグフレーションへの脅威というところに焦点がじわ~、じわ~っと当たって行くようになるのかとは思っています。これからのホリデイシーズン、そして、来年Q4の決算発表、春先Q1の決算発表がそれぞれ視野に入ってくる中で。向こう数か月かけての失業率鈍化の推移からも目が離せません。FRBのお仕事という観点についても(笑)

金融政策については、いろんなFRBの高官が、いろんなコメントして、コメントだらけですが。ベースラインシナリオとして、僕が考えておりますのは、ゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミスト、ヤン・ハチウス氏らの「今後の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での利上げ幅予想については、12月が0.5ポイント、来年2月、3月、5月がそれぞれ0.25ポイントずつ。来年のFOMCで小幅な利上げをより長く続ける圧力になる可能性がある」です。

そして、僕個人は、じわ~、じわ~っと、より高く、より長い期間にわたって~と。引き締まった労働市場もそうですし、民間が堅調であればあるほど、より高く、より長く、かと思っています。今のコア・インフレ6.3%同じくらいのターミナル・レート(最終到達点)が必要になるのではないかとさえ、現時点では考えています。まずは向こう数か月の失業率の数字、民間の堅調ぶりを注視しながら。

PEのEですね。Earnings(収益)ですね。


ヤン・ハッチウス氏

あっ、ひとつ誤解しないでくださいね。ゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミスト、ヤン・ハチウス氏につきましてもそうですし、業界問わず、金融界、法曹界、ジャーナリズム界、その他でもそうですけど。
僕は、ゴールドマン・サックスがそう言うからが先にくるのではありません。
メリルリンチでもどこでもそうでした。
ウォール街の市場への影響力という事は別として。
その人について、もっと詳しく知ろうと見てみたら、あ~、この人、だれだれしかじか、さん、○○さん、結果、○○の所属だったんだ~あとになってわかったあとかって、感じや見方です。
ヤン・ハチウス氏個人が、とっても、素晴らしいエコノミストだからです。僕は、
He is the best of the best. ベストの中のベスト。最高!と思っているだけです。そのように、SNSで発信してきたりもしました。
それがもちろん一番先です。結果、あ~そう言えば、ゴールドマン・サックス所属のチーフ・エコノミストの方で。という事です。所属は、ず~っと後にきますね。僕が一緒に仕事しているわけではありませんし。

大好きなリチャード・ファインマン博士のクォートに次のようなクォートがあります。
引用~"Don't be impressed by money, followers, degrees, and titles. Be impressed by kindness, integrity, humility, and generosity."~
「お金とか、フォロワーの数とか、学位とか、役職名とか、そう言う事に感銘を受けるのではなくて、親切心とか、インテグリティ(倫理観とか高潔さ・真摯さ)とか、謙虚さとか、寛容さ・寛大さとかに、感銘を受けてくださいな」
ニュアンス

このクォートをオンラインで、ただ、リツィートしただけなのですが、相互フォローさせて頂いている、米法曹界の重鎮中の重鎮っぽい方なのか関係者のおひとりなのか定かではないのですが、その方が、即座に、(いいね、スキ)してくださって。その時は、すごくうれしかったですね。今でも忘れません。

あと、まあ、付け足しますと、この寄稿におきましては、いつも日本語につきましては~ニュアンス~とさせて頂いています。僕にとりましては、そのニュアンスがとっても大事だからです。

FRBのバランスシート圧縮について


ブルームバーグのLisa Abramowicz氏がシェアしてくださいました。


バランスシート圧縮の進行状況は、今後、変わる事もあるかもしれませんし、この全体の効果を試算する事は、極めて難しいと思います。
オリヴィエ・ブランチャード(Olivier Jean Blanchard)マサチューセッツ工科大学(MIT)教授(IMF国際通貨基金のチーフエコノミストとしてもご活躍なさった方)のように、バランスシートの圧縮を状況に応じて上手くハンドリングして行く事とおっしゃられる著名経済学者もいらっしゃいます。ラリー・サマーズ元米財務長官のお話にも真摯に耳を傾けておりますが、その際、やはり、機会あるごとに、オリヴィエ・ブランチャード・マサチューセッツ工科大学(MIT)教授のお話にも真摯に耳を傾けております。
申しあげるまでもない事ですが、サマーズなの?ブランチャードなの?とか。やっぱ、サマーズ?やっぱ、ブランチャード?などと、たまに、専門家の間でも話題になっている光景を目にします。お立場はそれぞれに異なりますし、日本ですと、サマーズさんのご発言は日本語になっていたりするのを目にしますが、ブランチャードさんのご発言を日本語で見たことは、これまでないような気がします、これは定かではないのですが。


オリヴィエ・ブランチャーMIT教授

バランスシート圧縮につきましては、それ自体が予定通り完全に行くのかどうかわかりませんので。まあ、おおよそとなってしまいますが、以前に寄稿させて頂きました、以前ロイター記事に掲載されていた、とあるアナリストの試算から、全体の効果を(圧縮終了時で)450ベーシスポイント、4.5%と見積もって、まずは考えてみています。

現在の状況は、
現在~CPI(総合7.7%(前年同月比)、コア6.3%(前年同月比)

FRBが掲げているインフレターゲットは2%で、5%とか4%ではありません。
以前に寄稿しましたが、CNBCの報道により、総勢35名のエコノミスト、ストラテジスト、アナリストが、FRBが金利を下げるバー・ハードルの目安として、下記の3点を指摘。
・平均、コア・PCE(コアの~米個人消費支出:Personal Consumption Expenditures Price Index)が、5か月間、2.6%以下で推移する事
失業率~5.3% (前回は3.7%)
GDP~マイナス2.2%に下落

そうであれば、僕個人は、前述しました、より高く、より長い期間にわたってと考えながら、同時に、インフレ抑制には、今のコア・インフレ6.3%と同じくらいのターミナル・レート(最終到達点)が必要になるのではないかとさえ、現時点では考えています。

ゲームは、ここの数字の当てっこではありません。こういう背景から、これらが株式市場に及ぼす一番の影響は、PEのEですね。Earnings(収益)ですね。という事です。それを、株式市場は織り込んでいません。織り込んでいないというとこが、僕のポイントであり、焦点、争点です。

ゆえに、以前の寄稿でも、第28回の寄稿でも強調させて頂きました、
Puru Saxenaさんがご指摘されている「S&P500の底は~NBER (全米経済研究所)が認定したリセッション(景気後退)の”前”ではない。S&P500の底は、過去、そのリセッション(景気後退)”中”、リセッションの最中にあった」という事をしるしをつけてノートしています。

そして、同じくPuru Saxenaさんご指摘の、
「1953年以降、アメリカ合衆国で起こった過去11回の各リセッション(景気後退)において、S&P500 のEarningsは11回平均で23.6%下落してます~アメリカ経済と(株などの)リスクアセットについては脆弱な状況ですね~とPuru Saxenaはコメントしてくださっています。」


徐々に、さらなる下方修正が聞こえてくる


これまでとこれから、企業収益へのダメージから、S&P500種企業の利益見通しの下方修正は-自ずと、時間の経過と伴に、徐々に、さらなる下方修正が聞こえてくるのではないかと考えています。

繰り返しになりますが、僕はソフトランディングシナリオは採用しておらず、ハードランディングシナリオで思考しています。現在の僕の思考の根底には「来年リセッション(景気後退)がないというのであれば、インフレは来年高止まりしたままなのですね」という思考があります。ゆえに、僕は、これまでこの寄稿で述べさせて頂いた目線で見ています。

ウォール街とともに、ウォール街と一緒に流れて行く時間ではあるのですが、ウォール街の専門家がどうおっしゃいましょうが、僕は、金利を引き上げている局面でベアー・マーケットが終わるというシナリオは買いません。この目でそれを確認することがあった場合は、そこで修正するつもりです。

金融界でも、法曹界でも、その他の業界でも、False equivalence(誤った等価関係~実際にはそうではないのに、両者が論理的に等価であるかのように扱うこと)これは、いけません。ストックピッキングの際、個別株などなおさらです。(笑)

それぞれの分野の専門家の方々は、人によって、皆さんお立場が異なります。それぞれのお立場から発信されるご意見を、いっしょくたん、ひとまとめにしてしまうことなく、別々に受け取り、解釈して行く事も大切であると思っています。
もし、27日日曜日、時間が許せばですが、この辺につきましても、どうして、アメリカの金融界や法曹界(それ以外の世界でも)でこのような事(False equivalence・誤った等価関係)がよく話題として取り上げられ、厳しく指摘されるのかなどにつきましても、手短に触れさせて頂ければと考えています。

パウエル議長 12月1日午前3時30分~「経済見通しと労働市場」

あっ、そう言えば、ブルッキングス研究所からのお知らせによると、ハッチンス・センターで、FRBのパウエル議長が米東部時間11月30日午後1時30分から午後2時30分(日本時間12月1日午前3時30分から午前4時30分)の予定で、「経済見通しと労働市場」についてお話なるご予定という事です。


第33回へ続く

最後に …

これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
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関連note

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①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

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