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米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿89

米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第89回全文無料で皆さまにお届けします。

第6回スペース 8分間

第6回スペース~テーマ
・イエレン財務長官の力仕事
・今から1月31日・2月1日のFOMCまで
・第1四半期の業績発表 ・ブル・トラップ
・VIX指数とS&P 500のパフォーマンスは負の相関関係にあるという事
・約5%の政策金利下で、ブルマーケットが始まってそれが継続するんですか?

第88回から続く



この寄稿、昨日は、イエレン財務長官、本日はFRBブレーナード副議長が冒頭です。

パウエル議長コロナ陽性のニュースから、1日も早いご回復を祈念しております。

ブルームバーグ記事から引用~「インフレは最近緩やかになったものの、依然として高い水準にあり、これが持続的なペースで2%に下がることを確実にするには、十分に抑制的な金融政策をしばらく続ける必要があるだろう」~(事前原稿に基づく)~引用終

ウォールストリートジャーナルのニック・ティミラオス氏がシェアしてくださいました。

引用~ブレーナード賃金価格スパイラルのリスクは誇張されている可能性がある(そしてそれも、高インフレとの闘いのために労働市場を弱めさせるということに対しての議論になり得る)
ブレーナード副議長は、高インフレの要因となり続けた1970年代スタイルの賃金価格スパイラルというようには、ほとんど見ていない(今回はそういう根拠がほとんどないと見ている)のですね。
これは、過去のこの寄稿でも述べてきましたが、パウエル議長も、セントルイス連銀のブラード総裁も「賃金がインフレをドライブしている主要因とは見ていない」ということでしたから。そうは見ていないという事ですね。

ずっと以前の寄稿で、元FRBのエコノミスト(市場云々ではなくて、米国民のためにFRBのエコノミストを務めた方)の引用をさせて頂きました。この方は、もちろん、ブレーナード副議長、大応援団のおひとりです。
この方も、そしてブレーナード議長も以前から何度も何度も事あるごとに「パンデミック」と「戦争(ウクライナ)」という言葉を使用して、常に引き合いに出されてこられました。この寄稿で、この方(元FRBエコノミスト)を引用させて頂いた当時は、インフレ抑制タカ派、サマーズ元米財務長官と対比させて頂いたりしました。

今回もまたブレーナード副議長~「長期間にわたる高額商品やサービスインフレは、インフレ期待上昇の主要因である”パンデミック””戦争(ウクライナ)”と関連した度重なる需要と供給ショックがもたらしたもの。それが、インフレの引き下げをさらにより難しくしている」

総需要の継続的な緩和が、”雇用を大幅に失うことなく”インフレの低下を促進する可能性がある、ともされておられます。

こういったお話をお伺いしながら、
ラエル・ブレーナード副議長は、チーム~ソフトランディング~のリーダーだと、僕は思います。
日々の株式市場の動きについてコメント1回1回する事はしませんが、心なしか今日は、ブレーナード副議長の事前原稿が出てから、下げていた株式市場の下げ幅が軽減されたようさえ見えました。これは、個人的感覚です。
ブレーナード副議長のトーンは、それこそ、チーム・ソフト・ランディングに聞こえますから。

ラエル・ブレーナード副議長


第58回の寄稿で述べましたが、12月のFOMC後、「失業率の予想に対するタカ派的な修正~ほとんどの金融当局者は、2023年末までに失業率が4.6%もしくはそれより高い水準に上昇し、その後4%超くらいの水準に留まると予測しています。」

昨秋の段階で、将来、FRBが金利を引き下げる条件について、CNBCが35名のエコノミスト、ストラテジスト、アナリストを対象に調査を行った際、この寄稿やスペースで何度も述べました事ですが、その時のひとつの条件、失業率は5.3%と見られていました。この数字と比較すると、FRBの見通しは、かなり良い数字ですね。

FRBは議会から、米国民から負託をうけて、アメリカの金融政策を執り行っている、独立機関(non-partisan institution) です。
ブレーナード副議長は、もちろん、アメリカ国民のためにおしごとされておられます。
The Federal Reserve's Dual Mandate FRBの2大責務
Price stability 「物価の安定」
Maximum sustainable employment「雇用の最大化」
当たり前ですが、まさしく、両方に取り組んでおられるという事ですね。

笑顔で「インフレ抑制にリセッションは必要ない」とおっしゃられるイエレン財務長官。そして、本日のブレーナード副議長によるシカゴ大学経営大学院(Chicago Booth)での講演。一言で言えば、チーム・ソフトランディングですね。

本日のシカゴ大学経営大学院(Chicago Booth)でのブレーナード副議長のご発言に以前から注目しておりました。また、ここのところ、イエレン財務長官、パウエル議長、ブレーナード副議長についてこの寄稿で述べて参りましたので、それとも併せまして、ブレーナード副議長の本日のご発言をノートしました。

PIVOT(FRBの政策転換)なんてない


ここで明確に述べておきたい事は、上記の事と昨日スペースで僕が述べた事、マーケットに関する見方は、これはまた、別の事です。いわゆる、アメリカ経済、景気の話とアメリカ株式市場、マーケットの話という事からです。
昨日スペースで述べました事や、これまでの自分の見方に何ら変化はありません。
まずは、この1月31日、2月1日のFOMC。そして、企業の業績発表。ごく、ごく、足元、この第1四半期に起こる事。そして今年、上半期の株式市場という観点で、マーケットを見ています。もちろん、これまで通り、PIVOT(FRBの政策転換)なんてないでしょうと見ております。


ずっとベアー・マーケット(弱気相場)の中


さて、よろしければ、ここのところの過去数回分くらい及び過去のアウトライヤー寄稿をご覧になって頂けましたら幸甚です。
ずっとベアー・マーケット(弱気相場)の中にいて、ジャネット・イエレン様(米財務長官)がお支えになる時に、ベアー・マーケットラリーが起こるという構図なのでしょう。ただ、ベアー・マーケットラリーにつきましては、以前にも述べましたが、それがどこまで戻るのか、その時々、わかりませんので、僕はそのベアー・マーケットラリーを狙おうという目線は持ちません。ここについては人それぞれであると、もちろん、思っております。
とにかく、今はまず、足元であり、そして上半期。Q1とQ2ですね。

アメリカの個人の投資家さんは、例えば業績予想ひとつとっても、例をあげますとS&P500の2023年、2024年の1株当たり利益予想としましょうか。「ウォール街はこうだ」とひとまとめにして述べる傾向が多分にあります。ウォール街と張り合って、自分のほうが正しいと強調したい気持ちがありありと見て取れます。その気持ちはよくわかります。

それで、その上で。一般的にもウォール街と総称されますから、それをひとまとめで言うのは分かるのですが、株式市場に対する見方については、実際には、様々な金融機関があって、その数だけ、様々な見方があるわけです。

この場合については、ウォール街とひとまとめにするのではなくて、それぞれ個別に見たいと思います。ウォール街には暗黙のヒエラルキーのようなものがあるのは事実だと思っています。(これは、僕の個人的感想、個人観です)そりゃ、そんなこと、公に口に出しては、誰も言わないでしょうし。もちろん、さまざまな人達のコメントを引っ張って来て、それを公平に伝えてくれることに文句も何もありません。ただ、僕の場合は、昔から、名前を知っているリサーチ関係の人々については、「あ~、まだ、この時代でも、そんなこと言ってるんだあ、相変わらずだなあ」とか「ここで、この人のコメント引っ張てきますか。知らない人が聞いたら、まことしやかに、そりゃさもそうかって、聞こえるわなあ。また、きっと、この人が指摘しているようにはならないんだろうなあ」とか「持論とのつじつま合わせのためなんでしょうね?」とかはよく、内心、その都度、思います。自分の中では、コメントひとつ見る時でも、強弱、メリハリをつけるようにしています。

ブル・トラップでしたね。


昨日、ちょっとツィートしましたが、「S&P500 5回目チャレンジ。やはり、ブル・トラップでしたね。昨日第88回の寄稿では、流動性から始まって、インフレ、金利、業績。マーケットが解釈していたソフトランディングのシナリオ。ベア・マーケット。イエレンさんが支えるとベアー・マーケットラリーが起こるみたいなイメージさえ。詳しく紐解いています」どうぞご覧になって見てください。


VIX指数(恐怖指数)今日は4日連続で20を下回っています


僕は、これまでの寄稿でも述べてきました通り、VIX指数(恐怖指数)に注目してきました。VIX指数(VIX Index)・CBOEボラティリティ指数(CBOE Volatility Index)とは、投資家心理を表したボラティリティ指数の事です。S&P 500が下落する場合はVIXは上昇する傾向があり、VIXとS&P 500のパフォーマンスは負の相関関係にあると認識しています。

それで、Heisenbergさんがシェアしてくださったツィートにちょっと注目しています。Heisenbergさん~引用~「$VIXが4日連続して20を下回った過去3回、2022年8月4月1月でしたが、そのたびに、市場はそれぞれ、19%21%14%下落しました。今日は4日連続で20を下回っています」このツィートは、日本時間で言うところの1月18日23時07分にツィートされました。
このツィート意識しながら、このツィートを僕がこれまでこの寄稿で述べてきたことの補足とさせて頂きながら、マーケットをよ~く見てみようと思っています。


下記は、昨日行いました第6回スペースでお話させて頂きました原稿です。
皆さま、いつもありがとうございます。

第6回スペース~テーマ
・イエレン財務長官の力仕事
・今から1月31日・2月1日のFOMCまで
・第1四半期の業績発表
・ブルトラップ
・VIX指数とS&P 500のパフォーマンスは負の相関関係にあるという事
・約5%の政策金利下で、ブルマーケットが始まってそれが継続するんですか?

本題に入ります。
ここから、今後この第1四半期がすごく大事だと思っています。
イエレン財務長官、米財務省が、オープンマーケットで債券買ってシステム(株や住宅に資金注入して、結果、アメリカ株式市場を支えている事はこれは事実だと思います。昨年、そしてもっと近いところでは昨年秋からそうです。ノートでも述べてきました。昨年来、僕の表現はイエレン財務長官の力仕事という表現です。イエレン財務長官の力仕事があると、ベアマーケットラリーが起こるという具合です。


イエレンさんが動くとベアマーケットラリー


今回は、アメリカのゴードン・ジョンソンさんが明瞭に説明してくれている事も本日第88回の寄稿で記しています。以前には、ジュリエン・ティマーさんがシェアしてくださったチャートなども引用させて頂きました。詳しくは、第88回の寄稿のせめて、前半部分だけでも、ご覧になってください。
ジャネット・イエレンさん(米財務長官)がお支えになる時に、ベアー・マーケットラリーが起こるという構図ですね。

米ベアマーケット(弱気相場)の中で、マーケットにある、楽観論というか、そういう事には、これまで同様、過去の寄稿やスペースで述べて参りました通り、持論を、マーケットの楽観論に対しては、反論として展開することはできます。企業利益、バリュエーションの縮小。ここで買ってはいけないですよ~とか(モルガン・スタンレーのストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏のコメントを引用させて頂いたりしながら)。(笑)ただ、イエレンさんの流動性供給には、太刀打ちできません。(笑)イエレンさんが動くとベアマーケットラリー反発、上昇。まあ、そんな感じなんだろうな、そういう構図なんだろうなあと思いながら見てます。


でも、ここからは、1月31日・2月1日両日のFOMC,そして、業績発表がポイントです。金利を最速のペースで引き上げ続けて来て、引き上げ続けている局面ですから、当然、バリュエーションも縮小するでしょう。過去の寄稿やスペースで述べてきた事をこの目で見たいと思っています。まず。そこから、昨年来、寄稿やスペースで述べてきた事がどのようのおこるのか、ひとつひとつ、確認したいです。

一昨日、第86回の寄稿で、S&P500、5回目の上抜けチャレンジ、僕にはブルトラップに見えますと明確にノートで述べました。
第86回寄稿~「多くの方が、これは新しいブルマーケットだとおっしゃっておられますが。僕には、僕個人にはですが、これは、ブルトラップ(Bull trap)~マーケットが上方向へのブレイクアウト(突き抜け)に見えながら、直後に、下落方向へ反転する~下落する形のように見えております。僕個人は、そんな目線から見ています。」と明確に述べました。

それで、昨日のアメリカ株式市場の下落は、それがブルトラップだったこと物語っていると、今、認識しています。

その上で、これまでの寄稿でも述べてきました通り、VIX指数(恐怖指数)に注目してきました。VIX指数(VIX Index)(恐怖指数)、投資家心理を表すものです。投資家心理を表したボラティリティ指数の事です。S&P 500が下落する場合はVIXは上昇する傾向があり、VIXとS&P 500のパフォーマンスは負の相関関係にあるという事も出来ます。

日本時間昨晩時点では、それは、4日連続で20を下回っていました。それで、昨日の米株下落と、VIX指数が20の上に顔出しているという現時点での形です。昨年1年で見ると、過去そういう状態だった時、3回ありまして、3回ともその後マーケットはやはり10%以上下落しているんですよね。それについては明日の寄稿(第89回寄稿)で述べます。預言者ではありませんから、今回どうなるかというのは分かりませんが、そういう注意目線で見ています。

一言で言えば弱気、弱気相場の中に今いる



それで、日々の動きかどうのこうのではなくて、ここから明日以降、来週のマーケット、FOMCに向けてのマーケット、そしてこの第1四半期という足元をじっくり見て、これまで、この寄稿やスペースで述べてきた事、考えてきた事が、どのように実際起こるかどうかを、見て行きたいと思います。
もちろん、楽観論も持ってませんし、一言で言えば弱気、弱気相場の中に今いると思っています。金利引き上げ局面、金利引き上げを継続している局面でベアーマーケットが終わるんですか?ざっくり約5%の政策金利下で、ブルマーケットが始まってそれが継続できるんでしょうか?ぼくにはちょっとそれ、考えづらいですという見方をしています。

ただ、イエレン様だけは読めません(笑)という感じです。
今日のスペースはこれで終わりです。
ありがとうございました。
どうぞ今後ともよろしくお願い致します。
以上


イエレン米財務長官


第90回へ続く

最後に …

これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
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関連スペース

11月27日 第1回スペース 2時間

12月18日 第2回スペース 2時間20分

12月22日 第3回スペース 12分間

12月24日 第4回スペース 20分間

12月30日 第5回スペース 20分間

2023年1月19日 第6回スペース 8分間


関連note


私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
OUTLIER 「相乗的にパフォーマンスを高める食品と栄養素を集約。」


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弟子のNEOさんへ
アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。



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