見出し画像

米国株師匠🍅アウトライヤー寄稿116

米国株の師匠🍅アウトライヤー様からの寄稿🍅第116回全文無料で皆さまにお届けします。

第115回から続く


サマリー(要約)~


将来、バリュエーションに基づいてロングします。


・アウトライヤー個人はアメリカ株ショートという行動指針で、過去の寄稿で、その詳細に触れています。どうぞ、よろしければ、直近過去のアウトライヤー寄稿をご覧になって見てください。

・ロングについては。ロングはまだ先です。それまで待ちます。まだ先ですが、ロング出来る日が来ると思っています。それにつきましては、直近過去の寄稿で述べました。
将来、先で、その時が来たら、何に、基づいてロングするのか?
僕は、バリュエーションに基づいてロングします。

・一般的によく聞く言葉として、バリュエーションで割高だから売る、バリュエーションで割安だから買う。

バリュエーションから考えるという、エントリー時の重要チェック項目、バリュエーションについて後述します。

マーケットにトレンドが出たから、そのトレンドに乗るという話とこれは少々異なります。その一歩手前の、重要チェック項目の話です。

説明・能書き~

バリュエーションというのは、企業の利益や資産などの、企業価値評価のことです。本来の企業価値と現在の株価を比較することで、株価が相対的に割安なのか割高なのかを判断します。ここで言う、バリュエーションは、S&P500インデックス全体(コーポ―レート・アメリカ)に関するバリュエーションについて述べています。

**PER(Price Earnings Ratio)は、“株価÷EPS(1株当たり利益)”で計算され、企業価値(バリュエーション≒株価)が、利益の何倍で評価されているかを知る指標(値が大きいと割高、小さいと割安)

***出所~SMBC日興証券~PERとはPrice Earnings Ratioの略で、株価が1株当たり純利益(EPS:Earnings Per Share)の何倍まで買われているか、すなわち1株当たり純利益の何倍の値段が付けられているかを見る投資尺度です。現在の株価が企業の利益水準に対して割高か割安かを判断する目安として利用されます。PERの数値は、低いほうが株価は割安と判断されます。なお、1株当たり純利益は当期の予想数値を用いるのが一般的です。

****PER(Price Earnings Ratio)の逆数が、益回り(Earnings Yield)です。株式益利回りは高いほど株価が割安と判断されます。

・今は、つい4,5週間前、S&P500のバリュエーション17.7xと言っていたのに、つい最近何日か前、18.3xに拡大していたくらいですから。また、1月中旬に引用させて頂きました「平均値は17x中央値は15.91xでのシラーPERは29.24xでした(これを寄稿時は~Markets & Mayhemさんからの引用)」とにかく、どれ見ても、僕には割高感が否めないなあという印象しかありません。

・昨日からの繰り返しですが、「間違ったバリュエーションで株を買うという事は、危険な塩漬け、非生産的資金(英語でいいますところのdead money~死に金)を作ってしまうことになる第一歩」という認識でいます。間違ったバリュエーションで株を買うという事は、やってはいけない事1丁目1番地、これはすごく大事な事であると肝に銘じています。

・昨日引用した「収益見通しも金利構造も16x(倍)を超えるバリュエーションをサポートしていません。」~ここからさらに、今後、ハードランディング、すなわち、リセッション(景気後退)を多分に意識するのであるならば、当然、バリュエーションは、ひいき目に見ても15x(倍)13.5x(倍)から14.5x(倍)というところが、その場合においては妥当な数字ではないですかとすら僕は考えています。

・一般的に多くの場合において、マーケットが売られた後、ロングを目論み、底を探す。チャートなどを見ながら、底を探すこと大切ですが、その時に、チャートを見ながら、それと一緒に、この「バリュエーション」を重要チェック項目として、底を探すという事が、アメリカ株の場合、大事だと思っています。

・価格云々より、そのバリュー(価値)が大事なわけです。間違った、正しくない、バリュエーションで株を買ってはいけません。それは全部自分に返ってきますから。相場見通しの当たり、外れも大切だと思いますが、自分が株を買う時に、バリュエーションを間違わない事、これをまず心がけています。

*「シラーPER」(「CAPEレシオ(ケイプレシオ)」)~現在の株価をインフレ率で調整した過去10年間の一株当り純利益の平均値で割ったもの。米国のロバート・シラー氏(ノーベル経済学賞受賞)米イエール大学教授とジョン・キャンベル氏が考案した株価指標で、株式市場や株価の割高・割安を判断する際に使用されます。

さて、アメリカの株式市場にとって大事なポイントは、インフレ、金利、企業業績ですという事をこれまで、機会あるごとに述べてきました。

昨年2022年のテーマ~インフレ、インフレ抑制。FRBは最速のペースで政策金利を引き上げ続けて。2023年に入ってからも、25ベーシスポイントずつかもしれませんが、この2月以降、3月、5月、そして6月まで金利を引き上げて行くという前提に、僕は立っています。同様に、これまで述べ続けてきました通り、まだ、ベアーマーケット(弱気相場)の日柄は残っていると考えています。そして、政策金利(フェデラルファンドレート)。ターミナル・レート(金利の最高到達点)については、5%台云々という議論が盛んですが、今後これが、状況によっては、6%を超えてくる可能性さえ十分にあり得るわけで。


2月16日木曜日ベア・マーケットラリー終了の分岐点

ロレッタ・メスター・クリーブランド連銀総裁

先日の、金融政策においてタカ派で鳴らしてこらたロレッタ・メスター・クリーブランド連銀総裁が、「前回1月31日-2月1日でのFOMCで、昨年12月会合に続いて政策金利を0.5ポイント引き上げる説得力ある論拠はあったとご指摘」~「即座に、セントルイス連銀のブラード総裁がそれをサポートするご発言「3月のFOMC(連邦公開市場員会)会合で0.5ポイント、50ベーシスポイントの利上げを支持する可能性を排除しない」「インフレとの闘いは長期戦になるというのが、私のおおまかな判断だ」
これにマーケットは、即座に反応する形で、2月16日木曜日、日中ザラ場から引けにかけて売りなおされました。この日の動きが、昨今のベア・マーケットラリー終了の分岐点、節目かと思いながら、マーケットと対局しています。


セントルイス連銀 ブラード総裁


もちろん僕は、インフレ、インフレ抑制という事を舐めているわけでは全くありません。今年もこれがひとつのテーマでしょうし、FRBの道筋とは少し、もしくは、大きく異なる、もしくは新しい話が出てくれば、マーケットは、”その分”、それに”相応に”反応すると思います。現に、メスター総裁ブラード総裁のご発言にそう反応しました。ですから、インフレというテーマに注目し続ておくことは大切です。


ターミナルレートの6%超えての水準は、マーケットは当然まだ織り込んでいない



CPI(米消費者物価指数)の数字が、季節要因をアジャスト(調整する)していく過程で、今年3月くらいまでは、CPI(米消費者物価指数)の数字が高めに出て来る可能性がある事についてはすでにアメリカの金融市場で話題になってきた、今も話題になっている、ことですから。ですから、こここでは、それを含めて、株式マーケットの修正時、「その分”、それに”相応に”反応する」という表現を用いています。こうは表現しておりましても、もちろん、今後、ターミナル・レート(金利の最高到達点)が、状況によっては、6%を超えてくる可能性さえ十分にあり得る事を意識してもいます。ターミナルレートの6%超えての水準は、マーケットは当然まだ織り込んでいないわけですから。

2023年の大切なテーマ


インフレ、インフレ抑制は、2022年からのテーマですが、今年2023年の大切なテーマ、それは、最速のペースで金利を引き上げ続けてきたことからの、Earnings Recession(企業業績の不調業績のリセッション)です。そして、そこから誘発されるリセッション(景気後退)です。よく、一般的に仕事やなんかで、「フォーカス、フォーカス、フォーカス」「集中、集中、集中」と言いますが、そのフォーカス・集中のテーマ、2023年は、「企業業績の不調、そこから誘発されるリセッション(景気後退)を、株式市場が、それとして織り込みに行くタイミング」、これにフォーカスすることだと、僕個人は考えております。

企業業績は過去70年にわたって上昇基調


これはOtavio(Tavi)Costaさんがシェアしてくださったツィートとチャートです。
企業業績は過去70年にわたって上昇基調をたどってきました。企業利益がこのレンジの上限に達するたびに毎回、Earnings Recession(企業収益・利益のリセッション)がそれに続いてきました。今のピークレベルにおいて、私達は重要な分岐点にいます。
これは重要な考慮事項であり、特にウォール街のほぼすべてのアナリストが向こう2、3年間、2桁成長を予想している時でもありますから、特に重要な事ですね。
・賃金価格スパイラル
・原材料価格の上昇
・脱グローバル化傾向の高まり
・資本コストの上昇
これらすべての要因が、今後のマージン(粗利益)に影響を与える可能性がありますね。」

ウォール街のアナリストの人達の向こう2、3年間、2桁成長という見通しは、僕個人には楽観的過ぎるように見えます。
もちろん、Otavio(Tavi)Costaさんのコメントのニュアンスから、はっきりと、僕と同様にお考えの面があるからこそ、このコメントをなさっていることが伝わってきました。僕も当然、Otavio(Tavi)Costaさんと同様に考えておりますので、ここで引用させて頂きました。


いっぽうで、強気派の皆さんは、2023年S&P500の1株当たり利益$224、2024年については少なくとも10%増益などで見ておられるわけです。
僕とは、見方が、全く異なります。


商業銀行は融資基準を厳しくし続けており、延滞率が上昇しています


こむずかしい事抜きにして。
株は買いだ~。押し目は買いだ~。どんどん買い上がるぞ~」と強気派の皆さんがおっしゃる時もしくはその場面って、「銀行が企業に対して融資基準をより引き締めている」という傾向が、目に見えて顕著に表れている状況下や場面なんですか?と僕は、首をかしげながら、大変、不思議に思っています。

これについてはたくさんの例がある中で、本日は、Game of Tradesさんがシェアしてくださったツィートとチャートを引用させて頂きます。
引用~「商業銀行は融資基準を厳しくし続けており、延滞率が上昇しています
ソフトランディングは可能なんですかね?



ムーン・ランディング(月面着陸)とかって、言いだすんじゃないか


ブルームバーグ記事の引用です。
・株式市場の「ノーランディング」説は楽観的過ぎ―上昇に振り回されるな

いろんなランディング(米景気の着陸)のしかたの話あるじゃないないですか。今のアメリカを見ておりますと、そのうち、ムーン・ランディング(月面着陸)とかって、言いだすんじゃないかとさえ思ったりで(笑)。

こちらは、Jeff Wenigerさんがシェアしてくださったツィートとチャートです。
引用~「私見ですが、2023年から2024年のサービスPMIは低下傾向
ステップ1:FRBの利上げ
ステップ2:その金融引き締め具合がシステム(株式・住宅)にフィルターをかけて。
ステップ3:サービスPMIが低下して行く。
これがまさに今起こっている事ですね。

(人は)多分、”今回は違う””このサイクルは異なるんだ”って言うのかもしれませんが、何でそれが今回異なるのか、私にはその理由が見当たりませんね。」~引用終。


チャート上~黒い線政策金利(フェデラルファンドレート)のターゲットレートの推移です。
チャート上~グリーンの線がPMI(Purchasing Manager's Index:購買担当者景気指数)サービスの数字の推移です。

*PMI(Purchasing Manager's Index:購買担当者景気指数)~企業の購買担当者の景況感を集計した景気指標のひとつです。製造業、サービス業ごとの集計も行われており、一般的に鉱工業生産や雇用統計などの統計よりも景気先行性があるとされている指標です。企業の購買担当者に新規受注や生産、雇用の状況などを聞き取り、景況感についてアンケート調査した結果を指数化したものです。50を判断の分かれ目としてこの水準を上回る状態が続くと景気拡大、逆に50を下回る状態が継続すると景気減速を示す指数です。

ここで見た頂きたいのは、チャート上、上側の黒い線が政策金利(フェデラルファンドレート)のターゲットレートのところから、ブルーの線で矢印がそれぞれに合計3本引かれていますよね。このブルーの矢印それぞれから、下側グリーンの線に、今度は赤い矢印それぞれに3本引かれています。この赤い矢印の後に、過去それぞれ、3回、グレーの縦線リセッション(景気後退)が訪れているわけです。それで、今回この4本目の赤い矢印、ここから先は、どうなんでしょうね?というチャートです。

昨日の寄稿で述べました、米10年債と米2年債の逆イールドもそうですし、昨日引用させて頂きました「なぜ、経済先行指標(LEI)は10か月連続で下落しているのでしょうかね?1960年以降、経済先行指標が6か月超以上、下落するたびに、リセッション(景気後退)が見られてきました。」もそうですし、今回のこのJeff Wenigerさんがシェアしてくださったツィートとチャートもそうですし。

これが、こういうふうになったら、極めて、極めて、高い角度でリセッション(景気後退)が、その後見られていましたよという、このような、前兆を示す、シグナルと見られる現象があって。これらは、典型的な、代表的な、それです。ですから、金利引き上げの幅や道筋に対するマーケットの修正反応を観察もしながらですけど、もっと、もっと今後のマーケットをより大きく動かす、大きな要因になり得る、これらのデータにより注目しています。

*The Conference Board Leading Economic Index(Leading Economic Index・LEI) は、将来の経済活動を予測することを目的としたアメリカの経済先行指標です。


This time is different.(今回は違う)~流行語大賞に


This time is different.(今回は違う)~流行語大賞にしたいくらいです(笑)。イエレンさんが助けてくれる。チーム・ソフトランディングが助けてくれる。そういう思いもマーケットに多分にあるのでしょうが。

FRBの流動性につきましても、チャートや説明で、これまで述べてきました。FRBの流動性=「FRBのバランスシート」マイナス「トレジャリー(米財務省)一般勘定」マイナス「リバースレポ」で、定義されています。債務上限問題が6月まで、「景気刺激的である事」についても述べてきました。
もちろんそれぞれに見ています。データはデータ(景気先行指標データ)だと考えています。もちろん、その両方を見る事が大事ですが、今は、より、景気先行指標の行方、それらが示唆して、教えてくれる事について、より注目しながら、マーケットを見ています。

僕がここで言わんとしていること、お伝えしたい事は、
「そりゃ、連銀の総裁や理事、当局者が、こう言った、ああ言ったという事に、前述のごとく、マーケットが反応する日も、もちろんあるでしょう。日々、マーケットの上下運動はあるわけですから。それはそれとしまして。まして、ついこの間まで、3月で金利の引き上げ終了。そこからは休止とも言われていました。3月、5月についての25ベーシスポイントの利上げを市場が織り込んでいても、6月については、まだわかりませんし、ターミナル・レート(金利の最高到達点)が6%を超える可能性さえ、無きにしも非ずという不透明要因さえ存在しています。

そこを十分に意識しながら、同時に米景気の大局を見ておくことが大事ですよね。それは、ここで述べ、とりあげているような景気先行指標データが教えてくれることです。
今は、そんな事になっていませんが、リセッションがいったん来たら、それをマーケットは織り込んでいないわけですから、まず、株は売られるでしょうね

その時に、成長銘柄がうんちゃら、かんちゃら、なんとか銘柄がどうのこうのとは、言ってられなくなります。それが終わった時の後講釈や事後解説は出来るでしょうけど。そういう時期が、一定期間あります。それが、リセッション(景気後退)というものです。


大真面目な、ロングのしどころ



それで、その景気後退の前に、マーケットの底があるのではなくて、マーケットの底は、そのリセッション(景気後退)の”最中”にあります。
その”最中”、そこで見つける”底”が、そこが、本格的な、ホンチャンの、大真面目な、ロングのしどころですよね。

その時に重要チェック項目として、バリュエーションをチェックしましょう。
その時のバリュエーションの声は、15x(倍)以下、14.5x(倍)ないし13.5x(倍)がひとつの目安ですかね」という事です。

だから、これまで述べて来た通り、サイドライン(マネーマーケットファンド)に資金(現金)が山済みになっているけれど、本格的に株式市場にそれが流入する兆しが見えない、株式はアンダーウエィトになっている(資産配分を決定する際、配分比率を、基準となる配分比率より少なくしているということ)。株より、債券、現金が好まれている、と現在、認識しています。

過去の寄稿で2007年2月当時、当時のバーナンキ元FRB議長が、米議会に対して、「ソフトランディング」という主旨の事を述べた、ニューヨーク・タイムズの引用をしました。誰がという事ではなく、当局者は、いつの時代も、そう軽々に、ネガティブなコメントが出来るとは思っていません。急激なデータの悪化などがない限り、そんな簡単に一度とった姿勢を変えられない事、そのお立場は、もちろん、ある程度、理解しています。

今回、僕が、これらの事を述べる上で、一番気にしていると言ってはなんですが、意識している事と言いましょうか、それは当局者がどうという事ではなくて、当局者は、ソフトランディングの大義名分など、そう簡単に方針を変えるという事はないでしょうから。僕が、意識しているのは、ゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミスト、ヤン・ハチウスさんが、今年のリセッション確率をそれまでの35%から25%に、つい先日修正なさった事です。これそのものについては、その時、この寄稿で述べました。

常々、ウォール街でベストのエコノミストだと思いますと、ヤン・ハチウスさんについてこの寄稿で述べてきました。もちろん、今日もそう思っています。

もうずいぶん前ですが。一番最初は、同じ業界で働く者同士という事で、長くゴールドマン・サックスさんに籍を置いて、活躍してきた僕個人の身近な友人に直接、ヤン・ハチウスさんについて、尋ねたことが、きっかけです。
「すごく、この上なく優秀な人、エコノミストだと思うんですけど、どうですか?」と言う主旨の事を僕が尋ねたら。

友人が当時、直接僕に語って聞かせてくれた答えは、「アウトライヤーさんもうよくご存知の通り、ゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミストであった、ビル(ウィリアム)・ダッドリー氏が、ニューヨーク連銀総裁に就任するにあたって、その後任に、指名されたのが、ヤン・ハチウス氏です。アウトライヤーさんがおっしゃる通りだと思います。もちろん、優秀極まりない方ですが、微に入り細に入り、FRBの事、そのひとつひとつのプロセスやそれに至る根回しのスタート地点なども含めて、すごくよくわかってますよね」でした。


リセッションは、今年後半ではなくて、もしかすると、来年前半に後ずれする


以来、ずっと、ヤン・ハチウス氏のコメントだけは、出来るだけフォローしてきていて。氏らが、今年のリセッション確率をそれまでの35%から25%に、つい先日修正なさった事から、リセッションは、今年後半ではなくて、もしかすると、来年前半に後ずれすることもあるのかなあとは、頭の中で、頭の中では、ですが、うっすらとは、思っています。そうすると、それをマーケットが織り込む時期が、少し後ずれするのかなあとかは当然うっすら思っています。

従って、会社は全く異なりますが、僕が目線を合わせている、モルガンスタンレーのチーフ・ストラテジスト、マイケル・ウィルソンさんが、S&P500の3000レベルを見るのは、今年の第一四半期というところから、”今年のどこかで”という事に修正なさった事にも、少々ですが、うなずけるような気がしています。

さはさりながら、僕がこの寄稿で述べて来た、まず「2月」。今、2月後半です。そして、「3月」「4月」今年のQ1とQ2(第1四半期と第2四半期この今年上半期にまず注目。ここで、マーケットの下落局面を見る、という考え方や目線に、今のところ、全くこれまでから、変わりはありません。

ここに変わりがないという僕の根拠は、リセッション(景気後退)の前に、リセッション(景気後退)を誘発する、Earnings Recession(企業収益・利益の不調、リセッション)が順番として先にあるでしょう。それがあるでしょうから、マーケットはそれを先に織り込みに行くことになるでしょう、と考えています。

Earnings Recession(企業収益・利益のリセッション)が先にあって、次に、リセッション(景気後退)が起こる、それが、物事の順番だと思っています。
そして、政策金利。ターミナル・レート(金利の最高到達点)については、5%台云々という議論が盛んですが、今後これが、状況によっては、6%を超えてくる可能性さえ十分にあり得るわけです。

「これらの事」と「FRBの流動性」という構図でマーケットを見ています。


ショートのスタンス堅持


僕の場合は、このような事を頭に入れながら、ショートのスタンス堅持で、マーケットと対局しています。


ブルームバーグの記事をもうひとつ引用させて頂きます。
・「株高は失速へ、米利上げの影響は続く―JPモルガンのマテイカ氏

この記事で、JPモルガン・チェースのストラテジストは、すごく重要なポイントをご指摘されていると思います。
それは、「株式相場は通常、米当局が利下げを進める前に底入れすることはなく、利上げを停止する前に安値を付けたことは一度もない」と指摘している点です。
僕は、この点、十二分に意識しておく必要があると思っています。

Barchartさんがシェアしてくださったツィートです。
引用~サー・ジョン・テンプルトン~「投資において、もっとも危険な4語
THIS TIME IT'S DIFFERENT.(今回、それは違う)(今回は違う)
*サー・ジョン・テンプルトン~テンプルトン成長株投信株式会社の設立者。


もう、ここのところ、ず~っと、目にして、聞いて、読んで、出くわしてきた言葉です~This time is different. This time it's different.(今回は違う)。

Barchartさんがシェアしてくださったツィートは、これは絶妙だと僕は思います。
直近の寄稿で、今回は何がどう違うのかわからんのです(笑)とも僕は述べました。
前述の引用~Jeff Wenigerさんがシェアしてくださったツィートとチャートの引用から~「(人は)多分、”今回は違う””このサイクルは異なるんだ”って言うのかもしれませんが、何でそれが今回異なるのか、私にはその理由が見当たりませんね。」

僕も、Jeff Wenigerさんのこのコメントと同じ心境です。





第117回へ続く


最後に …
これからもアウトライヤー様からの寄稿🍅を皆さまにお届けするつもりです。
もし、この記事を最後まで読んで頂けて、良かったなと思ったら「スキ」をクリックお願いします!



関連スペース

11月27日 第1回スペース 2時間

12月18日 第2回スペース 2時間20分

12月22日 第3回スペース 12分間

12月24日 第4回スペース 20分間

12月30日 第5回スペース 20分間

2023年1月19日 第6回スペース 8分間


関連note

私、アウトライヤーは、OUTLIER とは関係ありませんが、
OUTLIERは素敵な商品です
OUTLIER 「相乗的にパフォーマンスを高める食品と栄養素を集約。」


🍅🍅

弟子のNEOさんへ
アウトライヤー
より。外れ値です。でも異常値ではありません。
笑って許してくださいね。ごゆるりとお時間ある時ご覧になってください。
背景にある経歴:80年代後半から、ペインウェバー証券会社、メリルリンチ証券会社、ベアー・スターンズ証券会社等々の外資系証券会社東京支店法人営業部門に勤務。外資系企業生活で24年の歳月が流れました。
ペインウェバー証券会社ニューヨーク本社にて、2名のメンターのもと、米国株式業務を基礎から習得。なぜ、2名だったかと言いますと、フロントオフィス業務用に1名=MIT出身のトレーダーで数学者、バックオフィス業務用に1名=米国では名の知れたバックオフィスの専門家でした。当時、NY証券取引所にもしばしば、足を運び、入り口から出口まで、叩き込まれました。その後、日本国内の機関投資家向け外国株式営業に携わり、メリルリンチ証券会社とベアー・スターンズ証券会社では、それぞれ東京支店法人営業部門外国株式営業部長として、東京、ニューヨーク(ウォール街)、ロンドン(シティ)を中心に、アジア諸国も含めて、世界中を飛び回りました。グローバル株式・金融業務に従事する上で、メリルリンチ証券会社では、当時のメリルリンチ・グローバル株式営業部門におけるアジア地域2名のグローバル・エクティ・コーディネーターの1人として、米国株式を中心に、グローバルに株式業務推進役の職責も兼務。(この時とっても楽しかったです)
2012年2月に外資系企業生活を終えました。
同2012年年春から、日本企業の顧問に就任。
一貫して、この30年超の期間、何度も何度も現地に足を運び、そこにいた人々と直接仕事をした事を含めて、アメリカの金融政策、アメリカの株式市場を見つめてきました。


🍅注意事項
①不特定多数の者により随時に、誰でも閲覧可能な無料記事です。
投資助言行為に該当するアドバイスは行いません。短期動向や個別の運用相談に関するご質問へのご回答は一切行っておりません
③投資の最終決定はご自身のご判断と責任でおこなってください。

『日刊宝の山』『アウトライヤー寄稿』は利益を保証するものではありません。


サポート🍓本当にいつも有り難うございます。